徳島に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【四国編】

徳島に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【四国編】
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徳島県は海の幸や山の幸に恵まれた、自然豊かな地域です。県をあげて日本酒のブランド化が推進され、個性際立つ蔵元と地酒が数多く存在します。良質な水と食材に育まれた徳島の日本酒の魅力を、人気の銘柄とともに見てみましょう。

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徳島の豊富で清涼な水と旬の食材が育てるお酒

徳島の豊富で清涼な水と旬の食材が育てるお酒

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徳島県は、四国のなかでもっとも東に位置し、瀬戸内海と太平洋に囲まれ、「鳴門の渦潮」で知られています。かつては阿波国(あわのくに)と呼ばれ、この地の伝統芸能である「阿波踊り」は、日本を代表する踊りとして世界的な知名度を有しています。

また、徳島県はその約8割を山地が占め、豊富な水源にも恵まれています。吉野川や那賀川、そして国土交通省から“四国随一の清流”と認められている穴吹川など、水質のよさで知られる河川が何本も流れているのです。この良質な水こそが、徳島県の日本酒がおいしいと評される源になっています。

また、瀬戸内海側は晴れる日が多く、太平洋に面した地域は四季の移り変わりがはっきりしているため、徳島県内ではさまざまな農産物の栽培が盛んです。なかでも阿波市は、酒造好適米の最高峰とされる「山田錦」の産地として有名で、そこで栽培された山田錦は「阿波山田錦」と名づけられ、徳島固有の特徴をもちます。この阿波山田錦も、徳島県の地酒の個性を生み出す要素といえるでしょう。

徳島の日本酒にある二大ブランド「阿波十割」と「LED夢酵母」

徳島の日本酒にある二大ブランド「阿波十割」と「LED夢酵母」

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徳島県の蔵元が加盟している徳島県酒造組合は、徳島産の日本酒について、2つのブランドを掲げています。いずれも日本酒造りに欠かせない原材料に関するもので、ひとつは「阿波十割」、もうひとつは「LED夢酵母」です。

「阿波十割」とは、徳島県内の蔵元が、徳島県産の酒米と徳島県内で採取された水を100%使って醸した純米酒のこと。味、香り、バランスなど、さまざまな項目について審査を行い、合格した日本酒のみ「阿波十割」の酒として認定されます。

一方、「LED夢酵母」とは、徳島県立工業技術センターが開発した、LEDを使って育てた新しい酵母です。フルーティな香りと強い発酵力が特徴で、この酵母で醸すと、果物のように軽やかでフレッシュな香りがたのしめる日本酒を造ることができます。

徳島県下には酒造組合に加盟している蔵元だけでも24あり、ひとつの蔵元で複数の銘柄を造っているところも少なくありません。徳島の地酒を飲む機会があったら、ラベルに「阿波十割」と「LED夢酵母」のロゴがあるかどうか、チェックしてみるとよいでしょう。

徳島の人気銘柄

徳島の人気銘柄

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徳島県には、規模の大小を問わず、個性豊かな蔵元がたくさんあります。なかでも人気のある銘柄を紹介していきましょう。

活きのよい鯛が踊るラベルが目印【鳴門鯛(なるとたい)】

「鳴門鯛」は、鳴門市において200年以上の歴史をもつ老舗蔵、本家松浦酒造場が醸す代表銘柄です。その酒名は、激流を遡ることで肉質が引き締まり、上質な脂も乗って美味とされる「鳴門海峡の鯛」にちなんで名づけられました。
とくに、圧力をかけずに醪(もろみ)を搾る「袋搾り」で造られた数量限定のお酒、「鳴門鯛 純米大吟醸 雫搾り」は秀逸。熟れたバナナを思わせる芳醇な香りと、袋搾りならではのクリアな口当たりは、思わず笑みがこぼれるおいしさです。

製造元:株式会社本家松浦酒造場
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「芳乃川」こと吉野川に由来する名をもつ銘酒【芳水(ほうすい)】

「芳水」は、かつて吉野川が漢詩で「芳乃川(よしのがわ)」「芳水(よしのみず)」と詠われたことから命名された日本酒です。蔵元は、その吉野川南岸に位置する井川町に蔵を構える、芳水酒造。大正2年(1913年)創業の歴史をもつ蔵元と同名のお酒は、酒米にこだわり、米のもつ特徴を活かして磨き上げられ、吉野川の清らかな水を使って造られています。
気品のある香りと、つややかでふくらみのある味わいが持ち味で、さらりとした飲み口がクセになる旨さ。全国新酒鑑評会では何度も金賞に輝いた実績をもつ、実力派の日本酒です。

製造元:芳水酒造有限会社
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家族経営の蔵元が米と水だけで造る素朴で力強い酒【旭若松(あさひわかまつ)】

「旭若松」は、徳島県那賀郡那賀町に佇む、家族3人で営む那賀酒造が造る日本酒です。規模は小さいですが、創業は享保10年(1725年)、現当主は11代目という歴史をもつ蔵元。「米と水だけで造る酒」を、ひたむきに造り続けていて、麹の一部には、自家田園で栽培した米を使うというこだわりようです。
「旭若松」のラインナップは、火入れ原酒、火入れ加水、生酒の3種類のみで、いずれも芳醇旨口な味わいと、素朴で力強い風味が同居する杞憂な味わいです。

製造元:那賀酒造有限会社
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ポップなラベルとフルーティな味わいの「日本酒らしくない日本酒」【三芳菊(みよしきく)】

「三芳菊」を造る三芳菊酒造は、明治22年(1889年)に創業という老舗蔵ですが、その酒造りのポリシーは、日本酒の常識や古い考えに捉われず、飲む人に喜ばれることだけを考えること。そうした考えから生まれた代表銘柄「三芳菊」は、「フルーティでおいしい」「日本酒じゃなくてワインのよう」と評価され、従来の日本酒とは一線を画す飲み口です。
また、日本酒とは思えないキュートな絵柄のラベルも特徴で、とくに女性からの支持が高く、ソーシャルメディアを通して「三芳菊を飲む女子会」が人気を集めるなど、独自の日本酒文化を築いています。

製造元:三芳菊酒造株式会社
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歴史ある蔵で醸し出される徳島ブランドに注目【御殿桜(ごてんさくら)】

「御殿桜」を醸す斎藤酒造場は、徳島県の県庁所在地である徳島市内にある蔵元。昭和14年(1939年)の創業ですが、もともと100年ほど前からあった蔵元を、斎藤家が買い取って酒造りを始めました。
木造の大きな梁が渡された蔵には、大きな蒸し窯やタンクが並び、搾りは昔ながらの槽搾りで行うなど、手造りによるていねいな酒造りが斎藤酒造場の魅力。代表銘柄である「御殿桜」は、徳島県産の米と剣山系の伏流水、そしてLED夢酵母を使って造られた、まさに徳島らしい1本です。

製造元:有限会社斎藤酒造場
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徳島のそのほかの注目銘柄

徳島のそのほかの注目銘柄

taa22 /Shutterstock.com

徳島県には、ひたむきに日本酒造りに情熱を傾ける蔵人や、その酒造りを熱心に支える販売者や消費者が数多くいます。そんな人々の想いが形となった、注目の銘柄を紹介しましょう。

但馬杜氏が寒仕込みで手がける鑑評会でも常連酒の逸品【今小町(いまこまち)】

「今小町」は、徳島県産の山田錦と徳島酵母、そして四国山系の中硬水の水質をもつ伏流水で醸すお酒です。蔵元である中和商店は、もともと刻み煙草の製造を生業としていましたが、煙草が専売となったことから大正15年(1926年)に酒造業に転身したのだとか。
蔵を構える三好市池田町は、周囲を山に囲まれた土地で、四国のなかでも冬の寒さは厳しく、寒仕込みにはうってつけの土地柄。その自然の恵みを活かしながら、但馬杜氏を中心とした蔵人たちが、真心を込めた酒造りを続けてきました。繊細かつ米の旨味が際立つ「今小町」は、全国新酒鑑評会でも受賞常連のお酒で、過去に幾度も金賞に輝いています。

製造元:合名会社中和商店
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有志と蔵元の協力で蘇った、名杜氏の名を継ぐ格調高い酒【高柿木(たかがき)】

「高柿木」は、日本酒販売専門店が加盟する「酒と食 匠の会」の特注銘柄で、造り手は先に紹介した「芳水」の芳水酒造です。名杜氏として引く手あまただった高垣克正氏が芳水酒造に移ってきた際、できるだけ長くとどまってほしいという有志の想いから、杜氏の名に由来して立ち上げたのが始まり。高垣杜氏が他の蔵元に移籍したことで、いったんは廃番となりましたが、高垣氏の後を継いだ竹内杜氏の手によって、見事復活を果たしました。骨格のあるフルボディの味わいが格別の「高柿木」は、販売店の思い入れも強い逸品です。

製造元:芳水酒造有限会社
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日本酒好きの有志による棚田の米作りから始まる限定酒【お殿田(おでんでん)】

「お殿田」は、徳島県の日本酒好きが集まる「棚田で地酒を造る会」の有志約30人が、自分たちが納得する酒を造りたいという想いで米作りを行い、「今小町」の中和商店が日本酒に醸したというレアなお酒。つまり、消費者が生産者にブランド構築を提案するという、究極のプライベートブランドといえるでしょう。
1997年に初代「お殿田」が誕生して以降、最新で21代目となりますが、会員限定品のため流通はごく限られた限定酒。「こんな酒造りをしている人たちもいるのか」という例として、知っておいてほしい銘柄です。

製造元:合名会社中和商店
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徳島県には、蔵元の歴史や規模にかかわらず、志と勢いを感じる地酒がそろっています。個性的な蔵元や、日本酒を愛して止まない人々が育む徳島の日本酒を、ぜひ味わいに行ってみたいものです。
徳島県酒造組合

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