「現代の名工」の技術と情熱で進化を続ける、南部杜氏の里 岩手の銘酒「あさ開」

「現代の名工」の技術と情熱で進化を続ける、南部杜氏の里 岩手の銘酒「あさ開」

あさ開の杜氏である藤尾氏にとって、半世紀以上に渡って続けてきた酒造りは、まさに人生そのもの。穏やかな人柄とやさしい語り口の奥に秘めた、技術者としての信念と日本酒と真摯に向き合い続けている情熱。 これまでの歩みについてお話しを伺いました。

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機械化の導入などによる改革によって、全国にも珍しい、近代的な酒造りを行う代表蔵となった「あさ開」ですが、そんな頃、「あさ開の酒は人じゃなくて機械が造っている」と揶揄する声が耳に届きます。「でも、決してそんなことはないんです」と藤尾さん。

「例えば酒米の状況をみる時は、温度を的確に捉えることが大切ですが、温度計だけに頼ってはいけない。自分の掌で感じる温度が一番正確なんです。30度~35度を、0.5度刻みで違いを感じられる感覚は今もブレていません」。
機械はあくまで重労働の作業を人の代わりにしてもらうためのもの。頭脳と感覚を研ぎ澄ませて造るのが「あさ開」の酒。その想いは、透明感のある清らかな酒質と味わいに表現されていきました。

機械を導入しても、人の感覚を大切にした酒造り

2トンの米麹を造ることができる自動製麹機は、当時、全国でも導入している蔵はかなり少なかったとか。「でも、すべてを機械に任せるのではなく、自分の感覚を信じて微生物の働きを見極めることが大切です」。

全国新酒鑑評会25回連続入賞、そして「現代の名工」「黄綬褒章」の受賞

毎年春に、製造技術や清酒の品質向上を目指して開催される「全国新酒鑑評会」は、全国の酒蔵が出品する日本酒の品評会。平成3年、藤尾さんは初めて金賞を受賞しました。最高評価の金賞を受けたことによって、蔵人たちも藤尾さんの技術力を認め、結果、酒造りのチームとしてもまとまり始めます。「金賞は本当に嬉しかった。頑張ってきたことが認められました」。

全国新酒鑑評会25回連続入賞、そして、「現代の名工」、「黄綬褒章」の受賞

藤尾さんが蔵に来るまでは僅か数枚だった賞状も、今では蔵内の至る所に飾られるほど。「金賞は嬉しかったけど、社内の人にも取るのが当たり前と思われて、毎年発表の前から受賞酒発売の準備を進められていたのはちょっとした重圧でした(笑)」。

しかし、残念ながら翌年は受賞を逃すことに。「金賞を受賞して、みんなで喜びすぎちゃったのかな」と苦笑する藤尾さん。これではいけないと、チーム一丸となって酒造りと向き合い、その翌年には再び金賞に。その後、連続で金賞を受賞し、2016年まで、入賞を含めると連続25回の受賞。そのうち金賞が20回という立派な記録は全国でも最多受賞となり、岩手を代表する銘酒「あさ開」の名を全国に轟かせます。

また、平成17年には厚生労働大臣賞、国の卓越技能者「現代の名工」に、さらに、平成20年5月には「黄綬褒章」を受章。平成29年には南部杜氏の憧れである「南部杜氏自醸鑑評会」 の第1位となる首席を受賞し、名実ともに、日本最大の酒造り集団である南部杜氏を代表する名杜氏に。

全国新酒鑑評会25回連続入賞、そして、「現代の名工」、「黄綬褒章」の受賞

「南部杜氏自醸鑑評会」で首席を受賞したトロフィー。豊富な経験と知識を持つ藤尾杜氏に学びたいと、蔵には全国から酒造りを学びに来る若者も後を絶たないそう。

自然豊かな岩手で生まれる、清らかで透明感のあるお酒「あさ開」

酒蔵のある大慈寺町からすぐ近くに、平成の名水百選に選ばれた「大慈清水」があり、昔から生活用水として地元の人たちに使用されている湧水があります。
「あさ開」では、この大慈清水と同じ湧水が敷地内に湧き出ており、創業以来変わらず酒造りに使用。軟水で繊細さを感じるやわらかな飲み口の湧水は、そのまま、お酒の味わいに。南部流酒造りの特徴ともいわれる、突き破精製麹と長期低温発酵によって、淡麗な味わいに仕上がっています。
また、地元岩手県で栽培された「吟ぎんが」「結の香」など10種類近くの酒米を積極的に使用し、「岩手の地酒ならではの味」を大切にしています。

純米大吟醸 オールいわて

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