青森のおすすめ日本酒10選! 寒冷地で生まれる百花繚乱の銘酒【東北の地酒】

本州最北端に位置する青森県は、日本酒造りに適した寒冷地。水にも米にも恵まれ、「豊盃」「田酒」「陸奥八仙」の三大銘柄をはじめ、愛飲家の心をくすぐる地酒の宝庫となっています。今回は青森の日本酒の特徴と、おすすめの青森地酒10銘柄を紹介します。
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はじめに、青森の日本酒の特徴をみていきましょう。
青森の日本酒の特徴は?

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青森の日本酒は、中央部に連なる奥羽山脈西側の津軽地方ではコクのある味わい、東側の県南エリアではキレのある味わいになる傾向があるといわれています。一方で、実際には地域ごとに気候や水質が異なることもあり、味わいの個性も蔵ごと、銘柄ごと、商品ごとにさまざまです。
青森は本州の最北端に位置する寒冷地。水にも恵まれていて、低温の環境とよい水が欠かせない日本酒造りに向いている土地といえます。そのため「豊盃(ほうはい)」「田酒(でんしゅ)」「陸奥八仙(むつはっせん)」といった全国的に知られる銘柄も誕生しています。
さらには、青森県オリジナルの酒造好適米や酵母、麹菌の開発にも力を入れていて、これまで「華吹雪」や「華想い」などの酒造好適米や、「まほろば吟(ぎん)」などの酵母、「ゴールドG」という麹菌が開発されています。
こうした酒造好適米や酵母などを積極的に活用する蔵元も多く、青森の日本酒は、日本酒ファンの心をくすぐるような百花繚乱の様相をみせています。
青森で有名な三大日本酒とは?
青森の三大日本酒銘柄といえば、全国的な知名度も抜群の「豊盃(ほうはい)」、「田酒(でんしゅ)」「陸奥八仙(むつはっせん)」が挙げられるでしょう。いずれも日本酒ファン垂涎のブランドです。以下で紹介していきます。
豊盃(ほうはい)|リンゴを思わせる味わいの弘前のお酒

出典:三浦酒造株式会社サイト
青森県の弘前で有名な日本酒といえば、三浦酒造の「豊盃」が挙げられます。少人数で、手間を惜しまず仕込まれる「豊盃」は、蜜たっぷりの甘さとほのかな酸味が特徴の、フレッシュな津軽のリンゴを思わせるお酒です。銘柄名の由来のひとつになっている青森生まれの酒造好適米「豊盃米」で造ったお酒は、「豊盃」のみで味わえます。
製造元:三浦酒造株式会社
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田酒(でんしゅ)|米の旨味が堪能できる純米酒ブランド

tokomaru7 / PIXTA(ピクスタ)
「田酒」は、青森市の西田酒造店が手掛ける日本酒銘柄。「喜久泉(きくいずみ)」の造り手として知られる蔵元が、「日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい」と昭和45年(1970年)から醸造に着手。試行錯誤の末、昭和49年(1974年)に発売されました。その名が示すとおり、米の旨味がたっぷり堪能できる旨口の純米酒ブランドです。
製造元:株式会社西田酒造店
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陸奥八仙(むつはっせん)|幅広いラインナップがたのしめる青森の地酒

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「陸奥八仙」は、八戸市に蔵を構える八戸酒造の日本酒銘柄。創業以来の銘柄「陸奥男山」と同じく、水も米も地元のものにこだわり、青森県のオリジナル酵母をメインで使用して造られる、まぎれもない青森の地酒です。フレッシュでフルーティーな味わいのものからスッキリとした辛口タイプまで、幅広いラインナップがたのしめます。
製造元:八戸酒造株式会社
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青森の日本酒で注目したい7銘柄を紹介
上で紹介した三大銘柄以外にも、青森には旨い日本酒がたくさんあります。そのなかでも注目したい7銘柄を紹介します。
桃川(ももかわ)|豊かな米の味わいがたのしめる

出典:桃川株式会社サイト
「桃川」は、雅やかで芳醇な香りとまろやかな口当たり、米の旨味と豊かなコクが味わえる日本酒です。画家の小杉放菴(こすぎほうあん)にもこよなく愛され、ラベルには放菴が蔵元に句を寄せた際に書かれていた文字が使われています。なお、蔵元の桃川は「桃川」とは異なる個性を持つ「ねぶた」「杉玉」「にごり酒」という銘柄も手掛けています。
製造元:桃川株式会社
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如空(じょくう)|南部杜氏伝統の酒造りで醸した旨い酒

画像提供:八戸酒類株式会社
「如空」は、八戸酒類の五戸工場で造られる日本酒銘柄。南部杜氏の伝統の技と研ぎ澄まされた五感によって醸される手造りの日本酒で、南部流の低温長期型発酵と10号酵母にこだわって造られます。味わいの特徴は「ピュアで淡麗」「ふくよかな旨味」「喉越しのよい後味」。八鶴工場で醸される「八鶴」とともに蔵元の両輪を成しています。
製造元:八戸酒類株式会社
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作田(さくた)|軽さとコクが調和する特別純米酒

画像提供:株式会社盛田庄兵衛
「作田」は、「朔田(さくた)」「駒泉(こまいずみ)」「七力(しちりき)」で知られる七戸町の蔵元、盛田庄兵衛の特別純米酒ブランドです。口に含むとすっと入ってくる軽やかさと、ふわりとした甘味、そしてコクのある米の旨味が見事に調和。さまざまな料理との相性も良好です。原料には青森県で契約栽培された米を100パーセント使用。季節限定商品のラインナップも豊富です。
写真の「特別純米酒 作田」は、国際的な酒品評会「Tokyo酒チャレンジ2025」でプラチナ賞を受賞しています。
製造元:株式会社盛田庄兵衛
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六根(ろっこん)|弘前の純米蔵が手掛ける日本酒

出典:株式会社松緑酒造サイト
弘前市に蔵を構える松緑酒造は、「松緑」や「麗峰(れいほう)」などの銘柄で知られる純米蔵。「六根」は新たな酒造りへの挑戦として生まれた注目銘柄です。
「六根 ルビー」は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」最高金賞受賞の純米吟醸。やわらかな飲み口ときれいな甘味、スッキリとした後味が魅力です。華やかで上品な味わいの純米大吟醸酒をたのしむなら、青森県産の酒米「吟烏帽子」と県酵母で造る「六根 純米大吟醸 吟烏帽子」もおすすめ。
製造元:株式会社松緑酒造
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菊乃井(きくのい)|地元の人々に愛され続ける黒石の酒

sarakazu / PIXTA(ピクスタ)
「菊の井」は、「稲村屋文四郎」「稲村屋」を醸造する黒石市の蔵元、鳴海醸造店の日本酒銘柄です。ラインナップのなかで地元の人々に愛され続けてきたのが、すべて青森県産の原材料で造られる「菊の井 特別純米酒」。辛口のなかに米の旨味が凝縮されている飲み飽きしない味わいで、全国にもファン層を広げるロングセラー商品となっています。
製造元:株式会社鳴海醸造店
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鳩正宗(はとまさむね)|米の旨味が引き出された十和田の美酒

出典:鳩正宗株式会社サイト
「鳩正宗」「八甲田おろし」などを手掛ける十和田市の鳩正宗は、恵まれた自然環境のなか、多様な酒造好適米を使用し、バラエティー豊かな酒造りを行っています。めざすのは米の旨味が引き出された旨口の酒。主要銘柄「鳩正宗」には、青森県産の酒造好適米を使った「鳩正宗 純米大吟醸 華想い」などがラインナップされています。
製造元:鳩正宗株式会社
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亀吉(かめきち)|津軽を代表する地酒

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「亀吉」は、黒石市に蔵を構える中村亀吉の日本酒銘柄で、津軽地方を代表する地酒として知られています。中村亀吉では「亀吉」のほかに「玉垂(たまだれ)」という銘柄も手掛けています。「亀吉」「玉垂」とも、おもに青森県内で消費される、地元の人々に愛飲されてきたお酒で、口当たりがよくコクがある、まろやかな味わいがたのしめます。
製造元:株式会社中村亀吉
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青森の日本酒の味わいは多種多様。入手しにくい人気銘柄や地元を中心に流通している銘柄もあるので、酒販店の店頭や飲食店のメニューで見かけたらチャンスです。ぜひ手に取ったり注文したりして、それぞれの味わいを試してみてくださいね。
