「乙類焼酎」とは?おすすめ銘柄や奥深い魅力を紹介!

「乙類焼酎」とは?おすすめ銘柄や奥深い魅力を紹介!
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「乙類焼酎」をご存知ですか?原料由来の香りや味わいをたのしめる、とても奥深い日本を代表する蒸溜酒です。ここでは乙類焼酎の定義と、芋、麦、米の3種の原料別おすすめ銘柄を紹介します。

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乙類焼酎とは? 甲類焼酎との違いを知ろう

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乙類焼酎の定義は酒税法で定められている

焼酎は、酒税法上の定義に基づいて、単式蒸溜焼酎と連続式蒸溜焼酎に分類されます。単式蒸溜焼酎はいわゆる乙類焼酎(本格焼酎)のことで、連続式蒸溜焼酎はいわゆる甲類焼酎のことです。

酒税法ではそれぞれの焼酎について、以下のような条件を定めています。

◇単式蒸溜焼酎(乙類焼酎/本格焼酎):単式蒸溜器で蒸溜したもので、アルコール分45度以下
◇連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎):連続式蒸溜器で蒸溜したもので、アルコール分36度未満

乙類焼酎と甲類焼酎の酒質の違い

製造法の違いで酒質にどんな違いが現れるのでしょうか。それぞれの、おもな特徴を見てみましょう。

【単式蒸溜焼酎(乙類焼酎/本格焼酎)】

1回の蒸溜で原酒を抽出するため、原料由来の香味や旨味成分を含む個性豊かな焼酎に仕上がります。

【連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎)】

連続して何度も蒸溜を繰り返すため、原料由来の成分は不純物とともに取り除かれますが、その分クセのないピュアな酒質に仕上がります。

乙類焼酎と本格焼酎の違い、乙類焼酎の特徴

乙類焼酎は「本格焼酎」とも呼ばれますが、厳密には定義が異なります。「本格焼酎」と名乗るには、前述の条件に加えて、「米や麦などの穀類」「芋類」「清酒粕」「黒糖」の4品目、または国税庁長官が定める49品目の原料と麹を使用すること、かつ水以外の添加物を一切使わずに造ること、といった条件を満たす必要があります。この定義から外れたものは、「本格焼酎」とは名乗れません。

以上までのことをまとめると、乙類焼酎の酒税法上の名称は単式蒸溜焼酎であり、乙類焼酎は原料由来の個性的な味わいのものが多く、乙類焼酎のなかでも本格焼酎と名乗るにはそれに応じた条件をクリアする必要があることなどが乙類焼酎の特徴となります。各ポイントを覚えておくとよいでしょう。

乙類焼酎のおすすめ銘柄:芋焼酎編

乙類焼酎のおすすめ銘柄:芋焼酎編

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一度は飲みたい、プレミア焼酎「3M」の芋焼酎

【魔王】

フルーティーな香りと飲みやすさが特徴の芋焼酎。名前のインパクトとは対照的に、芋の臭みを抑えたまろやかでやさしい味わいの焼酎です。フルーティーさの秘密は、日本酒にも使われる「黄麹」を使っているため。そして熟成を行うことで、まるみのある旨味をもった、驚くほど飲みやすい酒質になるのです。焼酎ブームが落ち着いた今も、高い人気を誇っています。

ちなみに「魔王」の銘柄名には、天使を誘惑し、魔界へ最高の酒を調達する悪魔たちによってもたらされる特別な酒、という意味がこめられています。これは、ウイスキーなどの製造工程で樽熟成を行う際に、原酒の数パーセントが蒸発しますが、その減少分を“天使のわけまえ”と呼び、縁起のよい兆候と考えられていたことに由来するそうです。

製造元:白玉醸造合名会社
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【村尾】

黒麹を使用し、昔ながらのかめ壺仕込みで仕込んだこだわりの芋焼酎。人気の秘密は、芋ならではの香ばしさとほのかな甘味にあります。明快な個性のなかに、まろやかさとさわやかさ、独特のドライ感やキレのよさが共存しているお酒で、飲みやすくもありながら奥深い通好みの逸品です。手造りによる製法を貫いているため入手は常に困難ですが、チャンスがあったらぜひ味わいたいものです。

製造元:村尾酒造合資会社
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【森伊蔵】

フランスの故・シラク元大統領も愛したという幻の芋焼酎。魔王は飲みやすさ、村尾は芋らしい味わいが特徴なのに対して、「森伊蔵」は“絶妙なバランス”が人気の秘密といわれています。おいしさの秘密は創業以来のかめ壺仕込みと蔵に住み着いた酵母。これによって、マイルドな口当たりと甘味のある、上品な味わいに仕上がります。少量生産のため入手困難ですが、月に一度、蔵元が電話予約 を受け付け、定価にて抽選販売を行っているそうです。

製造元:有限会社森伊蔵酒造
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こちらもおすすめ! 人気の芋焼酎

【伊佐美】

焼酎発祥の地として知られる伊佐地方で生まれ、本格焼酎ブーム以前から“幻の焼酎”として注目されてきた、かめ仕込みの芋焼酎。素朴な風味と黒麹らしい力強さが特徴です。

製造元:合資会社甲斐商店
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【佐藤】

ミネラル豊富な霧島山系の水を使い、黄金千貫の風味をストレートに表現した人気銘柄。黒麹仕込みの「佐藤 黒」と白麹仕込みの「佐藤 白」があり、プレミアム焼酎「3M」に匹敵するとの呼び声も高い焼酎です。

製造元:佐藤酒造有限会社
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【霧島】

焼酎シェア日本一を誇る霧島酒造の芋焼酎ブランド「霧島」。なかでも黒麹仕込みの「黒霧島」は芋焼酎のトップブランドと呼ばれ、人気を集めています。白麹仕込みの「白霧島」、紫芋「ムラサキマサリ」を原料にした「赤霧島」、フルーティーな香りの「茜霧島」との飲み比べも、ぜひチャレンジしてください。

製造元:霧島酒造株式会社
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【一刻者(いっこもん)】

芋麹を使用した芋100%の本格芋焼酎です。黄金千貫を使った定番の「一刻者」はすっきりとした上品な味わい。南九州産赤芋で造る「一刻者赤」は甘く豊かな香りとまろやかさ、すっきりとした味わいが特徴です。また、3年以上熟成させ、まろやかさと芋の旨味を引き出した限定品、「一刻者 長期貯蔵」もおすすめです。

製造元:宝酒造株式会社
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乙類焼酎のおすすめ銘柄:麦焼酎編

乙類焼酎のおすすめ銘柄:麦焼酎編

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第二次焼酎ブームを牽引した伝説の麦焼酎

【いいちこ】

ノスタルジックなCMと「下町のナポレオン」の愛称でおなじみの麦焼酎。厳選した大麦だけを原料に造りあげた麦100%の酒は、華やかな香りとまろやかでクセのない味わいが特徴で、第二次焼酎ブームを牽引しました。根強い人気があり、今なお愛され続けています。

製造元:三和酒類株式会社
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【大分むぎ焼酎 二階堂】

選び抜かれた大麦と麦麹、良質な天然水だけを原料に、減圧蒸溜で造った本格麦焼酎。麦の甘味と上品な香り、まろやかな飲み口を引き出すその製法は門外不出とされています。飲み飽きしないその味は、昭和の時代から多くの人に愛されてきました。「二階堂」を熟成させた「吉四六」も人気です。

製造元:二階堂酒造有限会社
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一度は飲みたいプレミアムな麦焼酎

【百年の孤独】

麦100%の焼酎の原酒を樫樽に貯蔵して3年寝かせた、伝説の長期熟成焼酎。麦の香ばしさに加え、オークやシガーの香り、ココナッツの香りがたのしめる、味わい深い逸品です。独特のコクや複雑な風味を堪能するには、お湯割りがおすすめ。

製造元:株式会社黒木本店
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【中々】

プレミアム焼酎「百年の孤独」の原酒として知られる全量麦焼酎。麦ならではの上品な香ばしさとほんのり甘い香りが特徴で、キャラメルのような風味とやさしい余韻がたのしめます。お湯割にすると、甘味とコクが際立ちますよ。

製造元:株式会社黒木本店
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乙類焼酎のおすすめ銘柄:米焼酎編

乙類焼酎のおすすめ銘柄:米焼酎編

Botamochy/ Shutterstock.com

吟醸酒のような香りをたのしむ

【吟香 鳥飼】

熊本県人吉地方で、400年に亘って焼酎蔵を営む鳥飼酒造の代表銘柄。通常の米焼酎は精米歩合が85〜90%程度なのに対し、「鳥飼」は58%にまで磨き上げた米を使用。蔵伝統の吟醸麹と自家培養の酵母が生み出す、フルーティーで華やかな香りは、日本酒の吟醸酒のような味わいです。料理との相性も抜群で、和食はもちろん、イタリアンやフレンチともよく合います。

製造元:株式会社鳥飼酒造
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米焼酎ともち米焼酎の絶妙なハーモニー

【野うさぎの走り】

長期間貯蔵熟成させた米焼酎の古酒と、もち米で造った風味豊かなもち米焼酎をブレンドし、ドライですっきりとした味わいに仕上げた至高の逸品。ややスモーキーな風味が特徴で、ナッツのようなニュアンスのある複雑な風味と旨味、余韻がたのしめます。アルコール度数は37度とやや高めなので、水割りやお湯割りで飲みたいお酒です。

製造元:株式会社黒木本店
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乙類焼酎には、芋焼酎や麦焼酎、米焼酎のほかにも、そばを原料にした「そば焼酎」や、サトウキビから造られる黒糖を主原料とした「黒糖焼酎」、栗から造る「栗焼酎」などさまざまな焼酎があります。チャンスがあったら飲み比べてみてください。

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