ウイスキーの定番「角瓶」の歴史と人気の秘密
「角瓶」は国産ウイスキーの“定番”ともいえる、サントリーの看板商品のひとつ。誕生から80年以上経った今でも、その人気が衰えることはありません。芳醇な香りと深い味わいが特徴の角瓶ですが、これほどまでロングセラー商品となった背景にはどんな秘密が隠されているのでしょうか。
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ウイスキーの定番「角瓶」の歴史
出典:サントリーサイト
「角瓶」は、サントリーの主力・定番ウイスキーとして、世代を問わず多くの人々に愛されています。
「角瓶」が産声を上げたのは、今をさかのぼること80年以上も前の昭和12年(1937年)のこと。その背景には、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏の「スコッチに負けない日本のウイスキーを生み出したい」という情熱がありました。
鳥井氏の想いは、大正12年(1923年)に建設が始まった日本初のウイスキー蒸溜所・山崎蒸溜所、そして昭和4年(1929年)に誕生した本格国産ウイスキー第1号「白札」として結実します。
それでも満足することなく、理想のウイスキーを追求し続けた造り手の熱意と、蒸溜所の完成から10年以上を経て、ようやく熟成された原酒の数々が、日本人の繊細な味覚に合った、まさにジャパニーズウイスキーの傑作を生み出します。それこそが「角瓶」の誕生でした。
当初は高度成長期の象徴として、ある種のステイタスシンボルであった角瓶ですが、その後、「だるま」の愛称で親しまれる「サントリーオールド」や、「サントリーローヤル」といった銘柄が登場すると、ウイスキーの入門酒、そして宅飲みの定番酒へと、その役割を変えていきます。
それでも「角瓶」を愛するユーザーは増え続け、日本を代表するウイスキーのロングセラーブランドとなっています。
角瓶が高い人気を誇る理由
出典:サントリーサイト
「角瓶」は、山崎蒸溜所や白州蒸溜所のバーボン樽原酒がバランスよく使用されたブレンデッドウイスキー。その配合は、80年以上にわたる歴史のなかで、消費者の嗜好の変化を踏まえながら、つねに変化を続けてきたそうです。
それでも、昔からの「角瓶」ファンが納得して購入し続けているのは、時代に合わせて微調整しながらも、鳥井信治郎氏が追求した「日本発の本格ウイスキー」という芯を、ぶれることなく維持し続けているからにほかなりません。
加えて、消費者に安心と信頼を与え続けるパッケージデザインも、定番ブランドとして愛される重要な要素です。
「角瓶」の由来となった亀甲模様は、薩摩切り子にヒントを得たもの。じつは、ラベルのどこにも「角瓶」という文字は記されていません。
その印象的な形状から、いつしか定着・浸透したその名称は、いかに優れたデザインかを物語っており、缶入りハイボールなど派生商品にも受け継がれています。
角瓶のおすすめの飲み方
出典:サントリーサイト
「角瓶」の魅力は、甘く華やかな香りとまろやかなコク。ストレートでも水割りでもおいしく飲めますが、近年、角瓶の新たなたのしみ方として定着しつつあるのがハイボールです。
製造元のサントリーでも、角瓶を使ったハイボールを「角ハイボール」と名づけて、テレビCMや公式サイトで積極的にアピールしています。さらに、現在の角瓶はハイボールで飲む際のおいしさも重視したブレンド設計になっているのだとか。
サントリー公式サイトでは、おいしい角ハイボールの作り方を紹介していますが、おすすめの配分は角1:ソーダ4。ほかにも、あらかじめジョッキ内にレモンを少し搾る。氷を山盛りに入れる。マドラーでかき混ぜるのは少しだけ、といった独自のこだわりがあるのだとか。興味のある人は、ぜひ、チェックしてみてください。
「角ハイボールのおいしいつくり方」はこちら
国産ウイスキーの傑作である角瓶の歴史を紐解いていくと、長い歴史に裏打ちされた味へのこだわりと徹底したブランド戦略が見えてきます。価格もお手軽ですので、ぜひ、一度は手に取って、80年にわたり愛されてきた理由を体感してみてください。
製造元:サントリー株式会社
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