徳島の日本酒【芳水(ほうすい):芳水酒造】清流吉野川にあやかった芳香美味なる清酒

徳島の日本酒【芳水(ほうすい):芳水酒造】清流吉野川にあやかった芳香美味なる清酒
出典 : 芳水酒造サイト

「芳水」は、徳島県の北西部、三好市井川町に蔵を構える芳水酒造の日本酒銘柄です。蔵のそばを流れる吉野川にちなんだ名を持つこの酒は、「全国新酒鑑評会」でも高く評価されています。皇室にも献上されたことのある銘酒「芳水」。その魅力を紹介します。

  • 更新日:

「芳水」の名の由来は“四国三郎”こと吉野川にあり

「芳水」の名の由来は“四国三郎”こと吉野川にあり

tabi-buta / Shutterstock.com

「芳水」と深いかかわりがある吉野川とは

「芳水」を醸造する芳水酒造は、今から100年以上前の大正2年(1913年)に創業した蔵元です。蔵は、徳島県三好市井川町の吉野川の近くに建っています。

吉野川は、支流も含めた流域が四国4県にまたがる一級河川で、利根川の「坂東太郎」、筑後川の「筑紫次郎」と並び、「四国三郎」と称されています。

また吉野川は、たびたび洪水を起こす“暴れ川”としても知られています。半面、肥沃な土砂を運ぶ役割も果たしていて、豊饒の地となった流域では染め物の顔料となるアイの生産をはじめ、畑作や稲作が盛んに行われています。

「芳水」の名の由来とは

吉野川は、「芳水」の名に深くかかわっています。

「芳水」の蔵元、芳水酒造が建つ井川町は、吉野川の中流域に位置し、幕末から明治頃にかけて「阿波刻み」と呼ばれる煙草の生産地として栄えていました。幕末の志士たちはその当時、吉野川に浮かべた舟に乗り、酒を酌み交わして漢詩を詠むという風流な遊びを行っていたと伝わります。

時は大正5年、芳水酒造が醸した酒は芳香美味な出来栄えで、広く評判を呼びました。蔵元はこの芳香を後世にまで保ちたいと願い、郷土の先人たちが清らかで美しい吉野川を「芳乃川(よしのがわ)」「芳水(よしのみず)」と漢詩に詠んだことにちなんで、「芳水(ほうすい)」と命名したのです。

「芳水」は皇室に献上したこともある実力派日本酒

「芳水」は皇室に献上したこともある実力派日本酒

Payless Images / Shutterstock.com

「芳水」は現在の天皇陛下に献上された日本酒

「芳水」は、純米大吟醸などの特定名称酒から、デイリーでたのしめる普通酒まで、さまざまな種類がラインナップされている銘柄です。

蔵元の芳水酒造は、特定名称酒でも普通酒でも変わりなく、品質管理を徹底しています。そうした姿勢から生まれる「芳水」は、鑑評会やきき酒会、グルメ雑誌の企画などで高く評価されてきました。とくに全国新酒鑑評会では何度も入賞し、より優秀な酒に贈られる金賞も受賞しています。平成15年(2003年)の秋には『山峡の美禄 芳水純米大吟醸』が皇太子時代の現天皇陛下に献上され、名声を一層高めました。

「芳水」が高評価を得ている全国新酒鑑評会の特徴は

「芳水」が出品している「全国新酒鑑評会」は、独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会が共催する、全国規模の日本酒品評会です。明治44年(1911年)に国税局(現国税庁)醸造試験所の主催で はじまってから100年以上も続いているもので、国内の品評会のなかでもっとも権威があるとされています。

この鑑評会の最大の特徴は、好みに左右されやすい味よりも、日本酒の製造技術の評価に重きを置いていること。鑑評会のためではなく、常日ごろから徹底した品質管理のもとで造られている「芳水」が、長年にわたり高く評価されているのもうなずけます。

「全国新酒鑑評会」の役割とは? 【日本酒用語集】

「芳水」の蔵元は“自然の味”を醸し出す

「芳水」の蔵元は“自然の味”を醸し出す

Payless Images / Shutterstock.com

「芳水」は米にこだわった日本酒

「芳水」は米にこだわって造られる銘柄酒です。おもに使用されているのは、日本酒造りに最適な酒造好適米。とりわけ純米大吟醸などの特定名称酒には、最高級とされる兵庫県産の「山田錦」をはじめ、福井県産の「五百万石」、岡山県産の「雄町」、滋賀県産の「玉栄」などが使われています。

蔵元はそれぞれの米の特徴を把握し、頑固なまでに磨き上げて米の旨味を活かす酒造りを実践。すっきりとした飲み口と気品のある香り、そして米が持つ「旨味=“自然の味”」が存分にたのしめる「芳水」を世に送り出しています。

「芳水」にも使われている「酒造好適米」の特徴とは

「芳水」にふんだんに使われている「酒造好適米」には、どのような特徴があるのでしょう。食用の「うるち米」との違いとして、おもに以下のような点が挙げられます。

◇大粒であること
◇米の中心にある白色の部分「心白」が大きいこと
◇吸水率が高いこと
◇雑味の原因などになるたんぱく質が少ないこと

また酒造好適米には、稲の成熟に時間がかかる「晩稲(おくて)」タイプと、おもに寒冷地向けに開発された「早稲(わせ)」タイプがあります。山田錦や雄町などの晩稲タイプを使用した酒は濃醇に、五百万石に代表される早稲タイプは淡麗になりやすいといわれています。

日本酒を造るお米って?食べるお米とは違う「酒造好適米」を知ろう!

40%まで磨いた兵庫県産の山田錦で醸す「芳水 大吟醸」は、とあるきき酒会 の吟醸部門・審査員審査の部で第1位に輝いた酒。フルーティーな香りとしっかりとした豊かな味わい、キレのよいあと味が調和されたおすすめの1本です。ぜひお試しください。


製造元:芳水酒造有限会社
公式サイトはこちら

たのしいお酒.jp:徳島に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【四国編】

おすすめ情報

関連情報

日本酒の基礎知識

日本ビール検定(びあけん)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事