ウイスキー蒸溜所の見学で、その奥深さを体感しよう(関東編)

ウイスキー蒸溜所の見学で、その奥深さを体感しよう(関東編)
出典 : Taurus boy/ Shutterstock.com

ウイスキー蒸溜所を見学した際に、「ポットスチル」と呼ばれる蒸溜器を目にして感動する人も少なくないようです。大好きなウイスキーがここから生まれているかと思うと、自然とワクワクしてくるのかもしれません。そんなウイスキーの奥深さを体感できる蒸溜所見学について、今回は関東編をお届けします。

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ウイスキー蒸溜所の見学でウイスキーの魅力を再発見

ウイスキー蒸溜所の見学でウイスキーの魅力を再発見

Lukassek/ Shutterstock.com

ウイスキー造りの全体像がよくわかる

ウイスキー蒸溜所の見学は、近年、“オトナの社会科見学”として人気を集めています。ウイスキーに限らず、工場見学の魅力は、その製品ができあがるまでの工程を間近で体感できること。それが大好きなウイスキーであれば、興味もさらに増すというものです。
なかでも、大きなポットスチル(単式蒸溜器)から蒸溜したての原酒が滴り落ちる瞬間は、ウイスキー愛好家であれば一度は目にしたいのではないでしょうか?

造り手の想いを感じる

ウイスキーの個性や味わいは、産地や造り手の歴史に左右されます。蒸溜所の見学では、ただ製造工程を見るだけではなく、蒸溜所を取り巻く風土や、その蒸溜所の歩んできた歴史などを、造り手自身から説明されることも多く、そこで造られる銘柄についてより深く知ることができます。
見学後に試飲できる場合は、そこで得た知識を踏まえて味わうと、いっそうたのしめそうです。

関東圏のウイスキー蒸溜所見学(1):豊かな森に囲まれた「サントリー白州蒸溜所」(山梨県北杜市)

関東圏のウイスキー蒸溜所見学(1):豊かな森に囲まれた「サントリー白州蒸溜所」(山梨県北杜市)

出典:サントリー社サイト

標高約700メートルの高地にある“森の蒸溜所”

サントリー白州蒸溜所は、昭和48年(1973年)に、山崎蒸溜所に続くサントリー第二のモルトウイスキー蒸溜所として誕生しました。約82万平方メートルという広大な森林に囲まれ、その約8割は未開発と言われるほど、緑豊かな“森の蒸溜所”です。
この蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキー「白州」は、軽快でさわやかな口当たりが魅力。南アルプスの山々にろ過された、キレのよい軟水によって生み出されたものです。

多彩な原酒の造り分けを間近で体感

サントリー白州蒸溜所の大きな特徴が、多彩な味わいの原酒の造り分け。蒸溜所の見学では、仕込みから発酵、蒸溜、熟成に至るまで、各工程で各種設備による造り分けの工夫を見ることができます。
なかでも圧巻なのは、大きさや形が異なる各種の蒸溜器。スタッフによる案内とともに、ウイスキー造りにかける職人たちの息遣いを感じてみましょう

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関東圏のウイスキー蒸溜所見学(2):標高798メートルに佇む「マルス信州蒸溜所」(長野県上伊那郡)

関東圏のウイスキー蒸溜所見学(2):標高798メートルに佇む「マルス信州蒸溜所」(長野県上伊那郡)

出典:本坊酒造

中央アルプスの冷涼な気候を活かした地ウイスキー造り

マルス信州蒸溜所は、焼酎やウイスキー、梅酒、ワインなどを幅広く製造する鹿児島県の本坊酒造が、ウイスキー造りに理想の地を求めて、昭和60年(1985年)に完成させました。
標高798メートルという高地ならではの冷涼な気候と、天然のミネラルをたたえた豊富な水を活かし、「マルスウイスキー」をはじめとした多彩な地ウイスキーを造り出しています。

ウイスキーとビールの製造工程を一度に見学できる

マルス信州蒸溜所の見学では、蒸溜器など普段は目にできないウイスキー生産設備を見学できるとともに、日本のウイスキー黎明期から受け継がれてきたウイスキー造りの技術や歴史を知ることができます。
また、本坊酒造は総合酒類メーカーだけあって、蒸溜所に併設された醸造所では地ビール「南信州ビール」の製造工程も見学できます。ウイスキー、ビールともに試飲もたのしめるので、お酒好きには贅沢な時間と言えるでしょう。

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関東圏のウイスキー蒸溜所見学(3):ハンドクラフトにこだわる「ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所」(埼玉県秩父市)

関東圏のウイスキー蒸溜所見学(3):ハンドクラフトにこだわる「ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所」(埼玉県秩父市)

出典:秩父蒸溜所フェイスブック

「イチローズモルト」で知られる、日本を代表する地ウイスキー蒸溜所

「イチローズモルト」で知られるベンチャーウイスキーは、“クラフトウイスキー”と呼ぶにふさわしい品質重視のウイスキー造りで、世界中のウイスキー愛好家から注目される存在です。
2008年に開設された秩父蒸溜所は、スコットランドから輸入したポットスチル(単式蒸溜器)など選りすぐりの設備が揃っていて、ハンドクラフト(手造り)にこだわったウイスキー造りが続けられています。

一般公開は原則的にしていないものの、見学のチャンスも

秩父蒸溜所は原則として一般には非公開ですが、まめに情報を検索してみると、見学のチャンスがめぐってくるかもしれません。
たとえば、毎年2月に開催される「秩父ウイスキー祭り」の前日には、年に1回だけ秩父蒸溜所の内部を見学できる「秩父蒸溜所オープンデー」が開催されます。
このほかにも、2018年5月には「学士会」、2019年5月には「酒育の会」が会員限定で秩父蒸溜所の見学ツアーを開催しています。

秩父蒸溜所公式フェイスブックはこちら

関東圏にあるウイスキー蒸溜所を紹介しました。大手メーカーから、小さな蒸溜所までさまざまですが、いずれの蒸溜所でもスコッチ流にこだわらない、生粋のジャパニーズ・ウイスキーを造りたいという想いが伝わってきます。ぜひ、機会があれば蒸溜所見学を体験してください。ウイスキーの見方が変わるかもしれません。

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