大分は焼酎ブームの地!人気銘柄9選

大分は焼酎ブームの地!人気銘柄9選
出典 : Bankoo/ Shutterstock.com

大分県は昭和の焼酎ブームを先導し、「お酒」に対する日本人の意識を覆したほどの焼酎大国。大分の豊かな自然が育む麦と国内有数の名水で醸された個性あふれる麦焼酎たちは、日本全国で愛飲されています。

  • 更新日:

大分の麦焼酎が焼酎ブームを牽引

大分の麦焼酎が焼酎ブームを牽引

YuriyZhuravov/ Shutterstock.com

大分では、古くは米やもち米を用いて造った「豊後練貫酒(ぶんごねりぬきざけ)」や、蒸し米と米麹を水で仕込んで熟成させた「麻地酒(あさじざけ)」、清酒粕を原料に用いた「粕取(かすとり)焼酎」などが飲まれていました。明治時代になって製造技術が進歩すると、白糖や穀物を使った焼酎造りが行われるようになりましたが、麦麹を使った焼酎の開発が始まったのは、麦の統制が撤廃された1951年以降のことです。

1973年、「二階堂」で知られる老舗蔵、二階堂酒造が、麦と麦麹を原料にした“麦100%”の本格麦焼酎を発売。続いて、三和酒類から麦麹100%の「いいちこ」が登場し、それまでにない芳酵な香りと軽やかな味わいに、全国から注目が集まりました。

以来、大分の麦焼酎は日本全国に進出。「二階堂」や「いいちこ」に代表される飲み飽きしない日常酒から、麦の風味を活かした通好みの逸品まで、幅広い層に受け入れられています。

大分の焼酎が日本中で愛され続ける理由

大分の焼酎が日本中で愛され続ける理由

jazz3311/ Shutterstock.com

大分県の本格焼酎の出荷量は、宮崎県、鹿児島県に次ぐ国内第3位(2017年度実績)。宮崎や鹿児島は芋焼酎が主流ですから、麦焼酎の製造量では大分県がトップを独走しています。

大分は、美しい海や雄大な山々に囲まれた自然豊かな土地。国内有数の温泉地として知られていますが、清らかな水にも恵まれており、焼酎造りにはもってこいの地域といわれています。また、古くから麦麹を用いた味噌や醤油造りがさかんだっただけに、原料の麦へのこだわりもひとしおです。

大分の麦焼酎は、軽やかで飲みやすいものから、麦本来の香ばしさを引き出した通好みのものまで多種多様。多くの蔵元が切磋琢磨しながら独自の風味を追求し、酒質を磨き上げた結果、日本中で愛される銘柄が続々と誕生しています。
かつて焼酎ブームを牽引した2大銘柄は今も健在ですが、そのほかの焼酎蔵も着実に出荷量を伸ばし、大分の麦焼酎の人気を支えています。

大分の人気銘柄

大分の人気銘柄

Edler von Rabenstein/ Shutterstock.com

大分には全国的に知られる人気銘柄がいくつもあります。その代表的な麦焼酎を紹介しましょう。

麦焼酎ブームの火付け役【大分むぎ焼酎 二階堂(にかいどう)

慶応2年(1866年)創業の老舗蔵、二階堂酒造が造る「大分むぎ焼酎 二階堂」は、江戸から明治にかけて愛飲されてきた美酒「麻地酒」の流れを汲む本格焼酎。麦と麦麹を原料とした“麦100%”の焼酎の草分けにして、昭和の焼酎ブームの一翼を担った大分を代表する銘柄です。
秘伝の製法から生まれるその風味は、麦の甘味が心地よく、口あたりもまろやか。ロックや水割りといった定番の飲み方はもちろん、ジュースなどで割ってもおいしく飲めるので、お酒を飲み慣れていない人にもおすすめです。

その香ばしさはまるで麦チョコ!? 【兼八(かねはち)】

「兼八」は宇佐市の小規模蔵、四ツ谷酒造が、大正8年(1919年)の創業当初から守り続けた伝統の製法で造る個性派の麦焼酎。製造量の少なさから、“幻の焼酎”とも呼ばれています。
「兼八」の最大の特徴は、麦チョコを思わせる懐かしい風味と独特のロースト感。裸麦(ハダカムギ)と裸麦麹を原料に、自家製蒸溜機を用いた常圧蒸溜と熟成により、麦本来の香りと味を最大限に引き出しています。

「下町のナポレオン」の愛称で有名【いいちこ】

三和酒類の主力商品「いいちこ」は、1980年代の第二次焼酎ブームを牽引した日本一有名な麦焼酎シリーズ。印象的なポスターやテレビCMでその名を知る人も多く、定番の「いいちこ 25度」は「下町のナポレオン」の愛称で親しまれています。
まろやかで飲みやすいうえ、コストパフォーマンスも抜群。料理を選ばず飲めるので、常備酒にはもちろんのこと、お酒を飲み慣れていない人にもおすすめ。なかでも、まろやかな深みと香りを際立たせた「いいちこスペシャル」は、アメリカをはじめとする海外でも人気の逸品です。

長期熟成のまろやかさに酔う【閻魔(えんま)】

3年以上の長期熟成により育まれる麦焼酎「閻魔」は、大分県日田地方で寛政元年(1789年)から酒蔵を営む老松酒造の代表的な銘柄です。
数あるラインナップのなかでも人気が高いのが、樫樽熟成により淡麗かつ、まろやかな味わいを引き出した「赤閻魔」と、黒麹による麦麹のみを使用した全量麹仕込みの「黒閻魔」で、どちらも世界的な品評会を賑わす世界レベルの味わい。製法上の工夫が生み出す味の違いを楽しめる、焼酎好きにはたまらない銘柄です。

見た目も味もスペシャルな麦焼酎【吉四六(きっちょむ)】

昔話で知られるとんち名人「きっちょむさん」の名を冠した最高級の麦焼酎。二階堂酒造が誇る「大分むぎ焼酎 二階堂」をベースに長期間じっくりと熟成させた、まろやかな味わいの1本です。
焼酎ブームで麦焼酎にスポットがあたった頃は、都会の高級店で「吉四六つぼ」をボトルキープするのがステイタスといわれていたほど注目を浴び、入手が困難だったことも。飲みやすさはもちろん、見た目のインパクトも満点なので、特別な日の祝い酒に、贈り物にもおすすめです。

大分のそのほかの注目銘柄

大分のそのほかの注目銘柄

NOBUHIRO ASADA/ Shutterstock.com

大分には、ほかにも注目銘柄がたくさんありますが、ここではその一部を紹介します。

完全手造りの希少な焼酎【泰明(たいめい)】

小さな町の小さな焼酎蔵、藤居醸造が「うちの蔵でしか、できないことがある」という想いから、昔ながらの道具にこだわり、完全手造りで仕上げる麦焼酎シリーズ。料理との相性のよさと飲み飽きしない味わいが、多くのファンを魅了しています。
人気はキレがよくさっぱりとした味わいの「泰明」と、飲みやすさよりも飲みごたえを重視した「特蒸泰明」。旬の食材や季節感に合わせてチョイスしたい限定品も要注目です。

「洋」のスタイルをもつ焼酎【銀座のすずめ】

銀座の街で粋に酔い、友と語り明かす酔人たちをすずめになぞらえ命名された「銀座のすずめ」は、清酒蔵としても知られる八鹿(やつしか)酒造が生んだ、洋のスタイルをもつ麦焼酎シリーズです。
アメリカのバーボンメーカーから取り寄せたという樫樽を用い、廃線のトンネルを改造した貯蔵庫で熟成させた「銀座のすずめ 琥珀」は、スモーキーな風味が特徴の人気商品。飲みくらべを楽しむなら、まろやかで飲みやすい「銀座のすずめ 白麹」と麦の香ばしさとコクのある旨味が楽しめる「銀座のすずめ 黒麹」がおすすめです。

芋焼酎好きが絶賛する個性的な麦焼酎【おこげ】

「閻魔」シリーズを手がける老松酒造が、特約店向けの限定販売品として開発した麦焼酎。蔵独自の発酵技術と「おこげ」専用の常圧蒸溜を用いた「煎焦仕込み」によって引き出される、麦が焦げたような香ばしさが特徴で、その独特な芳醇香は芋焼酎ファンをもとりこにするほど。
おすすめは、「おこげ」専用の常圧蒸溜を用いて、中どり蒸溜で仕上げた贅沢な原酒を、樫樽で5カ月間熟成した「円熟 おこげ 煎焦仕込み」。独特の麦チョコ風味となめらかな口あたりを堪能してみてください。

原生黒麹で醸したこだわりの限定酒【魔界(まかい)】

「魔界」は「麹屋伝兵衛」、「閻魔」などの人気銘柄で知られる老松酒造が、麹にとことんこだわって作り上げた取扱店限定の麦焼酎。蔵元が「コントロールしづらいあばれん坊」と表現する奄美群島の喜界島に自生する原生黒麹を使用し、麦ならではの甘味や香ばしさを存分に引き出した、通好みの逸品に仕上がっています。焼酎の味わいもさることながら、「商売繁盛」「千客万来」の文字が入った絵馬付きのボトルもインパクト大。氷を入れてステアしたときに風味が際立つよう、アルコール度数は28度とやや高めに設定されています。

大分は他の追随を許さない日本一の麦焼酎大国。飲みやすさに定評のある人気銘柄から、玄人向け銘柄まで、個性豊かな大分の焼酎を飲みくらべて、とびきりの1本を探しあててください。

おすすめ情報

関連情報

焼酎の基礎知識

ビア検(日本ビール検定)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事