ウイスキーの製造工程~作り方が違うと味わいも違う!

ウイスキーの製造工程~作り方が違うと味わいも違う!

ウイスキーの作り方は、大きく分けて、仕込み・発酵・蒸留・熟成の4工程で行われます。今回は普段何気なく楽しんでいるウイスキーの作り方をご紹介していきます。ウイスキーができるまでの工程を知ることで、今夜の晩酌がに違った味わいが出てくるかもしれませんね!

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ウイスキーの原料は穀物

ウイスキーの原料はおもに3つ。穀物、酵母、水が基本です。

ウイスキーの製造工程は、モルトのみを原料に、単式蒸留器で蒸留するモルトウイスキーと原料にモルトのほか小麦やトウモロコシなどの穀物を使い、連続式蒸留器で蒸留するグレーンウイスキーで多少異なります。

ここでは、おおまかなウイスキーの製造工程を説明します。

糖の少ない穀物は、ワインの原料となるブドウと違いそのままではアルコールになりません。そのため、まず、大麦を発芽させ、デンプン質を糖に変える酵素を発生させます。大麦を発芽させ麦芽(モルト)にする作業を製麦(モルティング)といいます。発芽した麦を乾燥させてモルトを作り、これを細かく粉砕し温水を加え、麦芽中の糖化酵素でデンプン質を糖に変えます。これをろ過して麦汁を作ります。麦汁のことをウォートともいいます。

味の決め手は発酵と熟成

麦汁に酵母を加え発酵させると酵母は麦汁中の糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスに変化させます。ここで、ウイスキー独特の香り成分が生まれます。

発酵の終了した醪(もろみ)はアルコール度数が7~9%。醪のことをウォッシュともいいます。ウォッシュを度数の高い酒にするのが蒸留の目的です。ウォッシュを加熱してアルコールを先に気化させ、冷やして抽出するのが蒸留の仕組みです。蒸留の方法は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーでは異なります。

蒸留したての蒸留液のことを「ニューポット」といいます。ニューポットは、無色透明で刺激の強い荒々しい酒。これをウイスキーらしい琥珀色でまろやかな風味に仕上げるのが樽熟成の工程です。

一般的には、アルコール度数65~70度のニューポットに水を加え、63度前後に調整してから樽に詰めます。その後、ウエアハウスと呼ばれる熟成庫に運んで貯蔵します。ウイスキーの製造期間のほとんどが、樽熟成に費やされることになります。

味の決め手は発酵と熟成

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蒸留方法で異なる2つの味のウイスキー

ウイスキーには原料と蒸留の違いで2種類があります。

モルトウイスキーは大麦が原料。蒸留方法は、ポットスチルと呼ばれる単式蒸留器で行います。銅製の丸い形の蒸留器を見たことがあるかもしれません。単式蒸留器は1回ごとにウォッシュを入れて蒸留する方式です。ポットスチルのサイズや形状でできる酒質が異なり、個性の強いウイスキーができます。

グレーンウイスキーは、大麦のほか、ライ麦やトウモロコシなどが原料。塔上の連続式蒸留機で行います。連続式はウォッシュを連続的に投入できる蒸留機です。アルコール度数を95度まで上げることができ、しかも短時間で大量に蒸留することが可能です。

蒸留方法で異なる2つの味のウイスキー

Jaime Pharr/shutterstock.com

熟成期間がウイスキーの特徴を決定づける

あの美しい琥珀色は樽熟成のたまもの。熟成期間は蒸留所や場所によって異なりますが3~10数年、ときには、20~30年と超長期熟成させる場合もあります。ウイスキーの色以外にも、味わいや香りに影響を与える割合も、この樽熟成が7割を占めるとまでいわれています。

長期間寝かせることで、蒸留直後の不快な香味成分や、きついアルコールの臭いが取り除かれ、まろやかで上品な味わいに変化していきます。

「樽が呼吸する」などと表現されることもあるように、木樽は、ウイスキーを蒸散させると同時に周囲の空気をも取り込んでいきます。このほかにも、ここには書ききれない様々な要因が合わさって複雑でふくよかな味わいと香りが生まれ、世界中を魅了し続けているのです。

熟成期間がウイスキーの特徴を決定づける

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