「ジャックダニエル」はアメリカのテネシーウイスキーの代表格! バーボンとの違いや特徴、種類も紹介

「ジャックダニエル」はアメリカのテネシーウイスキーの代表格! バーボンとの違いや特徴、種類も紹介

「ジャックダニエル」は、アメリカのテネシー州でつくられているテネシーウイスキー。アメリカンウイスキーとしてはトップクラスの販売量を誇ります。今回は「ジャックダニエル」の特徴や歴史、製法、ラインナップ、飲み方などについて紹介します。

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テネシーウイスキーであることに強いプライドを持ってつくられる、「ジャックダニエル」の魅力を深掘りします。

「ジャックダニエル」とは? 芳醇で、まろやかで均整のとれたプレミアムウイスキー

ジャックダニエルはプレミアムなテネシーウイスキー

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

「ジャックダニエル」はどのようなウイスキーに分類されるのか、まずは「ジャックダニエル」の基本について紹介します。

「ジャックダニエル」はアメリカのテネシーウイスキー

「ジャックダニエル」は、アメリカのテネシー州・リンチバーグでつくられているテネシーウイスキーの代名詞。世界第2位の販売量(2018年現在)で、アメリカンウイスキーとしては売上第1位を誇ります。

1866年に、当時のアメリカの連邦政府に登録されたジャックダニエル蒸溜所は、禁酒法時代の蒸溜所閉鎖・買収を経て、150年以上の歴史を刻んできました。そんな長い歴史を持つ「ジャックダニエル」は、有名ロックスターなどのミュージシャンたちを魅了してきたお酒でもあります。

また、アメリカの往年の大スター、フランク・シナトラの隣にはいつも「ジャックダニエル ブラック(Old No.7)」の姿があったことは有名な話。2014年には、シナトラの生誕100周年を記念した「ジャックダニエル」の最高級品、「ジャックダニエル シナトラセレクト」が発売されました。

ジャックダニエル蒸溜所

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

「ジャックダニエル」はバーボンウイスキーでもある?

「ジャックダニエル」はテネシーウイスキーですが、アメリカの法律上はバーボンウイスキーに分類されます。

バーボンウイスキーは、ケンタッキー州を中心に生産されているアメリカンウイスキーのひとつで、その製法はアメリカの連邦アルコール法で規定されています。生産地は限定されず、定義に従って製造されたものは、アメリカのどの地域でつくられていても「バーボンウイスキー」と名乗れます。テネシーウイスキーは、この条件を満たしているためバーボンウイスキーということもできるのです。

ただし、「テネシーウイスキー」と名乗るには、テネシー州で製造されていなければならず、バーボンウイスキーの定義に加えて、チャコール・メローイング製法(リンカーン郡製法)でつくられている必要があります。つまり、テネシーウイスキーは、バーボンウイスキーよりもさらに厳しいルールに基づいて製造されているということもできるのです。

「ジャックダニエル」は、バーボンウイスキーではなくテネシーウイスキーであることへの強いプライドを持って、ウイスキーづくりを続けています。そのこだわりは、ボトルラベルの「Tennessee Whiskey(テネシーウイスキー)」の文字が物語っています。

「ジャックダニエル」の歴史をたどる

ジャックダニエルの歴史

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

世界に誇る「ジャックダニエル」をつくるジャックダニエル蒸溜所の創業者について、そして蒸溜所のこれまでの歩みについて確認していきます。

「ジャックダニエル」の創業者はジャスパー・ニュートン・ダニエル氏

「ジャックダニエル」は、創業者のジャスパー・ニュートン・ダニエル氏、通称ジャック・ダニエル氏の名に由来します。

ジャック・ダニエル氏のウイスキーづくりは、わずか7歳のときに牧師が経営していた蒸溜所で働き始めたことからスタートします。禁酒運動が高まりつつあった1859年、13歳で蒸溜所を買い取りますが、まもなく南北戦争(1861~65年)が勃発。戦後の1866年にリンチバーグに新たな蒸溜所を設立しました。これが政府公認第1号の蒸溜所として操業を開始した、現在のジャックダニエル蒸溜所です。

ジャック・ダニエル氏はこの蒸溜所で懸命にウイスキーづくりに励み、1904年にミズーリ州で開催された万国博覧会で、「ジャックダニエル ブラック(Old No.7)」が金賞を受賞。世界最高のウイスキーの称号を獲得しました。

その後ケガを負ったジャック・ダニエル氏は、妻も子もいないことから、甥のレム・モトロー氏に託します。1907年のことです。レム氏は、1911年にマスターディスティラーになった弟のジェス・モトロー氏とともにウイスキーづくりにいそしみますが、禁酒法時代に突入すると苦難の道をたどることになります。

ジャックダニエルの歴史

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

創業一家から継承したのは世界的なワイン・スピリッツ会社ブラウン・フォーマン社

禁酒法時代にやむなく廃業することになったジャックダニエル蒸溜所。禁酒法が撤廃されたあとに、甥のレム・モトロー氏が再建しますが、彼の死後、ジャックダニエル蒸溜所は世界的なワイン・スピリッツ会社のブラウン・フォーマン社に買収されます。1956年のことでした。

買収されたあとも「ジャックダニエル」の歴史は終わることなく、創業者ジャック・ダニエル氏の想いとともに、次世代へと受け継がれています。

なお、日本ではブラウンフォーマンジャパン株式会社が「ジャックダニエル」の販売を手がけています。

「ジャックダニエル」の味を育むこだわりの製法

ジャックダニエルの製法

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

ここでは、「ジャックダニエル」の味わいを育む、製法へのこだわりについて紹介していきます。

特徴的なチャコール・メローイング製法

テネシーウイスキーである「ジャックダニエル」は、前述したチャコール・メローイング製法を用いてつくられています。「リンカーン郡製法」とも呼ばれるチャコール・メローイング製法では、熟成前の原酒をサトウカエデの炭で一滴一滴時間をかけてろ過します。バーボンウイスキーにはないこの工程があるからこそ、「テネシーウイスキー」と呼ぶことができます。

だからこそ、ジャックダニエル蒸溜所では、重要な役割を果たすこの炭を、敷地内で手間暇かけて作ることにこだわっています。火災の危険などもありますが、熟成樽では何年もかかる効果を期待できるチャコール・メローイングを行うために、そしてテネシーウイスキーであることへのプライドをかけて、炭作りを続けているのです。

ちなみに、ジャックダニエル蒸溜所では、「チャコール・メローイング製法」とは呼ばず、ジャック・ダニエル氏がいい始めたという「エクストラ・ブレッシング(祝福の積み重ね)」という呼称を使っています。

ジャックダニエルのこだわりの製法とは

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

レシピ、熟成樽、水へのこだわり

「ジャックダニエル」は、創業者のジャック・ダニエル氏が1866年からこだわり続けた製法を忠実に守ってつくられています。

「ジャックダニエル」に使われる原料の組み合わせは、トウモロコシ80%、大麦12%、ライ麦8%。ジャック・ダニエル氏が試行錯誤の末にたどり着いたレシピは、そのまま引き継がれています。ほかにも、蒸溜前のサワーマッシュの配分から蒸溜に至るまで、創業以来変わらない工程を経て、自家製の樽に詰められ熟成されていきます。

熟成のピークを見極めるのは、長年の訓練と経験を積んだ歴代のマスターテイスターたち。ウイスキーの熟成度合いを年数だけで判断するのではなく、ひと樽ひと樽をテイスティングして、色や香り、味わいを見極め、瓶詰めのタイミングを計ることにこだわっています。


「ジャックダニエル」には、ケーヴ・スプリングの洞窟内の湧水が使われています。石灰岩の層から染み出る天然水はミネラルが豊富。ジャック・ダニエル氏は、この水があるからこそ、リンチバーグを蒸溜所の場所に選んだといわれています。「ジャックダニエル」の個性を生み出す清らかな水は、今も大切にされています。

「ジャックダニエル」のラインナップ、香りや味わい、アルコール度数も紹介

「ジャックダニエル」のおもなラインナップと、それぞれの香りや味わい、アルコール度数などを紹介します。

ジャックダニエル ブラック(Old No.7)

ジャックダニエルブラックオールドNo.7

一滴、一滴、伝統的なチャコール・メローイング製法で磨かれたテネシーウイスキーの代名詞「ジャックダニエル ブラック(Old No.7)」。バニラやキャラメルのような香りやオークの香りと、まろやかでバランスのとれた味わいが特長です。

アルコール度数:40%

ジェントルマンジャック

ジェントルマンジャック

2度のチャコール・メローイングで磨き抜かれた、レアなテネシーウイスキー。バニラやキャラメルのような香りとともに、ほのかにフルーティーな香りも感じられます。熟成後のウイスキーを再びろ過して雑味を取り除いているため、極めてスムース。やや甘さのある、豊かな味わいも魅力です。

アルコール度数:40%

ジャックダニエル テネシーハニー

ジャックダニエルテネシーハニー

「ジャックダニエル」にハニーの豊かな風味を加えたフレーバードウイスキー(酒税法上の分類はウイスキーではなくリキュール)。ハチミツのような香りや上品な甘味に加えて、糖蜜やナッツを想わせる香りや、ナッツのような香ばしさも感じられます。芳醇でなめらかな余韻もたのしめます。

アルコール度数:35%

ジャックダニエル シングルバレル

ジャックダニエルシングルバレル

その名のとおり、ひと樽(シングルバレル)のウイスキーだけをボトリングした、贅沢で稀少なテネシーウイスキー。熟成樽から最大限に引き出されたバニラやキャラメルのような香りや、熟成由来の甘味、芯のある力強いコクが印象的な、個性あふれる1本です。

アルコール度数:47%

「ジャックダニエル」の飲み方

ジャックダニエルの飲み方

画像提供:ブラウンフォーマンジャパン株式会社

「ジャックダニエル」は、好みの飲み方でたのしめるテネシーウイスキーですが、ラインナップごとに一度は味わってほしいおすすめの飲み方があります。

「ジャックダニエル ブラック(Old No.7)」は、オン・ザ・ロックやカクテルがおすすめ。コーラで割る「JACK&COLA(ジャックコーラ)」は、ぜひ試してほしい組み合わせです。

「ジェントルマンジャック」は、カクテルベースに最適。クラシックカクテルの「マンハッタン」を「ジェントルマンジャック」ベースで作る「ジェントルマン・マンハッタン」や、レモンジュースやシュガーシロップを加える「ジェントルマン・サワー」などにすれば、カクテルのおいしさが格上げされます。

「ジャックダニエル シングルバレル」は、その力強い個性を堪能するためにも、まずはストレートでゆっくりと味わいたいものです。ただ、アルコール度数が47%と高いので、チェイサーとしてミネラルウォーターを用意することも忘れずに。

「ジャックダニエル テネシーハニー」もカクテルにぴったりで、とくにジンジャーエールとの相性が抜群です。オン・ザ・ロックでハチミツの甘い風味を満喫したあとに、ジンジャーエールで割って飲んでみてください。

150年以上の歴史を持つ「ジャックダニエル」は、伝統的なチャコール・メローイング製法でていねいにつくられているテネシーウイスキーの代名詞。初心者でも飲みやすいので、お好きな飲み方で味わってみてくださいね。

国内販売元:ブラウンフォーマンジャパン株式会社
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