茨城に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【関東編】
豊かな水源をもち、県内全域で米作りが行われている茨城県は、それらを原料とした日本酒造りも盛んです。関東最多といわれる約40もの蔵元があり、なかには現存する日本最古の蔵元も含まれます。長い歴史と豊かな風土が育んだ茨城の日本酒の魅力を紹介します。
- 更新日:
茨城の5つの水系から生まれた個性あふれる蔵元
shihina/ Shutterstock.com
茨城県で酒造りに使われている水は、5つの水系に分類されます。北から順に、福島県との県境にある八溝山に水源をもつ「久慈川水系」、栃木県那須山麓を源流とする「那珂川水系」、茨城のシンボルともいわれる筑波山が水源の「筑波山水系」、栃木県日光市の鬼怒沼から流れる鬼怒川を水源とする「鬼怒川水系」、そして関東平野を横断し『坂東太郎』の異名で知られる利根川を源とした「利根川水系」です。
いずれも軟水ですが、それぞれ異なる味わいや風味をもっています。こうした水系の多様さが、蔵元ごとの個性の多様さにもつながっているのでしょう。
また、よい水のある土地は、よいお米の産地でもあります。よい水と米を使った日本酒が高く評価されるのは当然のことで、実際、全国新酒鑑評会では、例年、茨城の多くの蔵元が金賞を受賞しています。また、2016年の伊勢志摩サミットでは、現存する日本最古の蔵元である須藤本家の「花薫香」が総理主催の夕食会に採用され、各国首脳にふるまわれたのは、記憶に新しいところです。
茨城がめざす純茨城酒「ピュア茨城」
kitsune05/ Shutterstock.com
関東随一の約40もの蔵元が、個性あふれる数々の日本酒を生み出している茨城には、とても興味深いブランドがあります。その名も「ピュア茨城」。
同県で初めて開発された酒造好適米「ひたち錦」と、県産の「ひたち酵母」、そして県内の5つの水系を使った“純茨城産”の酒として、2003年にスタートしました。「口下手だけどほのぼのとした味わいのある、茨城気質のそのままの酒」をコンセプトに、現在、参加している蔵元は23を数えます。
「ピュア茨城」にラインナップされる日本酒は、いずれも米と酵母は同じものですが、やはりその味は蔵元ごとに異なります。使う水の違いに加え、蔵元ごとに受け継がれてきた技や工夫が個性となってあらわれるのです。一方で、参加している蔵元には「ひたち錦」以外の酒造米を使った日本酒もあります。蔵元それぞれの「ピュア茨城」を飲み比べたり、同じ蔵元のほかの酒と味くらべしたりするのも、おもしろいかもしれません。
茨城の人気銘柄
jazz3311/ Shutterstock.com
茨城の酒は「淡麗辛口」を基本としながら、蔵元によってさまざまな個性をもっています。人気の高い銘柄を、それぞれの特徴とともに紹介しましょう。