秋田の日本酒おすすめ銘柄9選! 秋田のおいしい日本酒ブランドを厳選して紹介

秋田の日本酒おすすめ銘柄9選! 秋田のおいしい日本酒ブランドを厳選して紹介
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秋田は日本酒がおいしい酒処として知られています。今回は秋田の日本酒の特徴やおいしい理由に加え、おすすめしたい有名銘柄や入手困難なレア銘柄、さらには、秋田の酒造会社のうち、醸造も手掛ける若手蔵元グループ「NEXT5」に属する蔵の銘柄も紹介します。

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まずは秋田の日本酒の特徴からみていきましょう。

秋田の日本酒の特徴は?

秋田の日本酒の特徴

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秋田県は日本酒の消費量が多い土地柄で、国税庁の「酒のしおり」令和4年(2022年)3月版の「令和2年度成人1人当たりの酒類販売(消費)数量表(都道府県別)」によれば、新潟県に続く第2位となっています。

国内有数の米処である秋田では昔から日本酒造りが盛んで、現在は「美酒王国」とも呼ばれる酒処。国税庁の令和3年(2021年)調査(※)によると28の蔵元が稼働中で、それぞれがおいしいお酒を造っています。

秋田の日本酒の特徴は、きめ細やかさのある、やわらかで淡麗温和な味わいといわれています。その傾向はたしかにありますが、近年では酒質がバラエティに富み、さまざまな個性のある味わいの日本酒が登場しています。

※参考:酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和3年調査分)

秋田の日本酒がおいしい理由とは?

秋田の日本酒がおいしい理由

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秋田の日本酒がおいしい理由には、良質な水と米に恵まれていることと、自然豊かで寒冷な気候風土が日本酒造りの条件に合っていることなどが挙げられます。

また秋田では、やや硬質といわれる秋田県産米の米質や、ミネラル分が少ない軟水の多い水質に合わせ、工夫を積み重ねながら酒造りが行われてきました。

醪(もろみ)の仕込みから発酵までを、低い温度でじっくりと時間をかけて行う、寒冷地の特性を活かした「秋田流低温長期醗酵」という方法も広く行われていて、淡麗でなめらかな酒質を生み出す一助となっています。

秋田の日本酒|有名銘柄おすすめ3選

秋田の日本酒のうち、よく知られる3つのおすすめ有名銘柄を紹介します。

雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ):齋彌酒造店|余分な手を加えずに造られる豊かな風味あるお酒

秋田県の齋彌酒造店が造る「雪の茅舎」

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齋彌(さいや)酒造店の「雪の茅舎」は、全国新酒鑑評会の常連で、これまでに何度も金賞を受賞している秋田の日本酒の代表的な銘柄です。

ラインナップには、純米酒の頂点をめざして造られる「純米大吟醸 聴雪(ちょうせつ)」をはじめとする純米酒系を中心に、品評会出品酒がベースの「大吟醸 花朝月夕(かちょうげっせき)」、自然の乳酸菌の力を借りて醸す伝統的な「山廃もと」を復活させて仕込んだ「山廃 純米大吟醸」などの山廃仕込みのお酒などが並んでいます。

蔵人たちや契約農家が栽培する酒造好適米の「秋田酒こまち」や「山田錦」を、蔵内に湧く良質な水と長年にわたり選抜した自家培養酵母で醸す「雪の茅舎」は、高低差約6メートルもの傾斜地に建てられた通称「のぼり蔵」で造られます。

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも取り上げられた伝説の杜氏・高橋藤一氏による酒造りは、「お酒は人ではなく、微生物が醸す」という蔵の考え方にももとづくもの。

隅々まで清掃を行い蔵内の微生物の環境を整えるとともに、「櫂入れをしない」「濾過をしない」「加水しない」という余分な手は加えない自然の力による酒造りを行って、「雪の茅舎」ならではの豊かな風味のある味わいを生み出しています。

製造元:株式会社齋彌酒造店
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太平山(たいへいざん):小玉醸造|生酛(きもと)や吟醸を主力とするこだわりの銘柄

KURA MASTER 2022 プラチナ賞受賞の「純米吟醸 澄月」

出典:小玉醸造株式会社オンラインショップ

明治時代から味噌や醤油を造ってきた小玉醸造が、大正2年(1913年)に日本酒造りを開始。地域で親しまれてきた秋田の名峰・太平山の名を冠した銘酒「太平山」を世に送り出しました。

小玉醸造は、手間がかかる生酛造りや吟醸造りのお酒を主力とするこだわりの酒造りを行っている蔵元で、伝統の家伝生酛造りの発祥蔵としても知られています。

「太平山」ブランドの日本酒は国内外で高い評価を受けています。代表酒としては精米歩合40パーセントの「山田錦」を生酛造りで醸した「純米大吟醸 天巧」や、地元の酒造好適米「秋田酒こまち」を使った「純米吟醸 澄月」などが挙げられます。

製造元:小玉醸造株式会社
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美酒爛漫(びしゅらんまん):秋田銘醸|品質第一主義で醸される秋田の美酒

秋田県の秋田銘醸が造る「美酒爛漫」

出典:秋田銘醸株式会社サイト

「美酒爛漫」は、品質の優れたお酒を安定供給することをめざし、設立当初から量産可能な近代的設備を導入している秋田銘醸の代表銘柄です。

「美酒爛漫」銘柄には、長年親しまれてきた「爛漫 普通酒」のほか、香りと味わいに特徴ある特定名称酒をそろえた「かおりシリーズ」や、自社田で栽培した秋田生まれの新しい酒造好適米「百田(ひゃくでん)」と「一穂積(いちほづみ)」を用いた「稲シリーズ」など、多くの商品がラインナップされています。

製造元:秋田銘醸株式会社
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秋田の日本酒|レア銘柄おすすめ3選

秋田の日本酒のなかでもなかなか手に入らない、希少価値の高い3つのおすすめレア銘柄を紹介します。

No.6(ナンバー6):新政酒造|地元産米をきょうかい6号酵母で醸す生酛純米生酒シリーズ

秋田県の新政酒造が造る「No.6」

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米は地元の秋田県で栽培されたもの、酒母は江戸期の伝統製法である「生酛」のみ、酵母は昭和5年(1930年)に蔵から分離・培養された「きょうかい6号酵母」のみを使い、すべてのお酒を醸造している新政酒造。

近年では「木桶」を使った製法の継承を模索しているほか、秋田市の山間地域「鵜養(うやしない)」で、無肥料・無農薬で行う原料米の自然栽培に取り組んでいます。

秋田の日本酒として名前が挙がることが多い「No.6(ナンバー6)」は、その名のとおり、6号酵母の魅力をダイレクトに表現することを目的に醸造される蔵元唯一の定番生酒シリーズ。個性的なボトルデザインでも知られています。

生酒を通年流通させるため、マイナス5度以下の貯蔵管理を行い、信頼できる専門店のみで販売。入手しづらいレア商品となっています。

「No.6」のフラッグシップモデル「X-Type(エックスタイプ)」は、磨きこまれた米を用いた、より格調高い仕上がりの逸品。6号酵母の清楚にして力強い存在感が鮮やかに感じられます。

「No.6」の代表作とされる「S-Type(エスタイプ)」は、ふくよかさとキレを兼ね備えたミッドモデルで、口に含んだときの濃縮感と、後半のキレが好対照で魅力的。エントリーモデルの「R-Type(アールタイプ)」は、生酛造りの生酒らしい旨味がたのしめます。

製造元:新政酒造株式会社
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花邑(はなむら):両関酒造|「一盃で記憶に残る」純米吟醸酒中心の特約店限定銘柄

秋田県の両関酒造が造る「花邑」

出典:両関酒造株式会社サイト

秋田の日本酒「花邑」は、豪雪地帯の湯沢市に蔵を構える両関酒造の特約店限定銘柄です。

ひと口飲めばおいしさが伝わる「一盃で記憶に残る味わい」を求めて醸される「花邑」は、「十四代」ブランドで知られる山形県の蔵元、高木酒造との出会いから生まれた銘柄です。

仕込みについて教わった高木酒造から「雄町(おまち)」と「陸羽田(りくうでん)」という2種類の米を譲り受け、試行錯誤の末に「花邑」ができあがりました。「花邑」という銘柄名も高木氏がつけてくれたもので、つながりの深さがうかがえます。

その後「花邑」は、「愛山」や「山田錦」など、さまざまな米を用いて造られるようになり、ラインナップが増えていきます。

なかでも「純米吟醸 雄町」と「純米酒 陸羽田」は原点ともいえる2本。「純米吟醸 雄町」は瓶火入れ1回のお酒で、香り高く上品な甘味とやわらかな旨味がたのしめます。「純米酒 陸羽田」は高い酒質を誇るクリアで洗練された味わいが印象的。スマート&フレッシュでキレ感も抜群のお酒です。

製造元:両関酒造株式会社
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ゆきの美人:秋田醸造|料理に合う穏やかな香りとやわらかな口当たり

秋田県の秋田醸造が造る「ゆきの美人」

artswai / PIXTA(ピクスタ)

「ゆきの美人」はマンションの一角に蔵を構える秋田醸造のブランドです。

限られたスペースのなか、少量の醸造を行う秋田醸造では、低温管理ができる設備が整えられていて、年間をとおしての酒造りが可能。季節に合わせた商品のほか、ほかの蔵元が火入れをしたお酒を出す時期に生酒を販売するなど、強みを活かした経営が行われています。

料理に合う、落ち着いて飲めるお酒をめざして造られる「ゆきの美人」の特徴は、穏やかな香りとやわらかな口当たり。すっとした切れ味があることもポイントです。

定番酒「ゆきの美人 純米吟醸」はジューシーな味わいが際立つ1本。麹米(こうじまい)の「山田錦」由来のふくらみや旨味と、掛米(かけまい)の「秋田酒こまち」がもたらす軽快さが調和する人気酒です。

製造元:秋田醸造株式会社
公式サイトはありません

秋田の日本酒|NEXT5の蔵元&ブランドを紹介

「NEXT5(ネクストファイブ)」とは、秋田県にある5つの蔵元の若手経営者たちによる新たな酒造りをめざすプロジェクト。

参加しているのは「山本」の山本酒造店、「春霞」の栗林酒造店、「No.6」の新政酒造、「ゆきの美人」の秋田醸造、「一白水成」の福禄寿酒造で、いずれも経営者自らが醸造を手掛けている蔵元(蔵元杜氏)として知られています。

「No.6」の新政酒造と「ゆきの美人」の秋田醸造はすでに紹介しているため、ここではほかの3蔵元の銘柄を紹介します。

山本:山本酒造店|看板商品は蔵元杜氏の魂宿る純米吟醸

秋田県の山本酒造店が造る「山本」

出典:株式会社山本酒造店サイト

「白瀑(しらたき)」銘柄で知られる蔵元が、現当主・山本友文氏の一念発起により、杜氏制を廃止。背水の陣で挑んだ初年度の酒造りが成功し「山本」ブランドが生まれました。

ミネラル分の少ない白神山地の湧き水を使い、低温でじっくり醸すことで、フレッシュな酸味とキレのある後味が魅力的な「山本」の味わいが生まれます。

「山本」は、季節限定酒の酒名が「山本 うきうき」だったり「山本 ドキドキ」だったり、「セクスィー山本酵母」と名づけた蔵つき分離酵母を使ったり、ラベルの説明文がSNSで話題になったりと、山本氏の遊び心が随所に感じられる銘柄でもあります。

主力の「山本 Pure Black ピュアブラック」は、香りが控えめでジューシーな酸味と鋭いキレ味が特徴の純米吟醸酒。「ピュアブラック」と酵母だけが異なる「山本 Midnight Blue ミッドナイトブルー」はリッチな香りと穏やかな味わいが、麹菌だけが異なる「山本 Strawberry Red ストロベリーレッド」はクエン酸に由来する甘酸っぱい味わいがたのしめます。

製造元:株式会社山本酒造店
公式サイトはこちら

春霞(はるかすみ):栗林酒造店|米にこだわる蔵元のていねいな酒造りから生まれる食中酒

秋田県の栗林酒造店が造る「春霞」

出典:合名会社栗林酒造店公式インスタグラム

「春霞」は、派手さはなくとも香味バランスのよい、ごはんのおかずとも合う食中酒をめざして造られるお酒。清らかな水と豊かな自然に恵まれた仙北郡美郷町(みさとちょう)に蔵を構える栗林酒造店の銘柄酒です。

栗林酒造店では、使用する原料米の品種と酵母の種類をしぼった、ていねいな酒造りが行われています。おもに使われているのが、契約栽培された秋田県
生まれの酒造好適米「美郷錦」と「9号系酵母」。前杜氏の名を冠した蔵つきの「亀山酵母」で仕込まれるお酒も増えてきています。

ほどよい香りでじっくり味わえるプレミアム酒の「春霞 純米大吟醸 袋吊り 黒ラベル」と「春霞 純米大吟醸 白ラベル」、ベーシック酒に位置づけられた、やさしい口当たりの「春霞 純米 赤ラベル」とコクのあるやわらかな飲み心地の「春霞 純米吟醸 緑ラベル」のほか、季節限定酒もラインナップされています。

製造元:合名会社栗林酒造店
公式サイトはこちら

一白水成(いっぱくすいせい):福禄寿酒造|華やかな香りとバランスがとれた味わいのうまい酒

秋田県の福禄寿酒造が造る「一白水成」

tokomaru7 / PIXTA(ピクスタ)

江戸時代創業の福禄寿酒造が手掛ける「一白水成」は、平成18年(2006年)にスタートした県外向けの特定名称酒ブランドです。

「一白水成」とは「白い米と水から成る、一番旨い酒」という意味。ミネラル分を多く含んだ中硬水の湧き水と、おもに地元の五城目町酒米研究会に所属する農家が作る契約栽培の酒造好適米を使って造られるもので、華やかな香りと、酸とキレのバランスがよい味わいが特徴の日本酒となっています。

白いラベルの「一白水成 良心」は、米の旨味と果実香が口中に広がる1回火入れの特別純米酒。青いラベルの「一白水成 純米吟醸」は1回火入れの無濾過(むろか)原酒で、約半年寝かせたことによる落ち着いた味わいがたのしめます。

製造元:福禄寿酒造株式会社
公式サイトはこちら

(結び)
各蔵元がそれぞれの志をもとに生み出した、多様な旨さが堪能できる秋田の日本酒。希少な商品も多いので、見かけたらぜひ手に取って飲んでみてくださいね。

(参考サイト)
秋田県酒造協同組合

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