「二階堂(にかいどう)」本格焼酎ブームの草分け的存在【大分の焼酎】
「二階堂」は70~80年代に巻き起こった本格焼酎ブームの火つけ役として知られる麦焼酎。飽きのこないすっきりとした味わいや、ノスタルジックなCMで、今も日本中のファンに愛され続けている二階堂。その人気の秘密にせまります。
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「二階堂」は麦焼酎ブームの火つけ役
出典:二階堂酒造サイト
「二階堂」の名で親しまれている「大分むぎ焼酎 二階堂」は、江戸末期の慶応2年(1866年)に創業という、約150年もの歴史を誇る大分の焼酎蔵、二階堂酒造が誇る人気銘柄です。
二階堂酒造は明治、大正と焼酎造りを続けてきましたが、第二次大戦の食料不足により一時休業を余儀なくされます。それでも焼酎造りの想いは途切れることなく、1949年には製造を再開。
1951年にはそれまでの米麹による製法から、麦麹による製法へと移行し、原料も麹もすべて麦という“麦100%”の焼酎を開発。1974年に蔵の名を冠して発売したところ、その飲みやすさが全国的な人気を博し、麦焼酎ブームの火つけ役となりました。
このように、二階堂は戦後生まれの銘柄ですが、そのルーツは遠く江戸時代まで遡れるのだとか。というのも、二階堂は、今から約350年前の1670年ごろ、大分県速見郡日出町にある康徳山松屋寺で誕生し、明治に至るまで徳川将軍家への献上品として珍重された美酒「麻地酒(あさじざけ)」を、現在に受け継いだものといわれているからです。
「二階堂」の人気の秘密
出典:二階堂酒造サイト
「二階堂」は選び抜かれた麦と良質の天然水を原料に、減圧蒸溜機で造り上げた本格焼酎です。
「大分むぎ焼酎」と、原料を商品名に掲げたのは、じつは全国でも初めてのことだそう。その特徴を消費者にわかりやすく示したことも、人気を集めた理由かもしれません。
二階堂を製造しているのは、創業の地に建てられた酒造場です。先進的な設備も導入されていますが、その製法は後継者にだけ受け継がれる門外不出の家伝。杜氏は代々後継ぎが務め、今も家内醸造を守り続けているのだとか。
二階堂の製法は謎のヴェールに包まれていますが、そのおいしさの理由のひとつが、その地の環境にあることは間違いないでしょう。
二階堂酒造が蔵を構える大分県日出町は、湧水の豊富な名水の地として知られています。緑豊かな山々と、波音も静かな別府湾に抱かれたこの地は、焼酎造りに理想的な環境です。
自然の恵みへの感謝の想いを込めて、ていねいに造られているからこそ、二階堂は多くの人に愛され続けているのでしょう。
「二階堂」をさまざまな割り方で楽しむ
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「二階堂」が時代を超えて愛され続ける理由は、上品な香りと麦の甘味、まろやかな飲み口にあります。料理との相性も抜群で、後味もスッキリ。焼酎を飲み慣れていない人にもおすすめできる、飲みやすい1本です。
二階堂は、お茶やジュースなど、各種飲料とも好相性。まずは水割り、お湯割り、ロックなど、シンプルな飲み方からスタートして、さまざまな割材と合わせてみてください。
定番の割り方はもちろんですが、ビール割りやトマトジュース割り、カルピス割り、コーヒー割り、紅茶割り、牛乳割りなど、意外な組み合わせが楽しめるのも「二階堂」ならでは。割合は二階堂3に対して割材7程度がおすすめです。
また、レモンやかぼす、すだち、梅干しなどと合わせるのもおすすめです。クセのない「二階堂」は、きゅうりとの相性も満点です。まろやかさがさらにアップするので、じゃばら切りにしたきゅうりをひとかけ水割りに沈めて飲んでみてください。
「二階堂」は食中酒としても、カクテルベースとしても、おいしく飲めるオールマイティな麦焼酎。ホームパーティーなどでも重宝するので、常備酒としてもおすすめです。
製造元:二階堂酒造有限会社
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