「スペイサイド」がどこにあるか知っていますか? 【ウイスキー用語集】

「スペイサイド」がどこにあるか知っていますか? 【ウイスキー用語集】
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「スペイサイド」は、スコッチウイスキー6大生産地のひとつ。スコットランドのモルトウイスキー蒸溜所の半分近くが集中する一大生産地です。スペイサイドの地理や風土をはじめ、そこで生まれるウイスキーの特徴や代表的銘柄などを紹介します。

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スペイサイドはスコッチウイスキー最大産地「ハイランド」の中心地

スペイサイドはスコッチウイスキー最大産地「ハイランド」の中心地

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「スペイサイド」はどんなところ?

「スペイサイド」は、スコットランドの北部「ハイランド」と呼ばれる高地の北東部を流れる、全長160キロメートルのスペイ川流域のこと。東京都と同じぐらいの広さに、スコットランドのモルトウイスキー蒸溜所の約半数が集中しています。
その理由は、大麦の一大産地であることに加え、スペイ川の清流が与えてくれる良水、麦芽の乾燥に用いるピート(泥炭)など、ウイスキーの原料に恵まれていること。また、スコットランド中央部を貫くグランビア山脈の恵みである冷涼な気候は、ウイスキーの熟成に適しています。

「スペイサイド」はスコッチウイスキー6大生産地のひとつ

スコッチウイスキーの産地は現在、ハイランドやローランド、キャンベルタウン、アイラ、アイランズ、そしてスペイサイドの6つに分類されています。
もともとスペイサイドは、スコッチの蒸溜所の8割近くが集まる最大産地、ハイランドの一部でした。ハイランドがあまりに広大なことに加え、そのなかでも突出して蒸溜所が多く、しかも「グレンフィディック」や「ザ・マッカラン」など世界的な有名銘柄が多いことから、スペイサイドが独立した地域として分類され、“スコッチの聖地”と呼ばれるようになったと言われています。

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スペイサイドを象徴するスペイ川沿いの蒸溜所群

スペイサイドを象徴するスペイ川沿いの蒸溜所群

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「スペイサイド」に蒸溜所が集中した密造時代

「スペイサイド」に蒸溜所が集中した理由として、ウイスキー造りに適した気候風土を挙げましたが、もうひとつの大きな理由が密造時代の存在です。
1707年にイングランドがスコットランドを併合した際に、イングランド政府はウイスキーに高額の酒税を課しました。これを逃れるため、スコットランドの多くの酒造業者がスペイ川流域で密造を行うようになり、結果として蒸溜所が集中するようになりました。
その後、1823年に酒税法が改正され、翌1824年にグレンリベット蒸溜所が政府公認となったのを皮切りに、スペイサイドの多くの蒸溜所が公認となり、密造時代に終わりを告げたのです。

スペイサイド産のモルトウイスキー「スペイサイドモルト」の特徴

スペイサイド産のモルトウイスキー「スペイサイドモルト」の特徴

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「スペイサイドモルト」の特徴はバランスのよさ

スペイサイドには現在も50以上の蒸溜所があり、それぞれ特徴あるモルトウイスキーを製造していますが、共通するのはバランスのよさです。
フルーティーで、口当たりもよい銘柄が多いため、アルコール度数が高いにもかかわらず、何杯でも飲めてしまうと言われているほど。個性の強いウイスキーが多いスコッチウイスキーのなかでも飲み手を選ばず、ウイスキー初心者にもオススメできます。

スペイサイドモルトの代表的銘柄

スペイサイドモルトの代表的銘柄

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スペイサイドを代表するシングルモルト4銘柄

「スペイサイド」で造られるウイスキーは、あまりにも数が多いので、蒸溜所の個性がはっきりとしたシングルモルト(単一の蒸溜所の原酒だけで造られるモルトウイスキー)を中心に、代表的な銘柄を紹介します。

【グレンフィディック】

世界180カ国以上に輸出され、「世界でもっとも飲まれているシングルモルト」と呼ばれる「グレンフィディック」は、1963年に業界初のシングルモルトとして発売された銘柄としても知られています。
ハチミツやメープルシロップを思わせる甘さと、高原の花や柑橘系のフルーツを思わせるエレガントな味わいが特徴で、スコッチ入門に最適な銘柄のひとつとも言われています。

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【ザ・マッカラン】

ザ・マッカラン蒸溜所は、1824年、スペイサイドの蒸溜所としてはグレンリベット蒸溜所に続く第2号の公認を受けた名門です。
原料から発酵、蒸溜、熟成まで、全工程を通じた品質へのこだわりから、英国の老舗百貨店「ハロッズ」発行のウイスキー読本において“シングルモルトのロールスロイス”と呼ばれるほどの評価を得ています。

マッカランが「シングルモルトのロールスロイス」と称される理由とは?

【バルヴェニー】

グレンフィディック蒸溜所と同じ敷地内に建つバルヴェニー蒸溜所が造るシングルモルトが「パルヴェニー」。バーボン樽で熟成した後、シェリー樽に詰め替えて再熟成を行うことで、2種の樽による味と香りが絶妙にマッチした、甘い香りと深いコクを生み出しています。

【モートラック】

スペイサイドの中心地「ダフタウン」で最古の蒸溜所で造られる「モートラック」。力強い味わいから“ダフタウンの野獣”と呼ばれ、控えめなスモーキーさのなかに、深い香りと重厚な味わいを感じられるのが特徴です。
その味わいの秘密は、ウイスキーの専門家から「2.81回蒸溜」と表現される複雑な工程。これが独特の豊かなコクを生み出しています。

「スペイサイド」はスコットランド北部に位置するスペイ川沿いのスコッチウイスキー生産地。50以上もの蒸溜所がひしめきあう一大生産地で造られるウイスキーは、“バランスに優れた名酒”と呼ばれる銘柄が揃っています。ぜひ一度飲んでみてください。

スペイサイドのスコッチを飲む・スペイ川流域エリア
スペイサイドのスコッチを飲む・ダフタウンエリア

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