テキーラのおいしい飲み方は? 本場メキシコの伝統的な飲み方から割るだけ&こだわりカクテルまで

テキーラのおいしい飲み方は? 本場メキシコの伝統的な飲み方から割るだけ&こだわりカクテルまで
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テキーラは「ショット」でたのしむほか、シーンに合わせてさまざまな飲み方ができるお酒です。今回は、本場メキシコの伝統的な飲み方から世界中のバーで不動の人気を誇る定番カクテル、かんたんアレンジまで、テキーラのさまざまな飲み方を紹介します。

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テキーラといえばショットで飲むイメージがあるかもしれませんが、好みのジュースで割っても、カクテルのベースにしてもおいしくたのしめます。

テキーラとはどんなお酒? 原料や味わい、アルコール度数などをおさらい

テキーラの原料となるブルーアガベ

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テキーラとは、ウオッカ、ジン、ラム(ラム酒)と並ぶ世界4大スピリッツのひとつ。「テキーラ」という名称は原産地であるメキシコ政府の厳正な認証制度で守られていて、「ブルーアガベ(ブルーアガヴェ)」という植物の球茎を原料に、メキシコのハリスコ州テキーラ地区を中心とする5つの州で造られたスピリッツだけが、「テキーラ」を名乗ることができます。

テキーラのアルコール度数にも認証制度による決まりがあり、最低35度、最高でも55度とされています。市販されているテキーラのアルコール度数はおよそ38〜40度。テキーラは一般的に「強いお酒」というイメージがありますが、じつはウイスキーやブランデー、ウオッカやジン、ラムといったほかのスピリッツと同じくらいのアルコール度数です。

テキーラといえばショット!? ライムや塩は必須? 本場メキシコの伝統的な飲み方

テキーラ用のショットグラス「カバジート」

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「テキーラの飲み方」といえば「ショットグラスで一気飲み」というイメージがあるのではないでしょうか。それもそのはず、テキーラをショットで飲むのは原産地メキシコの伝統的な飲み方。古くは「cuernito(クエルニート)」という水牛の角をくりぬいたものをコップ代わりに、現代は上の写真のような「caballito(カバジート)」と呼ばれる縦長のショットグラスで、ライムと塩をお供にたしなむのがメキシコ流です。

真偽のほどは明らかではありませんが、1918年にスペイン風邪が世界中で猛威を振るったとき、メキシコでは医師たちがその症状を和らげる手段としてライムと塩を添えたテキーラを処方したという話もあるくらいで、現在も「塩をなめ、テキーラを飲み干し、ライムをかじる」がテキーラをショットでたのしむときの一連の手順とされています。

塩がテキーラのほのかな甘味を引き立て、飲み干したあとの余韻がライムの酸味と絶妙にマッチして口のなかをさっぱりさせ、ついついショットがすすんでしまう。それがこの飲み方の醍醐味であり、恐ろしいところでもあります。飲み過ぎにはくれぐれも注意したいですね。

家でもかんたん! テキーラをジュースや炭酸飲料で割るだけのかんたんカクテル

テキーラを好きなジュースで割るだけのかんたんカクテル

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テキーラは、さまざまなジュースや炭酸飲料との相性も抜群。家飲みで気軽にテキーラをたのしみたいときは、好きなソフトドリンクで割るだけのかんたんカクテルがおすすめです。

テキーラをショットで飲むときの相棒であるライムをはじめ、レモンやオレンジ、グレープフルーツといった柑橘系のジュース、パイナップルジュースやりんごジュース(アップルジュース)、トマトジュースなどともよく合います。テキーラとジュースの割合は1:3から1:5くらいを目安に、好みの濃さに調節してみてください。

テキーラそのものの個性を感じたいなら、テキーラを無糖のソーダ(炭酸水)で割る「テキーラハイボール」がおすすめ。もちろん甘味と香味がプラスされたトニックウォーターやジンジャーエール、コーラと組み合わせてもおいしくいただけます。

ちなみにショットグラスにお酒と炭酸を注ぎ、手のひらでフタをしてグラスの底をテーブルにタンと一度打ちつけてから飲み干すスタイルを「ショットガン」といますが、テキーラと炭酸飲料の割合はショットガンスタイルなら1:1。それ以外は1:2から1:5くらいを目安に好みの濃さに調節しましょう。

また、こうした「家でたのしむテキーラのかんたんカクテル」を少しの手間で本格的にしてくれるのが「スノースタイル」です。スノースタイルとは、グラスのフチを湿らせて塩や砂糖をつけるデコレーションのこと。テキーラ+普通の塩や砂糖の組み合わせを試したあとは、テキーラ+トマトジュース+ペッパーソルト、テキーラ+りんごジュース+シナモンシュガーなど、割り材との最高の相性を探って冒険してみてはいかがでしょうか。

テキーラをベースに作るこだわりカクテル

ここからは、「テキーラといえばこれ!」という定番のこだわりカクテルを紹介します。

ショートカクテルの王道「マルガリータ」

世界中のバーで不動の人気を誇るカクテル「マルガリータ」

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「マルガリータ」は酸味と甘味、塩味の絶妙なバランスがテキーラ独特の味わいを引き立てるテキーラベースの代表的カクテル。英国の飲料専門誌「Drinks International」が世界のトップバー100店舗を調査して発表する「The World's Best Selling Classic Cocktails」でも毎年トップ10にランクインする、世界的にも大定番のカクテルです。

<材料>
テキーラ…30ミリリットル
ライムジュース…15ミリリットル
ホワイトキュラソー…15ミリリットル
氷…適量
※スノースタイル(ソルトリム)用の塩…適量

<作り方>
1.グラスの縁をカットライムの切り口やライムジュース、水などで湿らせたあと、平らな皿に薄く広げた塩に押し当てるようにしてまんべんなく塩をつけ、「スノースタイル」にします。
2.材料をすべてシェーカーに入れ、シェークして、スノースタイルにしたグラスに注ぎます。

<アルコール度数>
およそ30度

近年、ハイエンドなバーでは伝統的なマルガリータに加え「Tommy's Margarita」も人気です。サンフランシスコのメキシカンダイニング&バー「Tommy's」を両親から引き継いだ名バーテンダー、フリオ・ベルメホ氏が考案したトミーズマルガリータのレシピは、100%ブルーアガベのテキーラ+手搾りのライムジュース+アガベシロップ(ソルトリムなしのオンザロックスタイル)。こちらもぜひトライしてみてください。

映画のタイトルにもなった「テキーラサンライズ」

オレンジと深紅で朝焼けを表現したカクテル「テキーラサンライズ」

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真っ赤なグレナデンシロップを上りゆく太陽に、オレンジジュースを朝焼けに染まる空に見立てたカクテル「テキーラサンライズ」は、1972年、ローリングストーンズのツアーでメキシコを訪れたミック・ジャガーがこのカクテルを大いに気に入り、その後愛飲したことから世界に広まったといわれています。

1973年に発売されたイーグルスのセカンドアルバムに収録された同名の曲や、メル・ギブソン、ミシェル・ファイファー、カート・ラッセルが共演し、1988年に公開された同名の映画でも話題になりました。

<材料>
テキーラ…45ミリリットル
オレンジジュース…90ミリリットル
グレナデンシロップ…ティースプーン2杯 (約10ミリリットル)
氷…適量

<作り方>
1.氷を入れた長めのタンブラーやコリンズグラスにテキーラとオレンジジュースを入れて軽く混ぜます。
2.グレナデンシロップを静かに注ぎ、グラスの底に沈め、マドラーを添えます。

<アルコール度数>
およそ12度

グレナデンシロップとはザクロ果汁などを使った深紅のシロップで、ベリー系の風味と美しい色合いを演出してくれる、カクテルによく使われるシロップのひとつ。「テキーラサンライズ」はオレンジジュースのさわやかな酸味に、甘酸っぱいグレナデンシロップがよく合って、お酒が苦手な人にもおすすめのカクテルです。

テキーラとビールで作る「サブマリン」

ビールの海にテキーラを沈めるカクテル「サブマリン」

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「サブマリン」はビールの海のなかに「潜水艦」に見立てたテキーラグラスを沈める、遊び心たっぷりのカクテルで、サブマリーノ(サブマリンのスペイン語)、Uボート、デスペラード、サブマリンシューターなどさまざまな呼び名があります。

<材料>
テキーラ…30ミリリットル
ビール…330ミリリットル

<作り方>
1.パイントグラスやジョッキにビールを注ぎます。
2.ショットグラスにテキーラを注ぎます。
3.ビールの入ったグラスにテキーラの入ったグラスを傾かないよう静かに沈め、好みで塩やライムを添えます。

<アルコール度数>
およそ8度

作り方によって少し難易度が上がりますが、ショットグラスにテキーラを注ぎ、ビールジョッキをかぶせて(ビールジョッキの底にテキーラ入りのショットグラスが逆さまに置かれた状態で)ビールを注ぐやり方もあります。いつ潜水艦のハッチが開いてテキーラがあふれ出すか、たのしみながら飲みすすめましょう。

メキシコの人気カクテル「パローマ」

メキシコで親しまれるさわやかなカクテル「パローマ」

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「パローマ(パロマ)」はテキーラの原産地メキシコでもっとも親しまれている飲み方のひとつ。グレープフルーツと炭酸のさわやかな飲み口は、渇いたのどを潤す1杯目にもぴったりです。気軽にたのしめる「パローマ」の人気は今や世界中に広がっていて、前出の「The World’s Best Selling Classic Cocktails」で2020年は36位、2021年は22位、2022年は14位と年々順位を上げています。

<材料>
テキーラ…40ミリリットル
グレープフルーツジュース…20ミリリットル
トニックウォーター…30ミリリットルを目安に適量
氷…適量

<作り方>
1.グラスに氷を入れ、テキーラとグレープフルーツジュースを注いで軽く混ぜます。
2.トニックウォーターを静かに注ぎます。
好みでひとつまみの塩を加えるか、スノースタイルにするのもおすすめです。

<アルコール度数>
およそ18度(加えるトニックウォーターの量によってアルコール度数を下げられます)

「パローマ」はレシピの自由度が高いカクテルです。トニックウォーターの代わりにソーダを使う、ライムジュースやレモンジュース、アガベシロップなどを加える、手搾りのグレープフルーツ果汁にこだわるなど、個人や店ごとに「最上のパローマ」があるのです。自宅で作るなら、テキーラを好みの量のグレープフルーツソーダで割るだけでもおいしく味わえます。

「ショット」だけではないテキーラの飲み方、たのしみ方を紹介しました。カクテルはベースに使うテキーラによって味わいが変わるので、さまざまなメーカーやブランドから、ぜひ好みの1本を見つけてみてください。

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