茨城に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【関東編】

茨城に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【関東編】
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豊かな水源をもち、県内全域で米作りが行われている茨城県は、それらを原料とした日本酒造りも盛んです。関東最多といわれる約40もの蔵元があり、なかには現存する日本最古の蔵元も含まれます。長い歴史と豊かな風土が育んだ茨城の日本酒の魅力を紹介します。

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茨城のそのほかの注目銘柄

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蔵元の数が多い茨城には、当然ながら数多の日本酒の銘柄があります。ここでは、そのなかから注目すべき銘柄を紹介します。

米へのこだわりから生まれた上品な酒【渡舟(わたりぶね)】

安政元年(1854年)創業の蔵元、府中誉(ふちゅうほまれ)が明治・大正期に作られた酒米「渡船」を復活させ、それを原料に仕込んだ吟醸酒が「渡舟」です。青リンゴのような果実の香りとふくよかさをもちながら、さらりと軽く上品な甘さで、のどをするりと落ちゆくこの極上の吟醸酒は、地元の人に強く支持されている銘酒のひとつです。
復活栽培された「渡船」は、現在日本国内でもっともよく栽培されている酒造好適米のひとつ「山田錦」の父系にあたる米とのことで、味わいのふくよかさは、父から子にしっかり受け継がれているのでしょう。日本酒通の方にぜひ飲んでほしい一品です。

製造元:府中誉株式会社
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香りほのかに味はすっきり微かな甘味が残る銘品【山桜桃(ゆすら)】

平安時代の1411年に創業したという、現存する日本最古の蔵元、須藤本家は、筑波山水系を代表する蔵元のひとつ。純米大吟醸のみを製造しており、また、全量を瓶囲いで貯蔵しているのが特徴です。
なかでも主力銘柄のひとつ「山桜桃」は、食用米として知られる茨城県産の「コシヒカリ」を原料とした、繊細で軽妙な辛口が秀逸な酒です。口当たりがよい一方で、日本酒通をも唸らせるインパクトの強い味わいがあり、太めのグラスでしっかりと冷やして飲むのがおすすめ。魚料理や軽めの肉料理との相性がよいお酒です。

製造元:須藤本家株式会社
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蔵主のこだわりによる味わい深さとすっきり加減【稲里(いなさと)】

筑波山水系の蔵元である磯蔵酒造は、江戸末期の創業以来、「地元の米で造り、地元に飲んでもらう」をモットーに酒造りを続けてきました。代表銘柄である「稲里」は、地元産の酒米「ひたち錦」と筑波の水を使って、「常陸杜氏」を名乗る地元の蔵人たちの手で仕込み育まれた、まさしく「ピュア茨城」なお酒といえるでしょう。
香りや味に派手さはないものの、しっかりとした旨味とほのかな甘味があり、どんな料理にも合います。味の濃淡と、のどごしのよさのバランスには、蔵主のこだわりが感じられます。日々の晩酌の相棒に、ほどよい加減でお付き合いできそうなお酒です。

製造元:磯蔵酒造有限会社
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山廃仕込みの本格辛口で夏にぴったり【百歳(ひゃくさい)】

先に紹介した「一品」の蔵元、吉久保酒造が製造する、山廃仕込み(やまはいしこみ)の日本酒が「百歳」です。山廃仕込みとは、正確には「山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)」と呼ばれる醸造法です。明治時代に確立されたのですが、通常の醸造より長い時間と細かな手間がかかるため、杜氏の経験と技術が問われる醸造法でもあります。2006年に立ち上げられた同社の限定流通ブランドのためか、公式サイトでの取り扱いはありません。
山廃仕込みの酒は一般的に複雑な酒質をもつとされています。しかし「百歳」は、吟醸酒、純米酒ともに、米の力強さと豊かさを併せた深みをもちながらも、すっきりとしたあと味がたのしめる辛口の酒で、夏にぴったりの酒と高い評価を得ています。

製造元:吉久保酒造株式会社
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