「武勇(ぶゆう)」日本酒本来の旨味を追求した素朴な味【茨城の日本酒】

「武勇(ぶゆう)」日本酒本来の旨味を追求した素朴な味【茨城の日本酒】
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「武勇」という勇ましい銘柄は、茨城県結城市で江戸末期からの歴史をもつ蔵元が、ていねいに造る日本酒です。3つの季節を重ねて造られる「武勇」は、武骨なサムライのたたずまいにも似た存在感をもつお酒。今回は、そんな「武勇」の魅力を紹介していきます。

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「武勇」は地元・結城杜氏の手による酒

「武勇」は地元・結城杜氏の手による酒

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「武勇」を造る同名の蔵元、株式会社武勇は、江戸末期の慶応3年(1867年)創業の老舗蔵。創業者はもともと新潟の出身でしたが、鎌倉以来の城下町であった結城の街並みに“坂東武者”と呼ばれた関東の武士の気概を感じ、この土地に相応しい名前として「武勇」と名づけたといわれています。

初代の縁もあってか、武勇酒造は代々、越後杜氏の流れを継承した酒造りを行ってきましたが、1996年にその方針を変更。現在は地元の結城杜氏が、伝統を重んじながらも革新的な酒造りに取り組んでいます。

さらに近年では、蔵設備や醸造方法を刷新するとともに、蔵人たちの雇用体制も見直すなど、大胆な改革を推進。後継者不足が懸念される酒造業界にあって、地元の若者たちを熱心に育て、少人数でのじっくり、ていねいな酒造りによって「武勇」を提供し続けています。

「武勇」の魅力は素朴で個性豊かな味わい

「武勇」の魅力は素朴で個性豊かな味わい

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「武勇」の大きな特徴が“三季醸造”です。三季醸造とは、夏以外の秋、冬、春を通じて酒造りを行うことをいいます。

多くの蔵元では、冬の間だけ酒造りを行う「寒造り(一季醸造)」が一般的。三季醸造は、おもに量産を目的とした手法ですが、武勇のそれは目的が異なります。
武勇が三季醸造を採用した狙いは、米の味わいを可能な限り引き出すこと。武勇では、「しぼりたて」として出荷する新酒を例外として、ほかはそのままタンク内で熟成させ、入念な管理のもとに発酵させます。季節を問わず、時間をかけて米を発酵させることで、米本来の旨味を充分に反映した日本酒造りをめざしているのです。

こうして醸された「武勇」は、熟成による色つやと、米由来の芳醇なコクを有した、素朴で芯の強い日本酒となっています。その魅力をそのまま味わってもらえるよう、あえてろ過や調合、ブレンドなどを行わずに、真っ向勝負で世に送り出しています。

「武勇」定番はあと味のよい本醸造黒ラベル

「武勇」定番はあと味のよい本醸造黒ラベル

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「武勇」は現在、10種がラインナップされていて、そのうち甘酒を除くと、純米酒系が5種、吟醸/本醸造系が4種となります。
この9本のなかでもスタンダードといえるのが「本醸造 黒ラベル」。飲み飽きない辛口で、冷やで飲めばクリアな舌触りとのどごしをたのしめます。とくに、燗で飲めばキレのよさを堪能でき、濃厚なのにスッキリとしたあと口のため、家庭料理との相性も抜群です。

初めて「武勇」を飲む人には、まろやかで軽やかな味わいの「武勇 白ラベル」や、山田錦の麹を使った本格辛口の「武勇 山田錦」もおすすめです。それぞれのラベルをじっくり見て、あれこれ吟味しながら選ぶのもたのしいでしょう。

「武勇」は、かつての坂東武者のような気構えで、じっくりと腰を据えて醸すことで生まれる、芯の通った個性が魅力。蔵元いわく、「四季を巡って熟成された武勇には季節が宿っている」のだとか。忙しい日々のなかで、ゆっくりとした時間がほしいときにつき合いたいお酒です。

製造元:株式会社武勇
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