日本酒度、酸度、アミノ酸度とは? 数値から日本酒の味わいを探ろう

日本酒度、酸度、アミノ酸度とは? 数値から日本酒の味わいを探ろう
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日本酒は甘味、辛味、苦味、酸味などで構成され、複雑で深みのある味わいを堪能できるのが魅力です。数字だけで日本酒の味を語ることはできませんが、今回は日本酒の甘辛度や味わいを測る目安とされる「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」の基本的な見方について紹介します。

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日本酒の「日本酒度」とは?

日本酒の「日本酒度」とは?

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「日本酒度」って何?

日本酒のラベルに、「日本酒度+3」や「日本酒度-1」などと表記されているのを見たことはありませんか? 「日本酒度」は、日本酒の比重(糖分量)を表す単位で、甘口辛口を示す指標とされています。一般的に、マイナスの数値が高くなるほど糖分量が多くなるので甘口に、プラスの数値が高くなるほど糖分量が少なくなるので辛口に感じられるといわれています。

「日本酒度」は何で測るの?

「日本酒度」は比重計(日本酒度計)を用いて測定します。かんたんにいうと、水を±0として、糖分量が多く水よりも比重が重いと比重計はマイナスに傾き、糖分量が少なく水よりも比重が軽いとプラスに傾きます。そのため、マイナスのほうが甘口で、プラスのほうが辛口と見なされています。

このことから、「日本酒度が低い酒は甘口」「日本酒度が高い酒は辛口」というのが、日本酒度から見た味わいの通説となっていますが、日本酒度だけで日本酒の味わいが決まるわけではないので、おおまかなイメージとしてとらえておくとよいでしょう。

「日本酒度」-60の日本酒はどんな味?

「日本酒度」は便宜上、-1.4~+1.4を普通として、+6以上は大辛口、+10以上は超辛口、-6以下は大甘口、-10以下は超甘口と分類されています。

ところで、甘口の銘柄のなかには「日本酒度-60」という銘柄もあります。-10でも超甘口なのに、その6倍もマイナスに傾いている日本酒は、いったいどんな味わいなのでしょうか。

「日本酒度-60」の日本酒として挙げられるのは、1839年(天保10年)から続く兵庫県加西市の蔵元、富久錦が醸す純米酒「Fu.(ふ)」です。甘さが際立つ日本酒かと思えば、フルーティーさのなかにしっかり酸が効いていて、キレのあるスッキリとした味わいをたのしめます。

日本酒の甘口辛口が日本酒度だけでは決まらないという好例といえるでしょう。

【日本酒度とは?】超辛口から大甘口まで

日本酒の「酸度」とは?

日本酒の「酸度」とは?

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「酸度」は酸っぱさを表す数値じゃない!?

日本酒の「酸度」も味わいを左右する数値のひとつです。「酸度」といっても酸っぱさの度合いを示すものではなく、日本酒の製造過程でできたコハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸の量を表しています。なお、これらの有機酸は、日本酒に酸味や旨味を与えるといわれています。

国税庁発表の「全国市販酒類調査(平成30年度調査分)」によると、日本酒全体の平均的な酸度は1.14~1.44。これを基準に、酸度が高いほど濃醇で濃口に、酸度が低いほど淡麗な味わいになる傾向があるといわれています。

「酸度」は「日本酒度」と合わせてチェック!

甘辛でいうと、一般的に「酸度」が高いと辛口に感じやすく、低いと甘口に感じやすくなります。

また、「酸度」と「日本酒度」は深く関わり合っているため、2つの数値を合わせて見ると、その日本酒が持つ味わいにより近いものをイメージすることができます。

たとえば、前述の「Fu.」のように「日本酒度」の低い超甘口に分類される日本酒でも、「酸度」が高いと甘味が打ち消されて、キレのあるスッキリとした印象に感じることがあります。

人によって異なりますが、「酸度」と「日本酒度」の組み合わせによっても、日本酒の甘味の感じ方が変わってくることも覚えておくとよいでしょう。

日本酒は酸度によって味が変わる!?知れば損なし酸度の話

日本酒の「アミノ酸度」とは?

日本酒の「アミノ酸度」とは?

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「アミノ酸度」は旨味やコクの濃淡を表す

日本酒の「アミノ酸度」が示すのは、その名のとおり日本酒にどのくらいアミノ酸が含まれているかということです。アミノ酸は日本酒に旨味やコクをもたらします。そのため、「アミノ酸度」が高いと、濃醇で飲みごたえのあるしっかりとした味わいの日本酒に、「アミノ酸度」が低いと、淡麗でスッキリとした味わいの日本酒になる傾向があります。

「アミノ酸度」の「アミノ酸」とは?

日本酒に含まれるアミノ酸は、約20種類もあるといわれています。代表的なものとしては、昆布に含まれる旨味成分として知られているグルタミン酸や、アスパラギン酸、アルギニン、アラミンなどが挙げられます。

アミノ酸からは、旨味だけでなく、酸味や甘味、苦味なども感じられます。たとえば、グルタミン酸は酸味、アルギニンは苦味、アラニンは甘味などをもたらします。

ただし、アミノ酸量が多過ぎると、雑味の要因になってしまうこともあるようです。

「アミノ酸度」が高い日本酒、低い日本酒

日本酒に含まれるアミノ酸は、麹によって米のタンパク質を分解するときに生成されます。そのため、米の精米歩合の高低が「アミノ酸度」に影響するといわれています。

一般的に、精米歩合の高い純米酒にはアミノ酸度が高いものが多く、精米歩合60%以下の米を使う吟醸酒にはアミノ酸度が低いものが多い傾向にあります。

なお、国税庁発表のデータ「全国市販酒類調査の結果(平成30年度調査分)」によると、特定名称酒のアミノ酸度平均値は、純米酒1.46、吟醸酒1.24、本醸造酒1.32となっています。

日本酒のラベルにアミノ酸度は表示されていませんが、ひとつの目安として参考にしてみてください。


「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」について紹介してきましたが、日本酒の味わいはさまざまな要素が絡み合い、絶妙なバランスによって成り立っています。むしろ数値ですべてを語ることができないところに、日本酒の魅力があるともいえるでしょう。数値はあくまで参考として、好みの味をみつけてみてくださいね。

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