神奈川のおすすめ地酒10選【神奈川の日本酒】
神奈川県の酒造りの大きな特徴が「水」。「神奈川の屋根」と呼び親しまれている丹沢山地が育む水は、水量が豊かなうえ、おいしさにも定評があります。そんな名水を仕込み水にした、神奈川県のお酒の数々を紹介します。
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神奈川の日本酒は丹沢山系の恩恵を受けたクリアな酒
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神奈川の酒造りの大きな特徴は、上質な仕込み水を使っていること。多くの蔵元で利用されているのが、丹沢山系を水源とする相模川や酒匂川(さかわがわ)の伏流水です。
その水質のよさは、広く知られるところ。丹沢山系を源する河川のうち、神奈川県西部にある足柄上郡山北町の「洒水(しゃすい)の滝・滝沢川」と、秦野市の「秦野盆地湧水群」、この2カ所が環境省の「名水百選」に選定されていることからも、良質さがうかがえます。2015年に環境省が実施した、国民参加型の人気投票「名水百選選抜総選挙」では、「おいしさが素晴らしい名水部門」で、「おいしい秦野の水〜丹沢の雫〜」が第1位に輝いています。
また、神奈川の水は時間が経っても変質しにくいのだとか。それを示すのが、横浜や横須賀に寄港する船が、必ず神奈川の水を補給しているという話。単においしいというだけではなく、長い航海の間も品質が保たれるからでしょう。
丹沢の大自然が育む、確かな品質のおいしい水。この清涼な水こそが、クリアな味わいの神奈川のお酒を生み出す大きな要因だといえるでしょう。
神奈川で受け継がれてきた酒造りの技術
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神奈川の酒造りの歴史は古く、すでに鎌倉時代には酒造りが盛んだったようです。
鎌倉幕府が編纂した歴史書「吾妻鏡」によれば、建長4年(1252年)、幕府は市中での酒の売買を停止させ、民家が所有してもよい酒壺はひとつとだけとし、残りを廃棄させる禁制を出しました。
当時、民家にあったお酒を壺で換算すると、3万5千壺以上もあったのだとか。このことから、鎌倉周辺では武家の隆盛とともに街の発達が進み、増加した民衆の需要に応えるべく、酒造りが活発に行われていたことがわかります。
そんな歴史ある神奈川の酒造業ですが、明治時代、酒を造ったときに課税される「造石税」が導入されたこともあり、千以上もあった蔵元は300近くにまで減少。現在では、わずか15軒が残るのみとなりました。
現在、残っている神奈川の蔵元は、比較的、小規模な蔵が大半です。しかし、小規模だからこそ理想を追求し、品質にこだわった酒造りが行われているようです。
その一例が、神奈川県全体の精米歩合の低さです。精米歩合60%以下の「吟醸」、50%以下の「大吟醸」など、原料米をよく磨いた日本酒が多いのが神奈川のお酒の特徴であり、そこから品質に対するこだわりの強さがうかがえます。
神奈川の人気銘柄
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神奈川の蔵元は、強い信念や熱い情熱をもって酒造りに取り組む蔵元ばかり。料理に合う「食中酒」を中心に、質にこだわったお酒が豊富です。そんな神奈川のお酒のなかでも、とくに人気の高い銘柄を紹介します。