ブランデーのランク(等級)とは? 「V.S.O.P.」や「X.O.」の違いやランクの見方を解説
ブランデーのラベルに、「V.S.O.P」や「ナポレオン」「X.O」などと記載されているものがあります。これらはブランデーのランクを表していますが、何を基準にランク付けされているのでしょうか。今回はブランデーのランクにフォーカスして紹介します。
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目次
- 「V.S.O.P.」や「X.O.」はブランデーのランク(等級)を表す
- 高級ブランデー「コニャック」のランク
- 高級ブランデー「アルマニャック」のランク
「V.S.O.P.」や「X.O.」はブランデーのランク(等級)を表す
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ブランデーの定義
ブランデーは、果実を原料に造られる蒸溜酒です。ブドウを原料としたものが多く、フランス産のコニャックやアルマニャック、イタリア産のグラッパ、ギリシア産のメタクサなどが挙げられます。ほかにも、リンゴが原料のカルヴァドス、洋梨が原料のポワール、杏が原料のアプリコット、すももが原料のミラベルなど、さまざまなブランデーが世界各国で生産されています。
ちなみに、ウイスキーとの大きな違いは原料にあり、ブランデーの原料が果物なのに対して、ウイスキーは大麦など穀類を原料に造られています。
厳しい条件下でランクが定められているブランデーは2種類
今回は、ブドウを原料にしたブランデーのランクについて紹介します。そもそもブランデーはフランスの「原産地呼称統制法(A.O.C.)」により管理・保護されているお酒で、厳格な条件をクリアしたものだけが産地呼称を名乗ることが許されています。
さらに、ブランデーのなかでも高級ブランデーとして知られるフランス産のコニャックとアルマニャックには、厳正な基準が設けられています。品質のよさを保証する証がランクで、それぞれに設置された事務局で、厳しく品質管理されています。
なお、コニャック・アルマニャック以外にもランクが表記されているブランデーがありますが、メーカー独自の表記で、厳正に規制されているわけではありません。コニャック・アルマニャックと同じように、厳しく品質(熟成年数)が保証されているものではないということを覚えておくとよいでしょう。
ブランデーのランクを決定づけるコントとは?
コニャックとアルマニャックでは、「コント(Compte)」という熟成年数を表す単位が用いられています。
コニャックでは毎年4月1日~翌年3月31日、アルマニャックでは1か月遅れの毎年5月1日~翌年4月31日を1年と見なし、この周期を基準に、樽に詰められた原酒の熟成年数=コントが数えられています。
◇コント00:蒸溜した年 (ブドウの収穫から1年以内に蒸溜)
◇コント0:樽熟成1年目(翌年4月1日または5月1日~1年)
◇コント1:樽熟成2年目(翌年4月1日または5月1日~1年)
◇コント2:樽熟成3年目(翌年4月1日または5月1日~1年)
コニャックはコント2以上でなければ出荷できず、アルマニャックはコント0から出荷可能です。
なお、多くのコニャック・アルマニャックは熟成年数の異なる複数の原酒をブレンドして瓶詰めされていますが、そのうちのもっとも若い熟成年数(コント)に応じたランクをボトルラベルに表示することと定められています。
高級ブランデー「コニャック」のランク
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