“伝統は革新の連続”さまざまな先駆けの展開を繰り広げる、金沢「福光屋」

“伝統は革新の連続”さまざまな先駆けの展開を繰り広げる、金沢「福光屋」

金沢でもっとも古い歴史を持つ「福光屋」は、“伝統は革新の連続”を家訓に、時代の変化に合わせた、さまざまな取り組みに意欲的に励み、日々新しい伝統を創造し続けています。日本酒業界の中でも、革新的なチャレンジを行う福光屋の方針についてお話を伺ってきました。

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級別制度が廃止され、特定名称によって日本酒が分類されることが始まった頃、福光屋はそれまでの主銘柄であった「福正宗」のほかに、「黒帯」、「加賀鳶」、「百々登勢(ももとせ)」、「瑞秀(みずほ)」、「風よ水よ人よ」、「初心」、「鏡花」などのブランドを次々と立ち上げ、マルチブランド政策を展開しました。それぞれが独立した別会社の商品と受け取れるほど、イメージが確立されており、どのブランドも、コンセプトに合わせて、ラベルのデザイン、原料米や製法、マーケティングやプロモーションなど細部にまでこだわりを持って企画開発が行われています。

「たとえば『加賀鳶』は、加賀藩江戸屋敷の大名火消しのことをいいますが、当時、身長や顔立ちなどを重視して採用していたことから、江戸の町では加賀鳶集団が女性に人気となり、それをやっかむ町火消したちとの喧嘩が絶えなかったというエピソードがあります。そんな男前で粋な加賀鳶集団をイメージした、金沢と江戸を結ぶコンセプトで生まれたのが『加賀鳶』ブランドです。イメージは日本酒版“ジャニーズ”といったところでしょうか(笑)」と話す福光社長。

「戦前までは、級別制度がなく、酒の銘柄によってグレードが分けられており、味や品質の違いが明確で、消費者にとっては酒を選びやすかったのです。その方がお酒に愛着を持ってもらいやすい。お客様の中には、「黒帯」と「加賀鳶」がどちらも福光屋で造られていることを知らない方もいるそうですが、私たちはあえて、福光屋の名前を一歩引き、それぞれの酒のブランドを立てています。そうすることで、個性の違うお酒の味わいが生きてきて、ファンになってもらえると考えているからです」。

加賀鳶  純米大吟醸  吉祥

加賀鳶 吉祥 純米大吟醸

加賀藩江戸屋敷お抱えの大名火消し「加賀鳶」から命名された、加賀鳶連中の意気のよさがブランドコンセプトとなったお酒。契約栽培の山田錦を40%に磨き、低温発酵させた原酒で、旨味のふくらみと、香り高い繊細な味わいが両立しています。ワイングラスで飲むと存分に香りが感じられるのでおすすめ。
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黒帯 悠々 特別純米

黒帯 悠々 特別純米

有段者のための酒として名付けられた「黒帯」は、食の都・金沢で鍛え育てられた、燗映えのする、料理と渡り合う酒。吟醸仕込みと純米仕込みとで、キレのよい芳醇な旨味を持つ辛口に仕上げ、蔵内でじっくりと熟成させた落ち着きのある味わい。刺身や鮨など、魚料理との相性が抜群です。
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加賀纏 純米 辛口

加賀纏 純米 辛口

酸味と旨味のバランスが取れたスッキリとした辛口の味わい。お燗にするとふくよかなボリュームが広がります。食中酒にぴったりな一本。
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お客様との交流の場として生まれた直営店

“女性に飲んでもらえるお酒”をテーマに、酒質の見直しやブランドの構築などを行ってきた福光屋は、さらに、直接お客様との交流を行うことで、商品の情報をより深く伝えられると考え、1999年に東京・銀座に初の直営店をオープンさせました。

「お客様、とくに女性に足を運んでもらうには、興味を持ってもらえる場所がよいと思い、銀座に出店しました。お客様の好みを聴き分け、洋服をすすめるようにお酒を紹介してもらいたいと考え、アパレル業界で接客経験のある店員を揃えてスタートさせました」と話す福光社長。

お酒だけに限らず、器や食品など、“日本酒文化”を伝えていくことを目的にした直営店は、銀座のほか、東京・六本木など、都内に4店舗、金沢に2店舗を展開。バーコーナーを設け、気軽にお酒をたのしめるスペースもあり、近年は外国人観光客の間でも人気を呼んでいます。

酒蔵のすぐ隣にある直営店舗の金沢店。 「純米酒のある日常」をテーマに純米酒全ブランドをはじめ、酒器や酒肴などを揃えています。

酒蔵に隣接する直営店舗の金沢店。「純米酒のある日常」をテーマに純米酒全ブランドをはじめ、酒器や酒肴などを揃えています。

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