「稼ぎ頭」はにごり酒の元祖と言われる京都伏見で最古の蔵元の海外向け銘柄
「月の桂」で知られる京都伏見で最古の蔵元「増田德兵衞商店」が海外に向けて送り出す革新的な日本酒「稼ぎ頭」。にごり酒や古酒の元祖としても有名なこの蔵の新たな挑戦と、その独自の魅力をご紹介します。
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「稼ぎ頭」の造り手は、伏見で最古の蔵元のひとつ
出典:「稼ぎ頭」ブランドサイト
「稼ぎ頭」を生んだ増田德兵衞商店の歴史
「稼ぎ頭」の造り手、増田德兵衞商店は、江戸幕府の4代将軍・家綱の時代、延宝3年(1675年)に創業という歴史を持つ老舗です。
蔵を構える京都・伏見は兵庫・灘と並ぶ酒処で、遠く古代から日本酒造りが続けられてきました。なかでも300年以上におよぶ増田德兵衞商店は、最古の歴史を誇る蔵元のひとつです。
創業当時は蔵の名を冠した「増德(ますとく)」という銘柄でしたが、現在の主力銘柄は「月の桂(つきのかつら)」。その銘は、江戸時代の公家が伏見を流れる桂川を詠んだ句に由来します。
「稼ぎ頭」を醸す増田德兵衞商店は「にごり酒」「古酒」の元祖
増田德兵衞商店は、その歴史の古さだけでなく、「にごり酒」を生み出した元祖としても知られています。
「にごり酒」とは、日本酒の原型とも言われる「どぶろく」の製法をもとに、戦後になって誕生したお酒。「どぶろく」は発酵させた醪(もろみ)を、こさずにそのまま飲むもので、未発酵のデンプン質や糖分によるほどよい甘味が特徴です。
明治以降、自家醸造が禁止されていた「どぶろく」の味わいを復活させようと、増田德兵衞商店の13代目当主が昭和39年(1964年)に開発させたのが、目の粗い袋でろ過した「にごり酒」でした。
同年には甕(かめ)で熟成させた「古酒」の製造も始めるなど、伝統にあぐらをかくことなく、革新的な取り組みを続けている蔵元です。
「稼ぎ頭」はワインのごとき味わいを実現した革新の日本酒
出典:増田德兵衞商店サイト
「稼ぎ頭」は海外をターゲットにした新しい世界観を持つお酒
「稼ぎ頭」は、伝統と革新の蔵元、増田德兵衞商店が、海外市場をターゲットに、2011年に新たに開発した銘柄です。
“酒造好適米の王様”と呼ばれる「山田錦」を使用し、ビールに近い発酵法で製造した「稼ぎ頭」は、果実のような酸味と甘さで、まるでワインのような味わいです。アルコール度数も8度と低めで、これまで日本酒になじみのなかった人や女性にも親しみやすいお酒に仕上がっています。
「稼ぎ頭」は海外における日本酒人気の拡大に貢献
「稼ぎ頭」は、ワインを思わせるスッキリした味わいが評価され、海外市場からも高く評価されています。
2013年には、フランスで開催された北大路魯山人展のオープニングレセプションで日仏の要人やセレブにふるまわれ、2018年には「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で金賞に輝いています。
ビジネスでの成功を想起させる銘柄名もあって、乾杯酒や贈答品としても人気を集めていて、日本酒の魅力を世界に広げる役割を期待されています。
「稼ぎ頭」の蔵元が提唱する日本酒の新たなたのしみ方
出典:「稼ぎ頭」ブランドサイト
「稼ぎ頭」は水割りや炭酸水割りなどのアレンジもおすすめ
「稼ぎ頭」は、これまでの固定概念にとらわれることなく、自由にたのしめる日本酒として生まれた銘柄。「稼ぎ頭」公式サイトでは、「雪冷え」と呼ばれる5~8度に冷やす飲み方とともに、水割りや炭酸水割りといった飲み方も推奨されています。
「稼ぎ頭」と天然水を7対3で割れば、どんな食事とも相性のよいクセのない味わいをたのしむことができます。
また、「稼ぎ頭」と炭酸水を7対3で割ると、はじける炭酸が心地よいすっきりとした炭酸水割りに。フルーツをグラスに落としてカクテルのようにアレンジするのも素敵です。
「稼ぎ頭」の蔵元の挑戦に終わりはない
「稼ぎ頭」という斬新な日本酒は、300年以上の歴史を持ちながらも、革新への挑戦を忘れない蔵元の気概が生んだもの。その挑戦は現在も続いています。
2017年には、化粧品メーカーとともに、「月の桂 にごり酒」の酒粕を用いたスキンケアブランドを立ち上げ、大きな話題となりました。日本酒の秘めた可能性を、より広い世界に届けるために、これからも増田德兵衞商店のチャレンジは続いていきます。
「稼ぎ頭」は海外向け商品として開発された銘柄ですが、国内でもネット通販や一部の百貨店などで購入できます。老舗のこだわりを守りつつ、新しい世界観と味わいを実現した「稼ぎ頭」は、日本酒になじみのなかった人にも、ぜひ、飲んでほしい1本です。
製造元:株式会社増田德兵衞商店
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