「新政(あらまさ)」ボトルデザインと味で二度たのしめる純米酒【秋田の日本酒】
「新政」を生んだ新政酒造は、創業1852年(嘉永5年)、現存する最古の酵母「きょうかい6号(6号酵母)」の生みの親としても知られる老舗蔵元です。そんな由緒ある酒蔵における、21世紀の酒造りをめざした変革が、日本酒愛好家の確かな支持を集めています。
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「新政」は、幕末以来の歴史を誇る老舗蔵元のこだわりが生んだ酒
出典:新政酒造サイト
「新政」の生みの親である新政酒造が誕生したのは、江戸時代後半の嘉永5年(1852年)のこと。幕末の幕開けとして知られる黒船来航の前年といえば、その歴史の古さがわかるというものです。
「新政」という名前は、明治政府が方針に掲げた「新政厚徳(厚い徳をもって、新しい政治をなす)」という言葉に由来するのだとか。
この「新しさ」への意欲は、歴代の当主に受け継がれ、日本初の寒冷地酵母「きょうかい6号」の発見をはじめ、日本の酒造りにさまざまなエポックをもたらしてきました。
その精神は、創業から150年以上を経た現在も受け継がれており、8代目当主の佐藤祐輔氏もまた、培ってきた酒造りの技を守る一方で、常に新たなチャレンジを続けています。
たとえば、「吟醸」「大吟醸」など精米歩合による分類にこだわらず、全品種を「純米酒」に統一。また、従来の一升瓶主体ではなく、酒質を管理しやすい四号瓶を主体に販売しています。
さらに、杜氏(とうじ)制を廃止し、若手中心の社員醸造に切り替えるなど、業界の常識を覆るような「改革」によって、常に時代にあった酒造りをめざしています。
「新政」人気を支える、米と酵母へのこだわり。
出典:新政酒造サイト
「新政」の上品な甘味とさわやかな口当たりをもたらしているのが、原料への徹底したこだわりです。
新政の原料米には、すべて秋田県産米を使用していますが、これは秋田の米作りの伝統を重んじると同時に、地域経済への貢献、さらにはトレーサビリティの確保も視野にいれたものです。
さらに、酵母も「きょうかい6号(新政酵母)」系に限定し、醸造用乳酸を用いて短期間でつくられる「速醸酒母」ではなく、天然由来の乳酸菌だけを用いた「生酛系酒母」だけを使用。
さらに、酒税法で認められている添加物も一切使用しないことで、独特のクリアな旨味を実現しています。
一方で、伝統や地域性を尊ぶ酒造りからは連想しがたい、スタイリッシュなボトルデザインにも定評があります。
若い女性からは「インスタ映え」すると評判で、写真を撮って開栓する楽しみも味わえる、1本で二度おいしい日本酒といえるでしょう。
「新政」シリーズの人気銘柄を飲み比べ
出典:新政酒造株式会社
「新政」にはさまざまな人気銘柄がありますが、なかでもおすすめはこの3銘柄です。
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