「山桜(YAMAZAKURA)」は世界的評価の高いウイスキーブランド! 種類や味わいを紹介
「山桜(YAMAZAKURA)」は、福島県郡山市の総合酒類メーカー、笹の川酒造が所有する安積(あさか)蒸溜所で生産されているウイスキーブランド。世界的にも評価が高く、ウイスキー愛好家に支持されています。今回は「山桜」の種類や味わいなどについて紹介します。
- 更新日:
目次
福島県の安積平野にある蒸溜所で造られるウイスキー、「山桜」の概要や受賞歴などについてみていきます。
「山桜」とはどんなウイスキー?
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
東北発のウイスキーブランド「山桜」の概要と、造り手のこれまでの歩みを確認していきます。
「山桜」は笹の川酒造のウイスキーブランド
「山桜(YAMAZAKURA)」は、福島県郡山市の笹の川酒造が所有する、安積蒸溜所が生産するウイスキーブランド。蒸溜所は猪苗代湖の南に位置し、冬には磐梯山(ばんだいさん)から吹き下ろす風「磐梯おろし」が吹きつけることから、「風の蒸溜所」と呼ばれています。夏と冬の寒暖差が大きい風土が熟成庫で眠るウイスキーの熟成を促し、個性を育んでいます。
「山桜」ブランドの定番は、ブレンデッドウイスキーとピュアモルトウイスキーの2種類で、シングルモルトウイスキーがリリースされることもあります。安積蒸溜所のシングルモルトは、公式サイトやリカーショップなどで抽選や予約販売されていますが、生産量が少ないこともあり一般的には入手困難です。
なお、「山桜」ブランドのなかでも、シングルモルトをはじめ安積蒸溜所の原酒をキーモルトにしたものは、「安積(ASAKA)」が入った商品名でリリースされています。
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
福島のウイスキー蒸溜所、安積蒸溜所が製造
「山桜」の造り手である笹の川酒造の創業は、明和2年(1765年)。酒蔵としての歴史は300年を超える老舗蔵元です。ウイスキー造りに着手したのは戦後すぐのこと。東北最古のウイスキー蒸溜所を設立し、長らく東北唯一の地ウイスキー蒸溜所として存在感を放ってきました。
ウイスキー免許を取得したのは昭和21年(1946年)。前身の山桜酒造時代のことで、商品名の「山桜」は当時の屋号に由来します。
1980年代の第一次ウイスキーブームには、笹の川酒造の「チェリーウイスキー」が、「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれて人気を博します。「チェリーウイスキー」は今も福島の地ウイスキーとして全国のファンに愛されていますが、ウイスキーの低迷期に不遇時代を経験したことも心に留めておくべきでしょう。
嗜好の変化による需要低迷を受けてウイスキー造りを停止していた笹の川酒造が、ウイスキーブランド「山桜(YAMAZAKURA)」をリリースしたのは平成26年(2014年)のこと。蔵で眠っていたウイスキーが目を覚まし、新たに瓶詰めされて発売されると、好評をもって受け入れられました。
ちなみに、笹の川酒造はベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏との関係が深く、過去には原酒樽を預かっていた時期があります。この樽から、世界的に熱狂的な支持を得る「イチローズモルト」の歴史がスタートしました。肥土氏のウイスキー造りにかける熱意は、笹の川酒造にとっても刺激となり、蒸溜を再開するきっかけとなりました。
K321 / Shutterstock.com
ウイスキー「山桜」の評価
「山桜」は、「まろやかな口当たりで飲みやすい」「価格以上に上質な味わい」「甘い香りでおいしい」などと評価されています。
どんな飲み方にも合いますが、ブレンデッドウイスキーはとくにハイボールがおすすめで、水割りやロックにも合います。食中酒としてもぴったり。スモーキーなタイプは、ストレートでもおいしくたのしめます。
ピュアモルトウイスキーも、ストレートやロックなど、幅広い飲み方に合います。食後にゆっくり味わうのもおすすめです。
口コミでも評価される味わいを、ぜひ実際に飲んで確かめてみてください。
「山桜」のブレンデッドウイスキーの種類と味わい
ここでは、「山桜」のブレンデッドウイスキーのおもな種類と味わいを紹介していきます。
FINE BLENDED WHISKY YAMAZAKURA|飲むほどにたのしい味わい
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
「FINE BLENDED WHISKY YAMAZAKURA 黒ラベル」 は、厳選したモルトとグレーンを絶妙にブレンドした、「山桜」のスタンダードボトル。マイルドで口当たりがよく、ほのかなピート香を感じられます。アルコール度数は40%。
BLENDED WHISKY YAMAZAKURA Precious|プレシャスなウイスキー「山桜」
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
「BLENDED WHISKY YAMAZAKURA Precious」は、黒ラベルをグレードアップしたちょっと贅沢なブレンデッドウイスキー。しっかりとしたモルト感と、はちみつを感じさせる上品な甘さをバランスよくたのしめます。深い味わいと快い余韻が特長です。アルコール度数は46%。
YAMAZAKURA 安積蒸溜所&4|世界5大産地の原酒をブレンド
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
「YAMAZAKURA 安積蒸溜所&4」は、毎月3,000本限定で発売されているワールドブレンデッドウイスキー。日本の安積蒸溜所の原酒をキーモルトに、世界5大ウイスキーに数えられるスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ産の厳選されたウイスキーがブレンドされています。
メープルシロップのような甘い香りや、クリーンでやさしいハーブ香が特長で、モルトの味わいや香ばしさのなかにスパイシーな味わいも感じられます。ややスモーキーな余韻も魅力です。アルコール度数は47%。
BLENDED WHISKY YAMAZAKURA SMOKY EDITION|ピート香と華やかな余韻が特徴
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
「BLENDED WHISKY YAMAZAKURA SMOKY EDITION」は、安積蒸溜所で蒸溜した原酒と、複数の厳選したモルトとグレーンを絶妙にブレンドしたブレンデッドウイスキー。マイルドながらしっかりとしたピート香があり、やや短めの華やかな余韻をたのしめます。アルコール度数は46%。
※イオン限定商品
「山桜」のピュアモルトウイスキー「PURE MALT WHISKY YAMAZAKURA」も人気
出典:笹の川酒造 安積蒸溜所サイト
前述のとおり、「山桜」のラインナップには、モルトウイスキー100%のピュアモルトウイスキーも並びます。
「山桜」の「PURE MALT WHISKY YAMAZAKURA」は、オーク樽で5年以上熟成させたモルトと、シェリー樽熟成のモルト、ピーテッドモルトをバランスよくブレンドしたピュアモルトウイスキー。ほどよいスモーキーフレーバーと、シェリー樽由来のやわらかい果実香、モルトのリッチな味わいが特長で、甘くなめらかな口当たりも魅力です。アルコール度数は48%。
ウイスキー「山桜」の受賞歴
Mayumi.K.Photography / Shutterstock.com
ウイスキー「山桜」はコンペティションでも高く評価されています。
2022年、「YAMAZAKURA BLENDED MALT JAPANESE WHISKY SHERRYWOOD RESERVE ASAKA」が、「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2022」ブレンデッドモルトウイスキー部門にて世界最高賞に輝きました。
WWAは、英国で毎年開催されているウイスキーの世界的なコンペティションで、ウイスキー名を伏せてブラインドテイスティングにより審査が行われます。この権威ある品評会で、世界最高峰のブレンデッドモルトウイスキーに選ばれたのです。
もちろん日本でも評価が高く、「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2019」では、ワイン樽でフィニッシュした「山桜」の6年物3本が銀賞を受賞。そのうちの、「Yamazakura 6 YO Pinot Noir Wine Cask Finish」が、ワールド ブレンドウイスキー12年以下でカテゴリーウィナーを獲得しました。2年後の「TWSC2021」では、「Asaka The First Peated」が金賞に輝くなど、数々の賞を得ています。
「山桜」は評論家も認める、質の高い銘柄なのです。
福島県郡山市で育まれる「山桜」は、世界的にも評価が高いウイスキーです。受賞歴がある銘柄や限定品はすぐに売り切れるため入手困難ですが、公式オンラインショップやスーパーなどで購入可能なボトルもあるので、機会があればぜひ試してみてくださいね。
製造元:笹の川酒造 安積蒸溜所
公式サイトはこちら