「アイリーク」とは?シークレットアイラモルトの魅力と味わい、蒸溜所の噂、価格・おすすめの飲み方を紹介

「アイリーク(The Ileach)」は、スコットランドのアイラ島で造られたシングルモルトウイスキーをボトリングしたブランドです。どの蒸溜所の原酒かは非公開、“謎多きアイラモルト”としてファンを魅了しています。今回は「アイリーク」の味わいや価格、飲み方などについて紹介します。
- 更新日:
「アイリーク(Ileach)」はゲール語で「アイラ島民」を意味し、ゲール語読みでは「イーラッハ」と発音されます。謎めくボトラーズブランド「アイリーク(イーラッハ)」の特徴や、名前の由来、種類、味わい、おすすめの飲み方も紹介していきます。
「アイリーク(イーラッハ)」とは? スコッチファンを惹きつける“謎多きアイラモルト”

Radomir Rezny / Shutterstock.com
「アイリーク(Ileach)」は、スコットランド産のシングルモルトウイスキーをボトリングしたボトラーズブランド。「アイリーク」はゲール語で「アイラ島民」を意味し、ゲール語読みでは「イーラッハ」と発音します。
「アイリーク」はスコットランド産シングルモルトウイスキー
「アイリーク(The Ileach)」は、スコットランドのアイラ島で造られたシングルモルトウイスキーをボトリングしたブランドです。アイラ島はスコッチウイスキーの6大産地のひとつで、世界的にも人気の高いブランドが集まっています。
名前の「アイリーク」はゲール語で「アイラ島民」を意味し、ゲール語読みでは「イーラッハ」と発音されます。その名のとおり、アイラ島の伝統と個性を象徴するようなスコッチで、アイラモルトらしい力強いピート香とスモーキーな味わいが特徴です。高品質な味わいで、アイラ島のほかのシングルモルトと比べてリーズナブルなため、アイラモルトの奥深さを知る第一歩としておすすめのシングルモルトです。

KKKvintage / Shutterstock.com
もともとはボトラーズブランドとして誕生
「アイリーク」は、スコットランドのグラスゴーに拠点を置くボトラー、ザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー・カンパニー(The Vintage Malt Whisky Company)によって生み出されました。創業者のブライアン・クルック(Brian Crook)氏は、もともとアイラ島の名門、ボウモア蒸溜所に勤務していた人物で、その経験をもとに1992年に同社を設立。その後、1997年にリリースされたのが「アイリーク」です。
同社およびその子会社(ジェームス・アンド・サンズ・カンパニー)は、アイラモルトのブランド「フィンラガン」やシングルカスク・シリーズの「ザ・クーパーズ・チョイス」、ハイランドモルトの「グレンアーモンド」、アイラモルトの「アイラストーム」など、個性豊かなスコッチブランドも展開しています。
「アイリーク」は、そうした同社のラインナップのなかでも、とくにアイラらしさを体現した1本として、世界中のウイスキーファンから愛されています。

Robert Harding Video / Shutterstock.com
蒸溜所はアイラ島のどこかに存在
「アイリーク(Ileach)」の最大の特徴のひとつは、原酒の蒸溜所が明かされていないことです。ラベルには「ISLAY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY (アイラ島のシングルモルトウイスキー)」としか記されておらず、どの蒸溜所の原酒なのかは公式には発表されていません。
“謎のアイラモルト”としてあえて蒸溜所名を伏せたままリリースした理由には、原酒の取引条件が関係しています。
原酒を提供する蒸溜所がボトラーズに販売する際、自社のブランドイメージを守るため、「蒸溜所名を明かさないこと」を条件とすることがあります。それを逆手に取って、「シークレットボトル」というスタイルで販売した結果、かえってウイスキーラバーの視線を集めることになったのです。
「アイリーク」の、その個性的な香りや味わいから、「どの蒸溜所の原酒か」と、ウイスキー愛好家の間ではさまざまな推測が飛び交っています。とくに、アイラ島の南岸に位置する「ラガヴーリン」や「ラフロイグ」の若い(熟成年数の短い)原酒が有力視されることが多く、両蒸溜所のモルトに通じるスモーキーで力強い個性を感じ取る人も少なくありません。
一方で、アイラ島北部にある、強めのピート香と塩気を感じる「カリラ」説もあり、真相は依然として謎に包まれています。
なお、同社の代表的ブランドのひとつである「フィンラガン」も同様に蒸溜所非公開で、いずれも謎めいたアイラモルトとして、世界中のウイスキーファンを惹きつけています。
「アイリーク」の魅力と飲み方

kai keisuke / Shutterstock.com
「アイリーク」の味わいの魅力と、おすすめの飲み方を紹介します。
「アイリーク」は力強くスモーキーな味わい
「アイリーク」は、アイラモルトらしい力強いスモーキーさが際立つ1本です。グラスに注ぐとまず感じられるのは、強烈なピートとスモークの香り。ヨードを思わせる薬品系の香りや、海藻や潮風を連想させる海のニュアンスも感じられます。口に含むと、ピート香やヨード感が力強く広がりながら、オイリーで重厚なコク、麦芽やハチミツの甘さ、コショウのようなスパイシーさやほどよい塩味が調和し、奥行きのある余韻を残します。
その完成度の高さは、世界的にも認められています。1999年の「インターナショナル・ワイン・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」では、「アイリーク5年」が金賞を受賞。
その後も複数の賞を獲得していて、ボトラーズブランドながらアイラモルトの本流に並ぶ品質として、高い評価を得ています。

El Nariz / Shutterstock.com
「アイリーク」のおすすめの飲み方
「アイリーク」の魅力を気軽にたのしむなら、イチ押しの飲み方はハイボール。ロックや水割りもおすすめです。スモーキーな香りと潮のミネラル感が心地よく広がり、食中酒としてもよく合います。とくにハイボールでは、アイラ特有のピート香がさわやかに引き立ち、個性を残しつつも飲みやすい印象に。
より深く味わいたい人は、ストレートで試してみるのもおすすめです。とくに、「カスクストレングス」タイプなら、加水調整していない樽出しそのままの味わいを存分に堪能できるでしょう。
“謎多きアイラモルト(謎のアイラ)”の正体を探るにも、まさにこのストレートが最適といえます。テイスティンググラスに注げば、立ち上る香りにも集中できます。とはいえ、アルコール度数がかなり高いため、必ずミネラルウォーターなどのチェイサーを用意して、交互に少しずつ飲み進めるようにしてください。
手ごろな価格で「アイリーク」をたのしもう

Bankrx / Shutterstock.com
「アイリーク」には、ノンエイジとカスクストレングスの2タイプがあり、アルコール度数や味わいに違いがあります。ノンエイジはスモーキーでバランスがよく、ハイボールにぴったりで、初心者にもおすすめです。樽出しそのままのカスクストレングスは、厚みのあるボディが特徴で、ストレートで味わいたい1本です。
「アイリーク」の種類と価格
「アイリーク」には、おもに通常品(スタンダードボトル)のノンエイジとカスクストレングスの2種類が存在します。いずれもアイラ島のシングルモルトを原酒としていますが、アルコール度数や味わいの印象に明確な違いがあります。
【アイリーク】
アルコール度数40%のノンエイジタイプで、正規品の価格は3,000円前後が相場。アイラモルトらしい力強いスモーキーな香りと海藻のような潮っぽさ、長めの余韻をたのしめる1本です。クセはありながらも飲みやすく、アイラウイスキー初心者にもおすすめ。ハイボールやロック、水割りによく合います。
【アイリーク カスクストレングス】
樽出しそのままの力強い原酒タイプで、アルコール度数は58%前後。価格は5,000円台が目安です。ノンエイジよりもさらに濃厚なピート&スモークの香り、柑橘系の香り、厚みのあるボディと長い余韻をたのしめます。ストレートや少量加水で、複雑な香りの変化をたのしむのに最適です。

Sinart Creative / Shutterstock.com
「アイリーク」は比較的入手しやすいが注意点もある
「アイリーク」は、国内の酒販店やECサイトなどでも比較的入手しやすいボトラーズブランド。免税店で購入できる場合もあるようです。
ただし、とくにECサイトでは、並行品(並行輸入品)や旧ボトルが流通していることもあるため、購入時には注意が必要です。
並行品は、海外で出回っているボトルをそのまま輸入して、日本で販売している商品です。日本語の説明がなく、度数や容量が正規品とは違ったり、化粧箱がない・傷がついていたりするケースがあります。また、旧ボトルは、現行ボトルとは、ラベルやキャップのデザインが異なる場合があります。
並行品や旧ボトルでは、保管状態にも心配があります。輸送環境や長期保管によって、液面低下や風味変化が起こる場合もあり、コレクション目的でなければ、現行ボトルを選ぶと安心です。また、並行品よりやや価格は高くなりますが、日本の正規代理店が輸入したものを選ぶか、信頼できるショップを利用することをおすすめします。

L.O.N Dslr Camera / Shutterstock.com
【すでに販売終了】熟成年数が明記されたボトルも
「アイリーク」には、過去には熟成年数が表示されたボトルもありました。そのひとつが「アイリーク12年」です。12年もののアイラモルトが使われた長期熟成シングルモルトで、通常品よりも丸みのあるスモーキーさが特徴です。ぜひ味わってみたいものですが、残念ながらすでに終売しています。
また、上で紹介した受賞歴のある「アイリーク5年」も、終売しています。
どちらもボトルを入手するのは難しいため、バーなどで出会えたときに、味わってみてはいかがでしょう。
価格・品質ともに満足度の高い「アイリーク」は、コストパフォーマンスに優れた“謎多きアイラモルト”として、ウイスキー愛好家の間で根強い人気を誇っています。機会があれば、好みの飲み方で味わって、使われている原酒の正体を探ってみてくださいね。






















