長野のおすすめ地酒10選【長野の日本酒】
長野県は北・中央・南アルプスなどの山々に囲まれた土地。良質な水源に加えて、「美山錦」をはじめとした県産の酒造好適米や、吟醸用に開発された「アルプス酵母」といった原料にも恵まれ、80以上の蔵が切磋琢磨し、個性を競い合っています。
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諏訪大社の宝物「真澄の鏡」を酒名に冠した日本酒「真澄」を醸しているのは、寛文2年(1662年)創業という歴史をもつ宮坂醸造。この蔵付で生まれた酵母が、後に全国で広く使用される「きょうかい7号」となったことから、業界では高い知名度をもつ蔵です。
主力銘柄「真澄 純米吟醸 辛口生一本(きいっぽん)」は、透明感ある味わいを特徴とするこの蔵の商品のなかで、もっとも辛口の酒。作家・開高健も愛したことでも知られる長野を代表する日本酒のひとつです。
製造元:宮坂醸造株式会社
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全国区で人気の実力蔵【夜明け前(よあけまえ)】
「夜明け前」といえば明治の文豪・島崎藤村の代表作。そのタイトルが銘柄に冠されたのは、元治元年(1864年)創業の蔵元・小野酒造店のある辰野町小野地域が、藤村ゆかりの土地であることに由来します。商標登録にあたっては、藤村の嫡男の許可を得て「この名を使うからには、命に代えても本物を追求する」との約束を交わしたのだとか。
「夜明け前」の名を全国に知らしめた「夜明け前 大吟醸」は、フルーティで高貴な香りと、なめらかなのどごし、さらには豊かな米の旨味をあわせもつ、大吟醸のお手本ともいえる美酒。全国新酒鑑評会金賞の常連蔵の実力は、誰もが認めるところです。
製造元:株式会社小野酒造店
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“信州まぼろしの酒”と称される地酒【明鏡止水(めいきょうしすい)】
元禄2年(1689年)創業の大澤酒造は、日本最古の酒が発見されたという信州佐久の伝統蔵。ハイレベルな米のみを使用し、小規模な仕込みで、すべての工程に手を抜かず、真摯に酒と向き合う姿勢に日本酒ファンが熱い視線を送っています。
この蔵の定番商品「明鏡止水 純米吟醸」は、その名のとおり、一点の曇りもない、おだやかな香りが特徴。五味のバランスに優れ、米の旨味が静かにふくらむ逸品です。生産量が少ないことから、“信州まぼろしの酒”とも呼ばれています。
製造元:大澤酒造株式会社
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奥信濃を代表するまじめな地酒【水尾(みずお)】
「水尾」を醸す田中屋酒造店は、明治6年(1873年)創業の小さな蔵。長野県の北端に位置し、冬は2メートル級の積雪におおわれる奥信濃飯山の地を象徴するような、ひたむきな酒造りが特徴です。
代表銘柄である「水尾」は、仕込み水を得ている水尾山から命名したもの。原料米の約7割を、蔵から5キロ圏内にある契約農家から得ており、「地元の米と水で醸してこそ地酒」という信念を、ひたすらに追求しています。
製造元:株式会社田中屋酒造店
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極小蔵の謙虚な心意気【十九(じゅうく)】
江戸文政年間(1820年ごろ)創業の尾澤酒造場は、信州新町にある小さな蔵。「和醸良酒」、すなわち「人の和が良酒を醸す」という信念のもと、小規模手造りならではの、きめ細かな酒造りを続けています。
その代表銘柄「十九」は、人間の一人前が「二十歳(はたち)」なら、自分たちはまだその手前だという謙虚な心から命名されたのだとか。濃い味の料理にも合う食中酒として、味もありながらキレもある旨口の酒をめざしています。
製造元:株式会社尾澤酒造場
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