「フレーバードウイスキー」は初心者でも飲みやすいって本当?【ウイスキー用語集】
「フレーバードウイスキー」というウイスキーを知っていますか? 聞いたことはあるけれど詳しく知らない、好きで飲んでいるけれど詳しくは知らない。そんな人のために「フレーバードウイスキー」の特徴や飲み方などを紹介します。
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「フレーバードウイスキー」とは風味を加えたウイスキーリキュールのこと
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「フレーバードウイスキー」ってそもそもどんなウイスキー?
フレーバード(flavored)とは、「味や香りをつけた」という意味。調味料や果物、スパイスなどで味や香りをつけたウイスキーを総じて「フレーバードウイスキー」といいます。
「フレーバードウイスキー」という言葉に馴染みのない人でも、「ハニーウイスキー」といえば聞いたことがあるかもしれません。このハチミツなどを加えた「ハニーウイスキー」も、「フレーバードウイスキー」の一種です。
「フレーバードウイスキー」は「リキュール」に分類される
「フレーバードウイスキー」は、ウイスキーに味や香りなどを加えて造られます。そのため日本の酒税法ではウイスキー類ではなく、リキュールとして分類されるのが特徴です。
しかし、当然、味や香りのベースとなっているのはウイスキーです。そのため、「甘くて飲みやすいけどちゃんとウイスキーらしさがたのしめる」「風味に特徴があってわかりやすいウイスキー」などと評価されます。
「フレーバードウイスキー」は世界的に人気上昇中!
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「フレーバードウイスキー」の生産はカナダやアメリカに多い
「フレーバードウイスキー」の代表的なものとして「カナディアンウイスキー」や「アメリカンウイスキー」が挙げられます。世界5大ウイスキーのひとつに数えられるこれらの特徴を見ていきましょう。
【カナディアンウイスキー】
その名のとおり、カナダで造られるウイスキーの総称です。カナディアンウイスキーのほとんどが、おもにトウモロコシが原料の「ベースウイスキー」と、麦類が原料の「フレーバリングウイスキー」を合わせた「ブレンデッドウイスキー」です。マイルドでライトな風味なので、ウイスキー初心者でもチャレンジしやすい味わいです。
【アメリカンウイスキー】
バーボンなど、アメリカで造られているウイスキーの総称です。アメリカではウイスキーの種類によって原料の比率や蒸溜、熟成の方法などが法律で細かく定められています。
バーボンの原酒にフレーバーを加えた「フレーバードウイスキー」も、アメリカンウイスキーのなかに含まれます。アルコール特有のにおいが少ないため、飲みやすいウイスキーです。
「フレーバードウイスキー」は度数が低い
「フレーバードウイスキー」の特徴は、果汁やスパイスが加えられているため、通常のウイスキーに比べてアルコール度数が低いこと。一般的なウイスキーの度数は40~43度ですが、フレーバードウイスキーの度数は20~35度のものが主流です。
またフレーバードウイスキーは、ストレートで飲むよりも炭酸やジュースなどで割って飲むスタイルが一般的です。そのため、「アルコール度数を低く抑えた飲みやすいお酒」としてのイメージが定着しています。
「フレーバードウイスキー」の種類や飲み方
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「フレーバードウイスキー」の種類
「フレーバードウイスキー」にはさまざまなタイプがあります。フレーバーの種類ごとに、香りや味わいの傾向や特徴を見ていきましょう。
【ハニー系】
ハチミツで風味を加えた「ハニーウイスキー」は甘い味わいが特徴。とろみのある甘さを持った銘柄や、さっぱりとした甘さのものもあります。
【メープル系】
メープルを加えたフレーバードウイスキーは、ほかのフレーバードウイスキーに比べてしっかりとしたコクのある甘さが特徴です。なかには甘味と濃厚な味わいがガツンとくる、飲みごたえのある銘柄もあります。
【フルーツ系】
ベリーやりんご、梅などフルーツの風味を加えたフレーバードウイスキーは、果実の味わいや香りをしっかりとたのしめます。フルーティーで飲みやすいので、ウイスキー初心者におすすめです。
【スパイス系】
フレーバードウイスキーのなかには、ミントやシナモンなどスパイスの風味をたのしめるものもあります。ピリッとしたものや清涼感のあるものなど、少し変わったウイスキーが飲みたいときにどうぞ。
「フレーバードウイスキー」の飲み方
「フレーバードウイスキー」は、さまざまな飲み方でたのしめます。自分好みの組み合わせを探してみましょう。
【ソーダ割り】
甘味が強く爽やかな香りをたのしめるフレーバードウイスキーは、炭酸水で割ることによって、よりスッキリ、さっぱりと味わうことができます。なかでも、アイリッシュウイスキーをベースとしたフレーバードウイスキーに合う飲み方です。
【オンザロック(ロック)】
「オンザロック」は、ウイスキー本来の香りや味わいをたのしめる飲み方。複数のフレーバーをブレンドしたものより、シンプルに香味つけしたフレーバードウイスキーと好相性です。フレーバーのニュアンスとともに、ウイスキーそのものの風味も味わえます。
【ハーフロック】
オンザロックのバリエーションのひとつに、氷を入れたグラスにウイスキーと水の割合を1対1にして飲む、「ハーフロック」という飲み方があります。濃厚で力強いコクのある、フルボディタイプのフレーバードウイスキーに適しています。
【カクテル】
フレーバードウイスキーはカクテルにして、カジュアルに飲むことの多いお酒です。キャラメルやメープル風味のフレーバードウイスキーは、ミルクとの相性も抜群。フルーツ系のものなら、フルーツのフレーバーを活かす紅茶やウーロン茶と合わせても、おいしくいただけます。
【チルドショット(パーシャルショット)】
ボトルごと冷凍庫に入れて、冷やしたウイスキーをそのままショットグラスなどでたのしむ飲み方です。「ストレートでは少し飲みにくい」と感じるフレーバードウイスキーでも、さらりと飲みやすくなります。
【ミスト(クラッシュドアイス)】
細かく砕いたクラッシュアイスにウイスキーを注ぐミストは、爽快な口当たりをたのしみたいときに飲んでほしい1杯。ウイスキーが早く冷えるので、とくに暑い季節にはぴったりです。ハーブ系のフレーバードウイスキーをミストで飲めば、さらなる爽快感が期待できますよ。
「フレーバードウイスキー」は、ウイスキーを飲み慣れていない人でも挑戦しやすいお酒です。バラエティ豊かなフレーバードウイスキーがあるので、さまざまな銘柄を飲み比べて自分好みのお酒を探してみましょう。