静岡に行って飲んでみたい!おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

静岡に行って飲んでみたい!おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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静岡県は“吟醸王国”として知られる、地酒ファン垂涎の酒どころです。南アルプス由来の澄んだおいしい水と、米作りに適した土壌に恵まれている静岡には、古くから数多くの蔵元が栄え、現在に至っています。そんな静岡のお酒について紹介します。

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吟醸王国・静岡が生む高品質の酒

吟醸王国・静岡が生む高品質の酒

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静岡県は、酒造りの大切な条件である「豊かな水源」に恵まれたことから、古くより多くの蔵元がそれぞれ個性ある酒造りを競い合ってきました。
昭和30年代には蔵元の数は75社を数えており、時代の変遷により多くの蔵が廃業した今も、約30社が静岡ならではの酒造りを続けています。

そんな静岡が「吟醸王国」と呼ばれるようになったのは、じつはここ30年ほどのこと。静岡の酒造りを活性化させるために、吟醸酒や純米酒など「特定名称酒」に特化したのです。
そうして生まれた静岡の酒は、香りは華やかでありながら、味わいは至ってマイルド。酒質そのものはすっきりとした淡麗タイプで、のどごしが滑らかなものがほとんどです。

最大の特徴ともいえる香りを支えているのが、県の工業技術センターが1985年に開発した「静岡酵母」。この酵母が開発された翌年の品評会では、静岡から10点の金賞酒を生み出しました。
以来、地酒ファンの酒のあいだで、静岡県は「吟醸王国」との認識が広まり、静岡の銘柄が「入手しにくいプレミアム酒」として、もてはやされるようになりました。

静岡は全国の職人が集まる“技の交差点”

静岡は全国の職人が集まる“技の交差点”

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静岡県の酒造業は、杜氏(とうじ)の出身地が幅広く、さまざまなバックボーンをもった杜氏が、それぞれ培ってきた酒造りの技を競い合うことで、ハイレベルな吟醸酒造りが確立されてきました。
このため、杜氏の世界では「静岡で杜氏ができれば一人前」ともいわれているのだとか。

もともと静岡県には、旧大井川町を中心とした志太平野一帯に「志太杜氏」という杜氏集団が存在し、大正末期から昭和初期の最盛期には、100人以上の杜氏・蔵人が県内全域の酒蔵で活躍しました。

しかし、大井川水系の良水に恵まれたこの地域には、戦後の高度成長期に食品や製薬、飲料などのメーカーが進出。それらの会社が若い世代を大量に採用したことから、酒造業も含めた第一次産業の就労人口が減少していきます。

そこで、県内の蔵元では南部杜氏(岩手県)、能登杜氏(石川県)、越後杜氏(新潟県)、広島杜氏など、全国各地から杜氏や蔵人を招くようになりました。なかには酒のコンテストで輝かしい受賞歴を誇る名杜氏、名杜氏のもとで経験を積んだ若い杜氏が静岡へやってきてさらに腕を磨くことも。

こうして、全国から集まった蔵人たちが、互いに競い合い、技を磨き上げることで、静岡の地酒造りは今も進化を続けているのです。

静岡の人気銘柄

静岡の人気銘柄

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「吟醸王国」静岡の顔として、全国的に親しまれている人気の銘柄を紹介します。

吟醸王国、静岡の代表銘柄【開運(かいうん)】

1872年(明治5年)創業の土井酒造場が醸す「開運」は掛川のお酒。創業当時、貧しい寒村だった地域の発展を願う気持ちが、「開運」という銘柄に込められています。
人気漫画『夏子の酒』に登場する杜氏のモデルといわれ、能登杜氏四天王の一人と称された名杜氏である故・波瀬正吉の技によって、一躍全国の地酒マニアに注目される存在となりました。現在の吟醸王国、静岡を生み出す原動力となった蔵元です。
高天神城の湧水を使い、米の持ち味であるさわやかな風味を活かし、全体に清楚な香りと淡麗な口当たりの酒を醸しています。

製造元:株式会社土井酒造場
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原料と品質にこだわった【磯自慢(いそじまん)】

果実のような華やかな香りに奥深い味わいで大人気の磯自慢酒造は天保元年(1830年)創業の老舗蔵です。
磯自慢酒造のお酒は、桃やメロン、バナナのようなフルーティで自然な香りと、酸味が少なく奥深い味わいが特徴。その味わい深い磯自慢の味は、静岡の地酒としてだけではなく、日本を代表する酒として名を馳せています。
ステンレス張りの蔵、特A地区の酒造好適米「山田錦」、静岡産の酵母など、原料や品質に徹底的にこだわって醸す「磯自慢」。内外のコンテストで入賞したり、洞爺湖サミットの乾杯酒に選ばれたりと、世界の舞台でも大活躍しています。

製造元:磯自慢酒造株式会社
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食事を引き立てる酒をめざす【花の舞(はなのまい)】

幕末の元治元年(1864年)から浜松で日本酒を造り続けている「花の舞酒造」。地元農家と契約を結び、上質の酒造好適米「山田錦」を100%静岡県産で確保しています。仕込み水は、蔵の背後に流れる南アルプス赤石山系の清冽な地下水を存分に使用し、名実ともにこだわりの「地酒」を誕生させています。
代表銘柄「花の舞」は、全体としてすっきりと軽快でありつつも、うまみの感じられる飲み口が特徴です。酒自体が主張するような香りの強いお酒ではなく、やわらかくきれいで、飲み飽きない味わい。食事を引き立てるお酒を造り続けています。

製造元:花の舞酒造株式会社
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超軟水と静岡酵母のハーモニーが生む酒【高砂(たかさご)】

江戸時代後期の文政年間(1820年ごろ)に創業し、富士宮浅間大社のすぐ西側にある現在の地に「酒蔵」を構えて酒造りを始めたのが1831年という、長い歴史のある「富士高砂酒造」。その代表銘柄が、長寿や夫婦和合を祝う謡曲を酒名に冠した「高砂」です。
原料米には兵庫県産「山田錦」、北長野の「美山錦」、北陸の「五百万石」などを使用。ほかにも近隣の農家と連携し、県品種の酒造好適米「誉富士」を使った酒造りも進めています。
杜氏は能登流で、富士の軟水を仕込み水に使うことで、やさしい口当たりと少しの甘味を感じさせる酒質を生む「高砂山廃仕込み」を代々伝承しています。

製造元:富士高砂酒造株式会社
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名杜氏・山影純悦氏の醸す【正雪(しょうせつ)】

大正元年(1912年)創業の神沢川(かんざわがわ)酒造の代表銘柄「正雪」は、「まるくて、かろやか。きれいなお酒」と評され、蔵の顔となっている逸品。食事の味を邪魔することなく引き立てるので、食中酒としてたのしみたいお酒でもあります。
ひと口で完結するのではなく、もうひと口、あとひと口と、杯を重ねることでしょう。この「正雪」ブランドを全国区に押し上げたのが、南部杜氏の重鎮・山影純悦氏。今でも十月の仕込みの時期を迎えると、蔵人たちを引き連れて岩手から訪れます。輝かしい受賞歴をもち、全国の酒好きに愛される代表銘柄「正雪」を生み出しています。

製造元:株式会社神沢川酒造
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静岡のそのほかの注目銘柄

静岡のそのほかの注目銘柄

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静岡には、ほかにも全国の地酒ファンが注目する逸品がそろっています。そのいくつかを紹介しましょう。

コスパのよい吟醸酒【臥龍梅(がりゅうばい)】

いずれも300年以上の歴史をもつ3つの蔵元が、昭和46年(1971)に合同設立したのが三和酒造です。その代表銘柄である「臥龍梅」は、2002年に誕生。初出品したその年から、数々の賞を獲得した注目の逸品です。
存在感のある華やかな香りと、口に含んだときの清涼感が特徴。なかでも純米吟醸は、米の旨味を感じさせながらも、量を飲んでも飲み飽きることがありません。日常的にたのしめるコストパフォーマンスも魅力です。

製造元:三和酒造株式会社
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<J-CRAFT SAKE蔵元探訪その⑥>静岡県静岡市・三和酒造 吟醸造りの真髄を学ぶ

伝統ある蔵元で醸す【初亀(はつかめ)】

初亀醸造は、江戸時代初期、寛永12年(1635年)に現在の静岡市に創業した老舗蔵。明治になって岡部町へと移転して以来、地域を代表するお酒として親しまれてきました。
代表銘柄は、蔵元の名を冠した「初亀」。昭和42年(1967年)に静岡県、名古屋局、全国清酒品評会など、多くの品評会で第一位を受賞したのを記念して、吟醸酒の販売を開始。以降、名杜氏・故滝上秀三氏の醸す酒として着実に評価を伸ばしてきました。
箱麹による手作業の麹造りと蔵人の和が、やさしくやわらかな口当たりの「初亀らしい酒」を生み出しています。

製造元:初亀醸造株式会社
公式サイトはありません。

品質第一を掲げた【英君(えいくん)】

蔵元は明治14年(1881)創業の英君酒造。その名の由来は、静岡県と縁の深い徳川家の“英でた君主”にあやかったのだとか。
初代当主・望月昌策氏は「品質第一」を旨とし、創業当時から全国各地の優秀な酒米を探し求めて酒造りに励みました。「どんな食事にも自然と馴染む、そんな食中酒でありたい」という理念のもと、やさしい味と香りを引き出す静岡酵母で醸された「英君」は、飲み飽きない食中酒として愛されています。

製造元:英君酒造株式会社
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昔ながらの小仕込みで醸す【喜久酔(きくよい)】

「喜久酔」は「喜び久しく酔える酒」という意味で名づけられました。静岡酵母がもたらす、おだやかで上品な香りと、酸味の少ない軽快なのどごしが魅力で、全国の地酒ファンから引く手あまたの銘柄です。
「喜久酔」の蔵元は、明治元年(1868年)に藤枝市に創業した青島酒造。南アルプスの伏流水と静岡酵母を用いて、手間を惜しまぬ昔ながらの小仕込みで「静岡型」の酒を醸す蔵元です。

製造元:青島酒造株式会社
公式サイトはありません。

女性にもよろこばれるお酒【おんな泣かせ(おんななかせ)】

天保3年(1832年)創業の大村屋酒造場が造る「おんな泣かせ」は、ユニークなネーミングと、ラベルを彩るつややかな美人画が特徴です。
「おんな泣かせ」は、「日本酒が苦手な人や、普段あまり口にされない人にも、おいしく飲んでもらいたい」との想いから、1980年に誕生しました。仕込み水には南アルプスを源とする大井川の伏流水を使用し、やわらかな口当たりとすっきりしたのどごしを実現。まろやかな旨味とほどよい甘味は、女性にもよろこばれること請け合いです。

製造元:株式会社大村屋酒造場
公式サイトはこちら

このほかにも、藤枝市の志太泉酒造の「志太泉(しだいずみ)」など、静岡にはさまざまな個性をもった地酒がそろっています。

名水と優良な酒米、静岡酵母、名杜氏たちによって生み出された静岡の酒。そのレベルの高さを感じていただけたでしょうか? 吟醸王国静岡のお酒を、ぜひ、たのしんでください。

静岡県酒造組合
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