【初心者必見】バーボンとウイスキーは違うの? いえいえウイスキーの一種です!
バーボンウイスキー(通称バーボン)はウイスキーの一種で、アメリカンウイスキーの代名詞的存在です。その多くは、アメリカのケンタッキー州で生産されています。今回は、バーボンウイスキーの特徴やほかのウイスキーとの違い、代表的銘柄などについて紹介します。
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アメリカのバーボンウイスキーはどんなウイスキーなのか、他国のウイスキーとの違いも含めてみていきます。
バーボンとウイスキーは違うお酒?
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アメリカンウイスキーの代名詞、バーボンウイスキーについて概要を紹介します。
バーボンはウイスキーの一種
バーボンウイスキーは、アメリカで生産されているアメリカンウイスキーのひとつ。略して「バーボン」と呼ばれます。
バーボンウイスキーが生まれたのは、アメリカのケンタッキー州バーボン郡。1789年、スコットランドからの移民の子孫であるエライジャ・クレイグ牧師が、トウモロコシを原料にしたウイスキーを造ったのが始まりといわれています。クレイグ牧師は「バーボンの祖」の異名で知られています。
トウモロコシで造ったウイスキーが「バーボン」と呼ばれるようになったのは、1820年代以降のことです。
バーボンウイスキーのほとんどは発祥地であるケンタッキー州で造られているため、「バーボンといえばケンタッキー」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、実際はケンタッキー州以外でも造られています。アメリカの連邦アルコール法の規定に準じていれば、アメリカのどの州で造っても「バーボンウイスキー」を名乗ることができます。
なお、ケンタッキー州で造られ、最低1年以上熟成されたものだけが、「ケンタッキーバーボン」を名乗ることができます。
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バーボンにはテネシーウイスキーという種類もある
バーボンウイスキーのうち、以下の2つの条件を満たしたものは、「テネシーウイスキー」を名乗ることが許されています。
◆テネシー州で造られている
◆チャコールメローイング製法で造られている
チャコールメローイング製法とは、蒸溜後の液体をサトウカエデの炭を使って時間をかけてろ過する製法で、これにより雑味が取り除かれ、まろやかで独特の風味を持つウイスキーに仕上がります。
テネシーウイスキーは、アメリカの連邦アルコール法上はバーボンウイスキーに分類されますが、テネシーウイスキーの造り手はテネシーウイスキーであることに強いこだわりを持っています。高い人気を誇るテネシーウイスキー「ジャックダニエル」も、「IT'S NOT BOURBON. IT'S JACK.」をスローガンに掲げ、バーボンではなく「ジャックダニエル」であることを強調しています。
バーボンとほかのウイスキーを比較! 特徴や味の違いは?
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甘く力強い味わいが魅力のバーボンウイスキーと、それ以外のウイスキーとの違いをかんたんに確認していきます。
バーボンとスコッチウイスキーの違い
バーボンウイスキーはアメリカンウイスキーのひとつですが、スコッチウイスキーはスコットランドで造られるウイスキーの総称です。
バーボンウイスキーの主原料がトウモロコシなのに対して、スコッチウイスキーには、大麦麦芽(モルト)を原料としたモルトウイスキーと、穀類を原料としたグレーンウイスキーの2つの原酒があります。これらを使い分けて、シングルモルトウイスキーやブレンデッドウイスキーなどが造られています。
味の違いについては一概にはいえませんが、バーボンウイスキーは甘い風味、スコッチウイスキーはスモーキーさが特徴的なフレーバーとして挙げられます。なお、スコッチウイスキーの貯蔵には、バーボンウイスキーを貯蔵した古樽が使われるのが一般的。そのため、スコッチウイスキーのなかには、バーボン樽由来の風味を感じられるものもあります。
ちなみに、ウイスキーの綴りは、アメリカでは「Whiskey」が主流ですが、スコットランドでは「e」のない「Whisky」を使うのが一般的です。
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バーボンとアイリッシュウイスキーの違い
アイリッシュウイスキーは、アイルランドで生産されているウイスキーの総称です。未発芽の大麦と大麦麦芽、オート麦などを原料としたポットスチルウイスキーと、大麦麦芽100%のモルトウイスキー、穀類が原料のグレーンウイスキー、これらを組み合わせたブレンデッドウイスキーの4つに分類されます。
アイリッシュウイスキーの味わいは、雑味が少なくてマイルドと評されます。本来の意味でのアイリッシュウイスキーはポットスチルウイスキーのことを指し、3回蒸溜が伝統です。今は必ずしも蒸溜回数は3回ではありませんが、大きなポットスチルで2~3回蒸溜を行い、比較的熟成期間の短いアイリッシュウイスキーは、ライトな酒質が特徴となっています。なお、モルトウイスキーのなかにも、伝統的な3回蒸溜を守る銘柄もあります。
アイリッシュウイスキーの綴りは、アメリカと同じく「Whiskey」が主流です。製法の異なるスコッチのグレーンウイスキーと区別するために、「e」を含む綴りが使われるようになりました。ちなみに、アメリカで「Whiskey」が使われているのは、蒸溜所を立ち上げた創設者にアイルランド系が多かったためといわれています。
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バーボンとモルトウイスキーの違い
アメリカンウイスキーには、「モルトウイスキー」という種類もあります。バーボンウイスキーとの大きな違いは主原料。アメリカの連邦アルコール法により、バーボンウイスキーはトウモロコシの使用比率が51%以上と規定されているのに対し、モルトウイスキーは大麦麦芽の使用比率が51%以上であることと定められています。
アメリカンウイスキーにはほかにも種類があり、バーボンとモルトウイスキーを含めて7種類に分類されます。製法は連邦アルコール法で細かく規定されていますが、ここではそれぞれの主原料と使用比率にフォーカスしてみていきます。
◇バーボンウイスキー:トウモロコシを51%以上
◇モルトウイスキー:大麦麦芽を51%以上
◇ライウイスキー:ライ麦を51%以上
◇ホイートウイスキー:小麦を51%以上
◇ライモルトウイスキー:ライ麦芽を51%以上
◇コーンウイスキー:トウモロコシを80%以上
◇ブレンデッドウイスキー:上記6種類のストレートウイスキーを2年以上熟成したストレートウイスキーを20%以上使ったもの
なお、2年以上熟成したものは、ストレートバーボンウイスキーやストレートライウイスキーなどと呼ばれています。
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バーボンとブランデーの違い
バーボンウイスキーとブランデーは同じ蒸溜酒で、よく似た琥珀色をしていますが、主原料が異なります。バーボンはトウモロコシなど穀物が原料なのに対して、ブランデーはブドウなどの果物を原料として造られます。
ブランデーのおもな生産地は、フランス北部やイギリス、アメリカなど。なかでもフランス産ブランデーは評価が高く、ブドウが原料の「コニャック」と「アルマニャック」、リンゴが原料の「カルヴァドス」は世界三大ブランデーと呼ばれ、高品質の味わいで人気を博しています。
ブランデーの多くは熟成年数によってランク分けされていて、「VS」や「V.S.O.P.」「ナポレオン」などのランクがラベルに記載されています。
初心者にもおすすめ! バーボンウイスキーの代表的銘柄
バーボンウイスキーの代表的な銘柄を、テネシーウイスキーを含めて紹介します。
ジムビーム|上品なバニラ、甘く華やかな香り
出典:サントリー株式会社サイト
「ジムビーム」は、ケンタッキー州で造られているバーボンウイスキー。上品なバニラの香りと甘く華やかな香りが調和した、エレガントでスムースな味わいが魅力です。ハイボールで飲みたい1本。
国内販売元:サントリー株式会社
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メーカーズマーク|華やかな香りまろやかな味わい
出典:サントリー株式会社サイト
メーカーズマークは、手造りでていねいに造られるクラフトウイスキー。華やかな香りとまろやかな味わいが印象的です。ハイボールやカクテルにぴったり。
国内販売元:サントリー株式会社
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ジャックダニエル ブラック(Old No.7)|まろやかでバランスのよい味わい
出典:ジャックダニエル公式サイト
「ジャックダニエル ブラック(Old No.7)」は、テネシーウイスキーの代表格。バニラやキャラメルの香り、まろやかでバランスのよい味わいが特徴のプレミアムウイスキーです。コーラで割る「ジャックコーラ」など、カクテルにも最適。
国内販売元:ブラウンフォーマンジャパン株式会社
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バーボンウイスキーはウイスキーの一種であり、アメリカンウイスキーの代名詞ともいえるウイスキーです。甘く力強い味わいを、ぜひいろいろな飲み方でたのしんでみてくださいね。