日本酒の香りを残した酒粕焼酎(粕取り焼酎)
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酒粕焼酎(粕取り焼酎)とはどんな酒?
焼酎は様々な原料を使って造られるお酒ですが、芋、米、麦などとともにポピュラーなのが酒粕です。
酒粕を使った焼酎は、酒粕中に含まれるアルコールを蒸留して造られたもので、酒粕焼酎または粕取り焼酎と呼ばれています。
日本酒を絞った後にできるのが酒粕で、この酒粕には約8%ほどのアルコールが含まれています。
酒粕焼酎は、酒粕から稲作の肥料「下粕」を造る工程で偶然生まれた、という説もあるそうです。
酒粕焼酎は、2つの製造方法があります。ひとつは、伝統的な酒粕にもみ殻を混ぜ、せいろ式の蒸留器で蒸留する「正調粕取焼酎」と酒粕そのものを蒸留する方法で造られた「吟醸粕取焼酎」があります。
日本酒を思わせる香りと甘みをダイレクトに感じさせるものが多く、日本酒が好きな人にも受け入れやすい味わいです。なお最近では、人気の日本酒の蔵元が酒粕焼酎を造り注目をあびています。
米どころ秋田で生まれた「Black Stone」
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数ある酒粕焼酎の中からいくつかの銘柄を紹介します。
まずは、米どころ秋田の酒粕焼酎です。
「Black Stone」は、米どころ、酒どころの秋田の酒蔵、秋田県醗酵工業で造られた本格焼酎。秋田県醗酵工業は、地元産の原料にこだわった日本酒を醸造しています。
「Black Stone25%」は、吟醸酒の酒粕と米麹だけを原料に使って仕込まれ、吟醸酒のような華やかな香りと米のまろやかな旨味が口の中に広がります。アルコール度数が41度の「Black Stone5年貯蔵41%」は、貯蔵されることでさらにまろやかさが増した1本。ロックで味わってみたい銘柄です。
みりん造りで150年の会社が作った「加寿登利」
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甘強(かんきょう)酒造は1862年創業、150年もの間みりんを造り続けてきた酒蔵です。みりん造りを最初に、現在は地元産の米を原料に日本酒や甘酒なども製造しています。
「加寿登利焼酎 黒麹仕込み」は、みりんの原料としての使われる焼酎の製造経験を活かして造り上げた酒粕焼酎です。酒粕と原料に黒麹を使ったことで香ばしさも加わり、深みのある味わいになっています。若干くせのある味は、焼酎好きをうならせる味わいです。
人気蔵元が造った酒粕焼酎
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最近、注目を浴びている酒粕焼酎ですが、日本酒の人気蔵元からも個性的なものが蒸留されているのを知ってますか?
新潟の代表的な日本酒「八海山」で有名な「八海醸造」が蒸留している酒粕焼酎「宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)」は、日本酒醸造の過程で生まれる酒粕を原料にしています。3年以上貯蔵することで、まろやかさと吟醸香がふくよかな味わいを造ります。
また、再び日本酒人気に火をつけた「獺祭(だっさい)」を造る旭酒造の酒粕焼酎も注目です。純米大吟醸の酒粕から造られる「獺祭焼酎 純米大吟醸 酒粕仕込 39度」は、なかなか手に入らない希少焼酎。フルーティーな香りで軽やかな味わいです。
もし、みつけたら迷わず手に入れて飲んでみてください。