焼酎の蔵元が集中する焼酎王国、九州。そのワケと代表的蔵元は?

焼酎の蔵元が集中する焼酎王国、九州。そのワケと代表的蔵元は?
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焼酎は、どこでも購入することができて、いつでも飲むことのできるお酒。種類もたくさん存在しますが、じつはその多くが九州で造られているのです。今回は、九州で多く造られている理由や、九州を代表する蔵元などについて紹介します。

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九州には、焼酎を造る蔵元が多数!

九州には、焼酎を造る蔵元が多数!

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九州は、日本が誇る焼酎大国

九州には、焼酎の消費量、製造量ともに、全国ランキングで上位にランクインする県が集中しています。じつは日本酒の蔵元もたくさんある九州ですが、もともと根付いていたのは焼酎文化のため、やはり歴史ある焼酎蔵が目立ちます。

また、ひとことで九州の焼酎といっても、地域によって種類も特徴もさまざま。芋や麦、米、黒糖焼酎など、それぞれに魅力あふれる焼酎が造られています。

九州にはどのくらいの焼酎蔵がある?

国税庁が公表している平成30年度の統計データ「都道府県別の免許場数 」によると、「しょうちゅう」の免許場の総数は全国で約850。そのうち、九州の免許場数はなんと300を超えていて、日本全国のじつに1/3以上を九州が占めていることがわかります。なかでも、鹿児島県には100以上の蔵元があり、銘柄数は2,000を超えるといわれています。

九州には長きに渡って焼酎を造り続けてきた老舗蔵元も多数あり、焼酎の歴史の深さが感じられます。

焼酎の蔵元が九州に多いのはなぜ?

焼酎の蔵元が九州に多いのはなぜ?

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九州の風土に適した麹を探り、焼酎造りに活用

焼酎の風味に影響する麹は、焼酎造りにおいて要となる存在。九州では焼酎造りの歴史のなかで、より適した麹を求めて試行錯誤が繰り返されてきました。

九州でもともと使われていたのは「黄麹」。日本酒によく使われる黄麹はフルーティーな味わいを生みますが、雑菌に弱く腐りやすいのが難点です。

そこで、代わりに取り入れられたのが、沖縄の泡盛に伝統的に使われてきた「黒麹」。黒麹には、暖かい場所でより活発に働く性質があり、かつ、雑菌が繁殖するのを抑える力があるため、積極的に取り入れられるようになります。

そして、この黒麹から突然変異で誕生したのが「白麹」。白麹も雑菌に強く、九州の風土に合っていることから、今では黒麹よりも多くの焼酎に用いられています。

温暖な気候の九州に合った黒麹・白麹が使われるようになり、焼酎造りがますます盛んになっていったのです。

九州は、焼酎の原料となる芋や大麦の一大生産地

焼酎の原料といえば、芋焼酎のサツマイモ、麦焼酎の大麦などが挙げられます。

農林水産省が公表している令和2年の統計データ 「令和元年産かんしょの作付面積及び収穫量」によると、サツマイモ(かんしょ)の生産量全国1位は鹿児島県で、日本全体の約35%を占めています。ほかに、宮崎や熊本でも盛んに作られています。

また大麦(二条大麦)も、農林水産省発表の作物統計調査「令和元年産麦類の収穫量」 のデータから、全体の約57%が九州で収穫されていることがわかります。

どちらも、九州の土地で栽培しやすい食物として古くから生産されてきた身近な存在です。それが九州の焼酎文化につながっていったと考えられています。

焼酎文化の特徴は県によってもさまざま

焼酎文化の特徴は県によってもさまざま

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県ごとの焼酎文化の特徴や代表的蔵元を紹介

【鹿児島】

本格焼酎のひとり当たりの消費量が全国1位 で、県内には100を超える蔵元がある鹿児島県。とくに芋焼酎の本場とされ、地元民にとっては暮らしの一部のような存在です。代表的な蔵元として、「3M」と呼ばれる入手困難な焼酎を造る、「森伊蔵」の森伊蔵酒造、「村尾」の村尾酒造、「魔王」の白玉酒造などが挙げられます。

【宮崎】

2018年度までの本格焼酎の出荷量が5年連続1位 、ひとり当たりの消費量も鹿児島に次いで2位 と、こちらも焼酎が生活に根付いている地域です。宮崎では、芋、麦、そばなど、幅広い種類の焼酎が造られています。代表的な蔵元に、「黒霧島」の霧島酒造、「㐂六(きろく)」の黒木本店、「山ねこ」の尾鈴山蒸留所などがあります。

【大分】

大分で造られる焼酎は、麦が主流。一般的な焼酎造りには米麹が使われるところ、大分では麦麹が使われることが多く、飲み口はさっぱりとしています。代表的な蔵元としては、「いいちこ」の三和酒類、「二階堂」の二階堂酒造、「兼八(かねはち)」の四ツ谷酒造などがあります。

【熊本】

熊本で主流とされるのが、米焼酎。山々に囲まれた盆地には、良質な水が流れ込みます。日本三大急流の球磨川はその象徴で、周辺は米処となっています。代表的な蔵元としては、「鳥飼」の鳥飼酒造、「天草」の天草酒造、「白岳(しろ)」の高橋酒造などがあります。

【長崎】

長崎は、麦焼酎発祥の地。麦と米麹を2:1の割合で仕込む「壱岐焼酎」が長崎の伝統的な焼酎です。代表的な蔵元としては、「壱岐焼酎」の玄海酒造、「壱岐の島」の壱岐の蔵酒造、「猿川」の猿川伊豆酒造などがあります。

【佐賀】

米や麦の生産が盛んな佐賀では、質の高い麦焼酎や米焼酎が造られています。代表的な蔵元としては、「のんのこ」の宗正酒造、「天山」の天山酒造などがあります。芋焼酎の「魔界への誘い」の光武酒造も佐賀の蔵元です。

【福岡】

もともと日本酒が主流だった福岡では、今や麦、米、芋、そば、ゴマ、海苔、ニンジンなど、幅広い種類の焼酎が造られています。代表的な蔵元としては、「博多少女郎」の光酒造、ゴマ焼酎を造る紅乙女酒造、ニンジン焼酎を造る研醸などがあります。

古くから焼酎の文化が根付いていた、九州。県ごとに味を比べてみるのもおもしろそうですね。焼酎を飲む機会があれば、ぜひ産地や蔵元にも注目してみてください。

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