ブランデーのランク(等級)とは? 「V.S.O.P.」や「X.O.」の違いやランクの見方を解説
ブランデーのラベルに、「V.S.O.P」や「ナポレオン」「X.O」などと記載されているものがあります。これらはブランデーのランクを表していますが、何を基準にランク付けされているのでしょうか。今回はブランデーのランクにフォーカスして紹介します。
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目次
- 「V.S.O.P.」や「X.O.」はブランデーのランク(等級)を表す
- 高級ブランデー「コニャック」のランク
- 高級ブランデー「アルマニャック」のランク
コニャックの概要
コニャックはフランス西南部のコニャック地方で、16世紀ごろから生産されているブランデーです。おもにユニ・ブランというブドウ品種を原料に、単式蒸溜機による2回蒸溜で造られています。
コニャック地方は、ブドウ畑(クリュ)の質によって6地域にランク分けされているのが特徴。土壌の質は収穫されるブドウの質を左右し、ブランデーの味わいにも影響するといわれています。そのため生産地区によりブランデーの格が異なります。
とくに「グランド・シャンパーニュ」で生産されたブランデーは高品位。これと「プティット・シャンパーニュ」のブランデーをブレンドし、かつグランド・シャンパーニュの割合が50%以上のものは、「フィーヌ・シャンパーニュ」と名乗ることができます。大手ブランデーの多くはフィーヌ・シャンパーニュです。
ちなみに、ワインのシャンパーニュとはまったく関係ありません。
コニャックの熟成年数によるランク
コニャックは「全国コニャック事務局(BNIC)」によって、以下のようなランクが設けられています。一部を紹介しましょう。
◇スリースター
コント2以上(最低熟成年数2年=樽熟成3年目以上)
◇V.S(Very Special)
コント2以上(最低熟成年数2年以上で、スリースターより上位のもの)
◇V.S.O.P(Very Superior Old Pale)
コント4以上(最低熟成年数4年以上)
◇ナポレオン
コント6以上(最低熟成年数6年以上)
◇X.O(Extra Old)
コント10以上(最低熟成年数10年以上)※2018年4月1日以降に出荷されたもの。
◇Hors d'âge(オール ダージュ)など
コント10以上(最低熟成年数10年以上で、一般にX.Oより上位のもの)
◇X.X.O(Extra Extra Old)
コント14以上(最低熟成年数14年以上)
このほか、メーカー独自のランク表記が使用される場合もあります。
フランスの高級ブランデー「コニャック」を飲むなら、グラスにもこだわろう
高級ブランデー「アルマニャック」のランク
rustamank / Shutterstock.com
アルマニャックの概要
フランス南部・ガスコーニュのアルマニャック地方で生産されているブランデーです。ユニ・ブラン種などのブドウを原料に、おもに半連続式蒸溜機を使用して、1回蒸溜で造られます。
アルマニャック地方のブドウの栽培地域は3つに区分されていて、なかでもバ・アルマニャック産のものは品質が高いと評価されています。
なお、アルマニャックはコニャックよりも歴史が古く、14世紀ころには百薬の長として重宝されていたともいわれています。
アルマニャックのランク
アルマニャックはフランスの「全国アルマニャック事務局(BNIA)」によって、おもに以下のようなランクが設けられています。
◇スリースター
コント1以上(最低熟成年数1年以上=樽熟成2年目以上)
◇V.S(Very Special)
コント1以上(最低熟成年数1年以上)
◇V.O(Very Old)
コント4以上(最低熟成年数4年以上)
◇V.S.O.P(Very Superior Old Pale)
コント4以上(最低熟成年数4年以上、V.Oより上位のもの)
◇ナポレオン
コント6以上(最低熟成年数6年以上)
◇X.O(Extra Old)
コント10以上(最低熟成年数10年以上)※2018年4月1日以降に出荷されたもの。
◇Hors d'âge(オール ダージュ)
コント10以上(最低熟成年数10年以上、X.O.より上位のもの)
なお、アルマニャックでも、メーカー独自のランク表記が用いられることがあります。
世界各国で多種多様なブランデーが生産されているなかでも、熟成年数によるランク規定が厳しく設けられているコニャックとアルマニャックは特別な存在ともいえそうです。機会があれば飲み比べて、ランクの違いをたのしんでみてはいかがでしょう。
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