ウイスキー投資とは? 注目されている理由や投資のやり方、リスクや注意点も紹介

ウイスキー投資は、近年注目の資産運用方法のひとつ。ウイスキーのカスク(樽)やファンドに投資するほか、希少なボトルを購入し、値が上がったタイミングで売る方法もあります。今回はウイスキー投資が注目されている理由や、投資方法について紹介します。
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ウイスキーは近年、飲む対象としてだけでなく投資対象としても注目されています。ウイスキー投資人気の背景や、3種類の投資方法、リスクなどもみていきます。
ウイスキー投資とはなに?

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ウイスキー投資は資産運用方法のひとつで、ウイスキーのカスク(樽)やファンド、希少性の高いウイスキーボトルに投資することを指します。数あるウイスキーのなかでも、スコットランドのスコッチウイスキーや日本のジャパニーズウイスキーへの投資が人気となっています。
日本のウイスキーに着目すると、2001年ごろから世界的品評会でジャパニーズウイスキーが高く評価され始め、知名度が上昇。ジャパニーズウイスキーの価値が高まり、2018~2019年ごろには海外のオークションで、「山崎」や「イチローズモルト」などの希少なボトルが相次いで高値で落札されました。これによりジャパニーズウイスキーの相場が上昇し、資産価値を見出した人の間で、投資熱が高まったと考えられます。
一方で、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されると、食だけでなく日本産ウイスキーにも世界の視線が集まるようになりました。その後、2016年ごろから日本でシングルモルトウイスキーを造るクラフトウイスキー蒸溜所が増え、海外からもたくさんの観光客が訪れるように。日本産ウイスキーは投資家だけでなく、一般の人の間でも需要が高まっていきました。

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ちなみに、日本では長らくウイスキー市場が低迷していましたが、2009年ごろにウイスキーブームが再燃。「サントリーウイスキー角瓶」で作る「角ハイボール」を筆頭に、若者の間でハイボールブームが到来しました。2014年にNHK連続テレビ小説『マッサン』が放送されると、さらに国産ウイスキーの人気が高まり、ウイスキー市場は拡大を続けています。
ウイスキー投資が注目されている理由

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ウイスキー投資が注目されている理由のひとつは、投資対象として魅力的だからです。
ウイスキー投資の方法のひとつにウイスキーファンドがありますが、なかには実質利回り8%以上を記録しているファンドも存在します。東証プライムの予想平均配当利回りは2.36%(2024年12月16日現在)なので、興味をもつ人もいるかもしれません。
また、銘柄によっては驚異的な利回りを記録したものもあります。たとえば、2016年時点で28年熟成の「ザ・マッカラン 1988 ブルーチップカスク」は、熟成32年目となる2020年に、年平均59.6%の利回りを記録しました。
シングルモルトウイスキー市場は右肩上がりに成長していて、さらにスコットランド全体の蒸溜所の平均成長率は12%以上と好調なため、今後も高いリターンが期待されています。

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ウイスキー投資が注目されているもうひとつの理由は、個人でも少額から始められる方法があるからです。なかでもハードルが低めなのは、価値が上がりそうなウイスキーを長期保管して、値が上がったタイミングで転売する方法。蒸溜酒は、ワインなどと比べて風味が変化しにくいため初心者でも管理しやすく、適切に保管していれば、何年経っても飲める品質を維持できます。
一昔前に買い置きしていたボトルや贈答品が高値になっていたということもあるので、まずは物置や倉庫などを覗いてみてもよいかもしれません。
ウイスキー投資のやり方は3つ

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ウイスキー投資は、蒸溜所の樽に投資する「ウイスキーカスク(樽)投資」と、価値の上がりそうなウイスキーを購入して保管・転売する「ウイスキーボトル投資」、カスク投資専門会社が提供する「ウイスキーファンド」の大きく3種類に分けられます。
ウイスキーカスク(樽)投資とは?
ウイスキーカスク投資とは、若いウイスキーのカスク(樽)を購入し、一定期間保有して熟成させ、価格が上昇したタイミングで売却する投資方法です。レアなカスクを長期保有することで大きな利益を得られるケースもあり、うまくいけば想定以上の高リターンを見込めるため、注目されています。
近年カスク投資が活況なのは欧州で、そのなかでも圧倒的に売上が高いのはイギリスです。アジアでも、中国や日本、シンガポールなどで盛り上がりをみせています。
投資方法としては、蒸溜所から直接購入するか、サプライヤー経由で購入するか、「ウイスキー・カスク・インベストメント」などのカスク投資専門サイトを通じて投資することもできます。
なお、購入したカスクは自分で管理する必要はなく、保管庫などで厳重に保管されます。また、カスク投資専門サイトを利用すれば、海外のカスクでも購入・売却しやすいのが利点です。ただ、基本的には1樽単位で購入することになるため、多額の投資をしたい人や資産に余裕のある人に向いている方法といえます。ちなみに、1樽の価格は、カスクにもよりますが、50万円前後から数千万円するものもあります。

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ウイスキーボトル投資とは?
ウイスキーボトル投資は、リターンを期待できそうなウイスキーをできるだけ安く仕入れて、高値になったら売る方法です。ほかの方法と比べると、1万円程度の少額から始められるので、元手が少なくても挑戦しやすいのがメリットです。
とはいえ、価値が上がりそうな銘柄の見極めは必要なので、ウイスキーについてある程度学んでから始めることをおすすめします。
売却方法は買取専門店に売るか、ネットオークションやフリマアプリに出品することになりますが、とくに後者の場合、商品掲載から発送まで自分で手続きする必要があります。売り方にコツが必要で手間もかかるため、オンライン取引に慣れている人のほうが向いているかもしれません。

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ウイスキーファンドとは?
ウイスキーファンドに投資する方法もあります。ウイスキーファンドとは、資産運用のプロに任せるウイスキーの投資信託のこと。プロのアドバイスやサポートを受けられるため、銘柄に詳しくなくても始めやすいのがメリットです。
イギリス・ロンドンでは、2015年に「ウイスキー・インベスト・ダイレクト」という、ウイスキーファンドを扱うサービスが登場しています。高い利回りが見込める原酒を投資対象として扱い、1樽ではなく最小取引量1リットルから投資可能で、熟成後いつでもオンラインで売却できます。日本から購入することも可能ですが、Webサイトは英語版のみで日本語版はありません。
また日本の証券会社も、投資商品を販売しています。東海東京フィナンシャル・ホールディングスは2024年8~9月に、「非代替性トークン(NFT)」を利用したウイスキーの所有権を販売。1口6万3000円からと小口で投資でき、長期保有できるのがメリットとなっています。
ウイスキー投資に人気の種類はスコッチウイスキーやジャパニーズウイスキー

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ウイスキー投資で人気なのは、スコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーです。世界的に需要が高く、在庫を抱えるリスクが低めなことから、投資家たちに安定したリターンが期待されています。
スコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーのなかでも、熟成期間が長いシングルモルトウイスキーやシングルカスクウイスキー、ヴィンテージウイスキーは、希少価値が高いため、価格が高騰しやすいといわれています。また、生産数が極めて少ない限定品や終売品など、入手困難なものほどプレミア価格で取引きされやすくなります。
なお、日本に住んでいる人には地の利があり、国内外で人気の日本産ウイスキーを比較的入手しやすいのはメリットといえます。
ウイスキー投資にはリスクもある

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注目度の高いウイスキー投資ですが、当然ながら投資にはリスクも伴います。買い手がつかなければ利益を得られず、投資したウイスキーの価値が下落して、資産価値が大幅に下がることも考えられます。
ウイスキー市場は右肩上がりで成長していると紹介しましたが、直近では日本産ウイスキーの相場は値下がり傾向にあります。もちろん、銘柄によっては高水準をキープしているものもありますが、投資を行う際は事前にしっかり情報収集して、慎重に進めるようにしましょう。
また、自宅でウイスキーのボトルを保管する場合、保管状態や保管方法によっては劣化や盗難のおそれがあり注意が必要です。売買に際しても、個人が整理のために少量のウイスキーボトルを売買するくらいなら問題ありませんが、継続的に売買する場合は一般酒類小売業免許が必須です。税務署に申請を出し、審査を経て免許を取得する必要があるので、本格的に売買を行う場合は十分に気をつけてください。
なお、税務署の「一般酒類小売業免許申請の手引(新規免許用)」には以下のような記述があります。
出典 税務署 一般酒類小売業免許申請の手引販売業免許を受けないで酒類の販売業を行った場合には、酒税法上、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることとなっています。
知らなかったでは済まないため、事前に決められたルールを必ず確認しましょう。
(参考)
税務署|一般酒類小売業免許申請の手引
ウイスキー投資は、近年注目されている資産運用方法です。ウイスキーカスクやボトル、ファンドに投資することで、高いリターンを得られることもあり、投資家の間で人気となっています。とはいえ、投資にはリスクがつきものなので、ウイスキー投資を行う際は、メリット・デメリットをしっかり検討してくださいね。
