“伝統は革新の連続”さまざまな先駆けの展開を繰り広げる、金沢「福光屋」
金沢でもっとも古い歴史を持つ「福光屋」は、“伝統は革新の連続”を家訓に、時代の変化に合わせた、さまざまな取り組みに意欲的に励み、日々新しい伝統を創造し続けています。日本酒業界の中でも、革新的なチャレンジを行う福光屋の方針についてお話を伺ってきました。
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店舗奥のバーコーナーには昔のボトルが展示されています。
3種類のお酒の飲み比べができるセットが人気。
外国人客が増えていることから、英語版のメニューも準備されています。
「旨くて、軽い」酒を求めて
先代の社長が目指してきた福光屋の酒は、「旨くて、軽い」。当時は、「軽い」という表現が、「薄い」や「まずい」と伝わってしまうことから、うまく説明するのが難しかったと福光社長は語ります。
「食へのこだわりが強かった父は、食事と合わせて日本酒をたのしむ時に、後味がきれいにキレることが、おいしく酒を飲み続けられるために大切なことだと言っていました。後味がスッと心地よく消えていくことを「軽い」といっていたのだと後々わかってきました。“味の究極”ともいえる「旨くて、軽い」を、福光屋では今後も継承し続けていきたいと思っています」。
原材料へのこだわりや麹造り、発酵や熟成など、製造のすべての工程に妥協を許すことなく徹底し、生まれるお酒にブランドコンセプトに基づいた魂を吹き込み、お客様の元に届けるまでのストーリーを大切にしている福光屋にとって、いわばストーリーテラー役の福光社長。
「お米の酒は、まだまだおもしろくなる」。
“アイデアによってさまざまなお酒の味がこれからも生み出されていく”と語る社長が、これからどんな商品を送りだしてくれるのか、今後の福光屋の展開がたのしみです。
株式会社 福光屋
石川県金沢市石引二丁目8-3
TEL 0761223-1161 (代)
https://www.fukumitsuya.co.jp/
ライタープロフィール
阿部ちあき
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター