千葉の日本酒【不動(ふどう)】元禄創業の老舗が生んだ“不動”の味わい

千葉の日本酒【不動(ふどう)】元禄創業の老舗が生んだ“不動”の味わい
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「不動」を醸す蔵元、鍋店(なべだな)は、江戸時代から続く老舗蔵です。長い歴史にあぐらをかくことなく、挑戦し続けることで生み出された「不動」は、多くの日本酒ファンから支持を得る人気銘柄。「不動」が誕生するまでの背景や、こだわりについて紹介します。

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「不動」の蔵元、鍋店(なべだな)の歩み

「不動」の蔵元、鍋店(なべだな)の歩み

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「不動」の蔵元は元禄創業の下総の老舗

「不動」の造り手である鍋店(なべだな)は、「由緒正しい」という言葉がぴったりと合う、長い歴史を持つ蔵元です。酒造りを始めたのは、江戸時代中期の元禄2年(1689年)のことですが、それ以前から下総(しもうさ、現在の千葉県北部と茨城県西部にあたる)地域の名家として名を馳せていました。

「鍋店」という蔵名は鉄器の製造権を持つ「鍋座」から

江戸幕府では、各地の名家に「鍋座」と呼ばれる鉄器の製造権利を与えていました。下総地域で鍋座を預かっていたのが、この蔵元の前身です。
元禄期に入って、この地を治める佐倉藩から酒造株を与えられ、「成田のお不動様」として知られる成田山の門前で日本酒の醸造を開始。
当時は、老舗のことを「おたな」と呼び、「鍋座」と「おたな」を組み合わせて「鍋店」という蔵名がついたと伝えられています。

長きに歴史を持つ老舗が、新たな挑戦として開発した「不動」

鍋店では、創業当初は「蓬莱山(ほうらいさん)」という銘柄を主力とし、成田山の参拝客を中心に人気を博し、江戸末期には1,000石を超える規模に。その後、明治期には千葉県香取郡神崎町と兵庫県魚崎町、大正期には千葉県印旛郡にも蔵を設けるなど、順調に規模を拡大しました。
第二次大戦中に企業整備令を受けてからは、敷地が広く、水質にも恵まれた神崎蔵に集約し、この蔵で造る「仁勇(じんゆう)」を主力銘柄とします。
こうした歴史を礎として、2004年に新たに開発したのが「不動」。まさに、老舗の新たな挑戦と言える銘柄です。

「不動」「仁勇」など鍋店の酒造りに込められた想い

「不動」「仁勇」など鍋店の酒造りに込められた想い

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「自らの手で個性ある日本酒を造ろう」と杜氏制を廃止

「不動」や「仁勇」を醸すにあたり、蔵元が大切にしているのは、心に響く日本酒を造ること。「自らの手で個性を感じる日本酒を造りたい」という想いから、1997年に杜氏制を廃止したことが、鍋店の大きな転機になっています。
日本酒造りの世界では、専門家である杜氏を外部から招聘することが一般的ですが、鍋店では、麹やもろみ造り、火入れや貯蔵、瓶詰めに至るすべての行程を自社スタッフが担い、自分たちが納得のいく日本酒造りに邁進しています。

「不動」は各種品評会でも高く評価される日本酒

「不動」や「仁勇」を飲むと、どこか温かい気持ちになるのは、日本酒造りに対する蔵元の真摯な姿勢の表れだと言えるでしょう。
そうした鍋店の酒造りは、品質面でも高い評価を得ています。「不動」は「全国新酒鑑評会」や「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」、「全国燗酒コンテスト」など各種の品評会で受賞を果たすなど、その名のとおり、評価を不動のものにしています。

「不動」は専門店向けに開発された、こだわりの酒

「不動」は専門店向けに開発された、こだわりの酒

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「不動」に注ぎ込まれた、造り手のこだわり

「不動」は、鍋店が専門店向けの銘柄として開発しただけあって、長きにわたり培ってきた酒造りの技術とノウハウが余すところなく注ぎ込まれています。やさしい甘味と、キレのよさが同居する繊細な味わいが特徴で、造り手のこだわりを感じる日本酒に仕上がっています。

オススメは「不動 吊るし無濾過 純米大吟醸生原酒」

「不動」シリーズでは、「夏吟醸」や「おりがらみ」「にごり酒」など季節ごとの限定酒が評判ですが、通年商品のなかでも人気が高いのが「不動 吊るし無濾過 純米大吟醸生原酒」です。
この商品は、手間のかかる手作業の「吊るし搾り」で、自然としたたり落ちるしずくのみを集めた酒を、ろ過や加熱などの処理を施すことなく、そのまま瓶詰めしたもの。一口含めば、華やかな吟醸香と、まろやかな味わいが五感をここちよく刺激します。

「不動」を購入するなら、成田山参道の直営店へ

「不動」は専門店限定流通のため、購入できるのは、特約店会に加盟する店舗か、成田山門前にある蔵元直営店「蔵元グルメ鍋屋源五右衛門」に限られます。
直営店では、「不動」「仁勇」の全シリーズがラインナップされていて、両銘柄がずらりと並ぶ光景は圧巻です。
気軽に試飲をたのしめることもあり、1年を通して日本酒ファンの客足が絶えません。成田山参拝の際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

“造り手の個性が感じられる日本酒”をめざして、自社スタッフによる日本酒造りをスタートさせた鍋店。「不動」はまさに、造り手のこだわりが色濃くでた、鍋店ならではの個性があふれる日本酒です。“不動”の味わいを誇る千葉の酒を、ゆっくりと堪能してみたいものですね。

製造元:鍋店株式会社
公式サイトはこちら

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