スペイサイドってどこにある? 今すぐ知りたいスコッチウイスキーの名産地

スペイサイドってどこにある? 今すぐ知りたいスコッチウイスキーの名産地
出典 : TJ Photography Germany / Shutterstock.com

スペイサイドはスコットランドの有名ウイスキー生産地。スペイ川沿いの自然豊かな地域に点在するたくさんのウイスキー蒸溜所が、華やかでバランスのよいウイスキーを生産しています。今回は、スペイサイドの地域の特徴や、モルトの味わい、代表的な銘柄について紹介します。

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スコッチウイスキーの故郷スペイサイドの特徴や、スペイサイドモルトの魅力について紹介します。

スコッチウイスキーの産地スペイサイドとは?

スペイサイドのウイスキー産地

たのしいお酒.jp編集部作成

スペイサイド(Speyside)は、スコットランドのウイスキー生産地のひとつ。全長約170キロメートルにおよぶスペイ川流域には、有名蒸溜所をはじめたくさんの蒸溜所が集中しています。

華やかでバランスのよいスペイサイドモルトの産地についてみていきます。

スペイサイドは6大産地のひとつ

スコットランドのスペイサイドは、ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイラ(アイラ島)、アイランズとともに、スコッチウイスキーの6大生産地のひとつに数えられます。スペイサイド地域には、「ザ・マッカラン」などの有名蒸溜所をはじめ50を超える蒸溜所が集中していて、アイラ島とともに「スコッチの聖地」と呼ばれています。

スペイサイドで造られるスペイサイドモルトは、スコッチのモルトウイスキーのなかでも華やかでバランスに優れているのが特長。初心者にも飲みやすい芳醇かつエレガントな味わいで、幅広い人に親しまれています。また質の高いスペイサイドモルトは、ブレンデッドウイスキーの原酒としても重宝されてきました。

ちなみに、万人受けするスペイサイドモルトとは対象的な存在なのがアイラモルト。一般的に、アイラモルトはスモーキーでクセがあるため好みが分かれますが、やみつきになって熱狂的に支持する人もいます。強い個性のカギを握るのがピート(泥炭)で、力強いピート香はアイラを象徴する要素となっています。もちろん、スペイサイドでもスモーキーなウイスキーは造られていますが少数派です。

スペイサイドとは

bonoc / Shutterstock.com

スペイサイドはハイランド地方のスペイ川沿いにある

スペイサイドがあるのは、スコットランドの北に位置するハイランド地方の北東部。スペイサイドを流れるスペイ川流域には、50を超えるモルトウイスキー蒸溜所があり、スコッチウイスキーの一大産地となっています。スペイサイドはかつてハイランドに含まれていましたが、蒸溜所の多さから、今では別々の生産地として区別するのが一般的です。

スペイ川流域に蒸溜所が集中しているのはなぜなのでしょう。その理由を知るには、スコットランドの密造時代に遡る必要があります。険しい山脈を有するハイランド地方は、英国政府の厳しい課税から逃れてウイスキー造りを続けるのにうってつけでした。なかでも密造が盛んだったのがスペイサイド。密造時代が終わっても多くの造り手がこの地に残り、現在につながっています。

もうひとつ、環境に恵まれていることもスコッチの聖地たるゆえんです。スペイサイドは有数の穀倉地帯で大麦がよく穫れ、良質な水や燃料となるピートが豊富。寒冷地で、渓谷が多く湿潤な気候です。そのどれもが、質の高いスコッチウイスキー造りに欠かせない大切な要素。好条件がそろうこの地で、今もたくさんの蒸溜所が稼働を続けているのもうなずけます。

ちなみに、急流で知られるスペイ川は、サーモンフィッシングの聖地としても有名。シーズン中は風光明媚なスペイサイドに、世界中から多くの釣り人が訪れます。

50超の蒸溜所があるスペイサイド

David Woods / Shutterstock.com

スペイサイド地域は8地区に分けられる

スコッチウイスキーの故郷スペイサイド地域は、フォレス地区、エルギン地区、キース地区、バッキー地区、ローゼス地区、ダフタウン地区、リベット地区、スペイ川中・下流地域の8地区に分けられます。

なかでも有名なのがダフタウン地区。この小さな村では、グレンフィディック蒸溜所を含め7つの蒸溜所が稼働しています。グレンリベット蒸溜所を有するリベット地区や、マッカラン蒸溜所のあるスペイ川中・下流地域も注目度が高いエリアです。

ちなみに、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏がウイスキー造りを学んだロングモーン蒸溜所(エルギン地区)や、見学に訪れたグレンロセスやグレングラント蒸溜所(ローゼス地区)などもスペイサイドにあります。スペイサイドは日本のウイスキーの発展においても、重要な地域といえます。

スペイサイドモルトの代表的銘柄と特徴

7蒸溜所が稼働するスペイサイドのダフタウン地区

Alizada Studios / Shutterstock.com

華やかさとバランスのよさを併せもつスペイサイドのシングルモルト。「ザ・グレンリベット」や「ザ・マッカラン」「グレンフィディック」など、世界的な人気銘柄が名を連ねます。ここでは、スペイサイドの代表的な銘柄の一部を紹介します。

ザ・グレンリベット|はじまりのシングルモルト

ザ・グレンリベット

出典:「ザ・グレンリベット」ブランドサイト

「ザ・グレンリベット」は、スペイサイドのリベット地区で生産されているシングルモルトウイスキー。「グレンリベット」はゲール語で「静かな谷」や「リベット渓谷」の意味で、蒸溜所の近くには「なめらかに流れる川」という意味のリベット川が流れています。その名に応えるように、「ザ・グレンリベット」はなめらかでフルーティーな味わいが特長です。

グレンリベット蒸溜所は、1824年にジョージ・スミス氏が蒸溜ライセンスを取得して、政府公認第1号蒸溜所となった由緒正しい蒸溜所。そのため「はじまりのシングルモルト」と呼ばれています。

国内販売元:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
ブランドサイトはこちら

ザ・マッカラン|シングルモルトのロールスロイス

ザ・マッカラン

画像提供:サントリー株式会社

「ザ・マッカラン」は、スペイ川上流で造られているシングルモルトウイスキー。1824年にハイランド地方で2番目に蒸溜ライセンスを取得した老舗ブランドです。

「シングルモルトのロールスロイス」と称される「ザ・マッカラン」は、上品で濃厚な味わいが特長。なかでもシェリーオークシリーズは、ブランドを象徴する華やかでラグジュアリーな味わいが魅力となっています。

国内販売元:サントリー株式会社
「ザ・マッカラン」公式サイトはこちら

グレンフィディック|シングルモルトのパイオニア

グレンフィディック

出典:サントリー株式会社サイト

「グレンフィディック」はダフタウン地区で生産されているシングルモルトウイスキー。グレンフィディックはゲール語で「鹿の谷」を意味し、銘柄を象徴するモチーフとして使われています。

グレンフィディック蒸溜所は、1887年にウィリアム・グラント氏が創業しました。代々家族経営を守り続けている蒸溜所は、1963年にブレンド用だったシングルモルトをいち早く世界に売り出すことを決定し、「シングルモルトのパイオニア」と呼ばれています。今もシングルモルトの世界トップクラスの売上を誇る銘柄として、愛飲家に親しまれています。

ちなみに、スペイサイドのダフタウン地区にあるバルヴェニー蒸溜所およびキニンヴィ蒸溜所は、グレンフィディックの姉妹蒸溜所です。

国内販売元:サントリー株式会社
製品詳細はこちら

アベラワー|ダブルカスクマチュレーションが特徴

アベラワー

出典:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社サイト

「アベラワー」は、スペイ川中・下流地域で生産されているシングルモルトウイスキー。1879年にジェームス・フレミング氏が創業した蒸溜所は、スペイサイドのほぼ中心に位置するアベラワー村にあります。アベラワーはゲール語で「せせらぐ小川の河口」の意味。

厳選されたシェリー樽とバーボン樽で熟成するダブルカスクマチュレーションが特徴で、熟成のピークを迎えた2種類の原酒が織りなす、複雑で豊かなバランスのとれた風味が魅力です。

国内販売元:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
「アベラワー」ブランドサイトはこちら

スコッチウイスキーの生産地のひとつスペイサイドには、50を超える蒸溜所がひしめき合っています。華やかでバランスのよい味わいが魅力のスペイサイドモルトを、ぜひ味わってみてください。各蒸溜所の銘柄を飲み比べるのもたのしいですよ。

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