「ベン・ネヴィス」は西ハイランド産スコッチウイスキー!蒸溜所情報や味、ニッカウヰスキーとの関係も紹介

「ベン・ネヴィス」は西ハイランド産スコッチウイスキー!蒸溜所情報や味、ニッカウヰスキーとの関係も紹介
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「ベン・ネヴィス」は、スコットランドの西ハイランド地方で造られているスコッチウイスキーです。ブランド名はイギリス最高峰のベンネヴィス山に由来します。今回は、ベン・ネヴィス蒸溜所の歴史や味わい、ニッカウヰスキーとの関係などについて紹介します。

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歴史あるベン・ネヴィス蒸溜所は現在、ニッカウヰスキーが所有しています。愛飲家に支持されるシングルモルトウイスキー、「ベン・ネヴィス」についてみていきます。

「ベン・ネヴィス」はスコットランドのシングルモルトウイスキー

ベン・ネヴィス山

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「ベン・ネヴィス(Ben Nevis)」は、スコットランド北部のハイランド地方で生産されているスコッチウイスキーです。トロピカルフルーツのようなフルーティーさと、シロップのような甘さで、世界的にも人気があります。

ブランド名の「ベン・ネヴィス」は、蒸溜所の近くにそびえる、ベン・ネヴィス山(標高1,344メートル)に由来します。ゲール語で「ベン」は「山」、「ネヴィス」は「水」の意味。この山はスコットランド最高峰、かつイギリス最高峰の山で、年間約12万人が登山に訪れます。
ベン・ネヴィス蒸溜所では、この山の山頂付近から流れる、清らかな雪解け水を仕込水として使用しています。

ちなみに、ベン・ネヴィス山の麓にあるフォートウィリアム鉄道駅を出発する蒸気機関車、ジャコバイト号に乗れば、映画『ハリー・ポッター』シリーズのホグワーツ特急のような旅を満喫できます。

ベン・ネヴィス蒸溜所の歩み

ベン・ネヴィス蒸溜所の歩み

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ベン・ネヴィス蒸溜所は、スコットランドの西ハイランド地方フォートウィリアム地区にあります。1825年にジョン・マクドナルド氏が創業した歴史ある蒸溜所で、現在は日本のニッカウヰスキーが所有しています。

ベン・ネヴィス蒸溜所は西ハイランド地方にある

「ベン・ネヴィス」の造り手であるベン・ネヴィス蒸溜所は、ハイランドのなかでも西ハイランド地方のフォートウィリアム地区で操業しています。

スコッチウイスキーの産地は6地域に分類され、ハイランド地方はそのひとつに数えられます。
「ベン・ネヴィス」をはじめハイランド地方で造られるモルトは、総称して「ハイランドモルト」と呼ばれますが、広大なハイランド地方には蒸溜所がたくさんあるため、便宜上、東西南北に分けてウイスキーの特徴が語られることがあります。
たとえば、東ハイランドはフルーティー、南ハイランドは口当たりが軽い、北ハイランドはバランスがよいなどです。

西ハイランドについては、現在稼働している蒸溜所はベン・ネヴィス蒸溜所を含め2カ所のみで、それぞれ性格が異なるため、一口に特徴を語ることはできません。

フォートウィリアムの街

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ベン・ネヴィス蒸溜所は歴史ある蒸溜所

ベン・ネヴィス蒸溜所は、1825年にジョン・マクドナルド氏が創業した歴史ある蒸溜所です。西ハイランドのフォートウィリアム地区では、もっとも古い公認蒸溜所として知られます。

創業者のジョン・マクドナルド氏は193センチほどの長身で、「ロングジョン」という愛称で親しまれていました。その名を冠したブレンデッドウイスキー、「ロングジョン」の生みの親もまたジョン氏です。ジョン氏が造るスコッチウイスキーは、「スコッチの巨人」と呼ばれ、イギリスのヴィクトリア女王をはじめ高貴な人々にも愛されてきました。

ベン・ネヴィス蒸溜所のこだわりは「品質本意」。その信条どおり、香り高く、バニラのようにまろやかな味わいのスコッチウイスキーを生産しています。

ベン・ネヴィス蒸溜所はニッカウヰスキーが所有

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現在「ベン・ネヴィス」は日本のウイスキーメーカーが所有

「ベン・ネヴィス」は現在日本のニッカウヰスキーが所有し、ニッカウヰスキーの技術とベン・ネヴィス蒸溜所の伝統製法で、質の高い味わいのシングルモルトを生み出しています。

ベン・ネヴィス蒸溜所の歴史をかんたんにたどると、ジョン氏の死後、息子のドナルド・P・マクドナルド氏が引き継ぎましたが、オーナーが何度か変わります。1986年には、当時のウイスキー不況のあおりを受け、業績不振により生産停止に。その後1989年にニッカウヰスキーが買収し、翌年からモルトウイスキーの製造を再開しました。このとき中心となって再稼働に取り組んだのが、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏の甥であり養子でもある威(たけし)氏でした。

ベン・ネヴィス蒸溜所の運営は現在もニッカウヰスキーが担い、日英合作のスコッチウイスキーを製造しています。販売は親会社のアサヒビールが担当していましたが、残念ながら「ベン・ネヴィス」の日本市場での展開は終了となりました。新たな展開を待ちたいものです。

なお、ベン・ネヴィス蒸溜所では、「フォートウィリアム」というスコッチウイスキーもリリースしています。キーモルトに「ベン・ネヴィス」が使用されているので、こちらにも注目したいですね。日本ではアサヒビールが、量販市場限定で販売しています。

また、「ベン・ネヴィス」は「ニッカ セッション」などニッカウヰスキーの製品にも使用されています。

(参考)
ニッカ セッション

「ベン・ネヴィス」の味の特徴とおすすめの飲み方

ベン・ネヴィスの味の特徴と飲み方

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日本市場向けに発売された「ベン・ネヴィス10年」は、フルーティーでまろやかな、バランスのよい味わいが特徴です。おすすめの飲み方はストレート。お好みでロックやハイボール、水割りなどもぜひ試してみてください。

日本市場向け終売品「ベン・ネヴィス シングルモルト10年」の味わい

ベン・ネヴィス蒸溜所では、バーボン樽とシェリー樽を中心に使用しています。「ベン・ネヴィス」の味わいは、シロップのような甘さとトロピカルフルーツのような甘酸っぱいフルーティーさが特徴で、バランスのよさが魅力です。

日本市場向けの「ベン・ネヴィス シングルモルト10年」は、洋梨や青リンゴ、マスカットのほか、ヨーグルトのような香りを感じられます。口当たりは軽く、ドライフルーツの酸味やバニラのような甘さ、ウエハースやレモンケーキのニュアンスに加え、リンゴの余韻もたのしめます。甘い風味を感じるので、初心者でもトライしやすい1本です。

「ベン・ネヴィス シングルモルト10年」は愛飲家の間で、「コスパ最高の1本」「デイリー最強のシングルモルト」などと評価されていましたが、残念ながら終売に。今流通しているもので終了となるため、ネットオークションやECモールなどではプレミア価格で販売されています。今や入手の難しい1本となっています。

ベン・ネヴィス シングルモルト10年の飲み方

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「ベン・ネヴィス シングルモルト10年」のおすすめの飲み方

「ベン・ネヴィス シングルモルト10年」の飲み方は、ストレートがおすすめです。クセがなくライトで飲みやすいので、ウイスキーを飲み慣れていない人でもチャレンジしやすいはず。

もちろん、ロックやハイボール、水割りなどにも合います。バーなどで出会ったら、お好きな飲み方で味わってみてください。

ちなみに、バーなどではオフィシャルの「ベン・ネヴィス10年」以外のボトルを扱っている場合もあります。UK向けの「ベン・ネヴィス10年」や「ベン・ネヴィス25年」、ブレンデッドウイスキーの「ネヴィス・デュー」などいろいろな種類があるので、興味がある人は試してみてはいかがでしょう。

また、「ベン・ネヴィス」は、ボトラーズ(インディペンデントボトラー)からリリースされているものもあります。スコットランド・アデルフィ社の「ベン・ネヴィス 2013 10年 for THREE RIVERS」や、イタリア・HIDDEN SPIRITS社の「BEN NEVIS 2018 5YO」など、ネット上で入手可能なボトルも。多彩な「ベン・ネヴィス」を飲み比べてみるのもたのしいですよ。

ニッカウヰスキーが所有する「ベン・ネヴィス」は、スコットランドの西ハイランド地方で造られているシングルモルトウイスキーです。日本向けの「ベン・ネヴィス シングルモルト10年」は終売しましたが、バーなどで見かけたらぜひオーダーしてみてくださいね。

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