長野の日本酒【水尾(みずお)】奥信濃の自然が育む酒

長野の日本酒【水尾(みずお)】奥信濃の自然が育む酒
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「水尾」は年間の生産量がわずか500石という小さな蔵元、田中屋酒造店が醸す信濃の地酒。日々の料理に合う飲み飽きない味わいは、少人数での手作業で造り上げられるもの。そんな「水尾」の魅力を紹介します。

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「水尾」は、良質な水と米からの手造り

「水尾」は、良質な水と米からの手造り

出典:田中屋酒造店サイト

「水尾」を造る田中屋酒造店は、長野と新潟との県境、冬場は積雪が2メートルを超えるという奥信濃にある小さな蔵元。明治元年(1868年)の創業以来、雪に覆われた仕込蔵のなかで、基本に忠実な酒造りを続けてきました。

酒造りにおいて「基本に忠実」とは、水と米を大切にすることにほかなりません。蔵元の現当主は、自らの追求する酒造りに最適な水を求めて、奥信濃の水源をひとつずつ訪ね歩いたといいます。その結果、ついにたどりついたのが水尾山から湧き出る天然水でした。現在では、仕込み水はすべて水尾山の湧水をトラックで運んで使用しており、銘柄にもその名を冠しています。

原料米については、長野産の酒造好適米「ひとごこち」と「金紋錦」を使用。そのうち70%以上が、蔵から5キロ圏内にある契約農家で栽培されたものです。
地域の良質な水と米を用いて、手造りでていねいに醸す。これが田中酒造店の酒造りの基本であり、その結晶こそが奥信濃の地酒「水尾」なのです。

「水尾」は、料理の味を引き立てる名脇役

「水尾」は、料理の味を引き立てる名脇役

jazz3311 / Shutterstock.com

「水尾」を醸すうえで、田中酒造店が重視しているのが「あたりまえの酒」であること。ハレの日に飲む特別な酒ではなく、日常的に食卓に並び、あたりまえにたのしめる酒を造ることが、田中酒造店の信念です。
こうした考えのもとに造られた「水尾」は、地域の人々の嗜好にあった、スッキリとした辛口の酒。といっても、新潟の“淡麗辛口”とは異なる個性をもった、奥信濃の地酒ならではの味わいです。

香り豊かで、口当たりはまろやか、後味はスッキリと軽い。こうした「水尾」の魅力は、日々の食事とともにたのしむ「食中酒」に最適です。
食中酒に求められるのは、食事の邪魔をすることなく、常に料理に寄り添うような味わい。料理の味を引き立て、料理といっしょに飲むことで、よりおいしく感じられる「水尾」は、まさに理想の食中酒といえるでしょう。

「水尾」は飯山杜氏が造るからうまい

「水尾」は飯山杜氏が造るからうまい

出典:田中屋酒造店サイト

「水尾」の造り手は、地元飯山の「飯山杜氏」。酒造りのない夏場は農家として米と向き合い、刈り取りを終えて冬が訪れると、杜氏として蔵に戻ってきます。地元の水、地元の米、地元の気候を知りつくしている飯山杜氏だからこそ、この地ならではの魅力をもった日本酒を生み出せるのでしょう。

日本酒造りは手間暇がかかる仕事だけに、杜氏や蔵人たちは、酒造りの期間中、寝食をともにする日々が続きます。それゆえ、蔵元では「あたりまえの酒造りは、生活をともにできる人によって造られるべき」と、地域の杜氏、地域の蔵人にこだわります。

こうしたこだわりゆえに、田中屋酒造店では酒造りにおいて量を追うことはありません。「水尾」が全国的な人気となった現在もなお、年間の生産量がわずか500石(一升瓶で5万本)しかない小さな蔵元です。小規模な蔵で、手仕事でていねいに仕込まれるからこそ、「水尾」は多くの人に愛され続けているのでしょう。

地元の水と米、そして蔵人にこだわった日本酒造りを続けている田中屋酒造店が、精魂込めて醸すのが「水尾」。素材のよさを活かした豊かな味わいを、食事とともに堪能してみてください。

製造元
株式会社田中屋酒造店
公式サイトはこちら

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