ワインの種類は色の違いだけじゃない!製法や味、ボディなどさまざまな角度から種類を確認

ワインの種類は色の違いだけじゃない!製法や味、ボディなどさまざまな角度から種類を確認
出典 : Julia Lototskaya / Shutterstock.com

ワインの種類はじつに豊富。赤・白・ロゼなど色の違いのほかにも複数の分類法があり、さまざまな角度から確認することで、好みのワインに出会うチャンスが広がります。ここでは、ワインの種類を、製法、色の違い、ブドウ品種の違い、産地などの切り口から紹介します。

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ワインの種類をさまざまな角度からみていきます。

ワインは製法によって4種類に大別される

ワインの製法による分類

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ワインはその製法から、大きく「スティルワイン」「スパークリングワイン」「フォーティファイドワイン」「フレーヴァードワイン」の4つに分類されます。それぞれの基本情報と、それぞれに属するワインの種類をみていきましょう。

スティルワインの特徴と種類

スティルワインとは、非発泡性ワインのことです。
アルコール度数はおもに8〜14%程度。非発泡性ワインは、以下のようなワインの種類に分類されます。

◇赤ワイン
黒ブドウを皮ごと醸造したもの。赤い色が特徴。
◇白ワイン
白ブドウの種や果皮を取り除き、果汁だけで発酵させたもの(例外あり)。
◇ロゼワイン
赤と白の中間の色合いを持つワイン。
◇オレンジワイン
白ブドウを使用して、赤ワインと同じく皮ごと醸造したもの。
◇デザートワイン(おもに白ワイン、一部赤ワイン)
糖度の高い甘口のワイン。「貴腐ワイン」や「アイスワイン」などもデザートワインのひとつです。

スパークリングワイン

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スパークリングワインの特徴と種類

スパークリングワインとは、炭酸ガスを含んだ発泡性ワインの総称。きめ細かな泡が特徴で、アルコール度数はスティルワインよりやや低めの〜13%程度のものが多く流通しています。

スパークリングワインの代表的な種類に、以下のようなものがあります。

◇シャンパン(フランス・シャンパーニュ地方)
◇クレマン(フランス)
◇プロセッコ(イタリア)
◇ゼクト(ドイツ)
◇カバ(スペイン)
※「カヴァ」と表記する場合もあります

なかでも、フランスのシャンパーニュ地方で造られる「シャンパン(シャンパーニュ)」、イタリア・ヴェネト地域で造られる「プロセッコ」、スペイン産の「カバ」は、「世界三大スパークリングワインと」呼ばれています。

なお、「スパークリングワイン」の呼び名は国によって異なり、フランスでは「ヴァン・ムスー」、イタリアでは「スプマンテ」、スペインでは「エスプモーソ」などの名前で親しまれています。

スペインのシェリー

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フォーティファイドワインの特徴と種類

フォーティファイドワインとは、醸造過程でアルコールを加えることで、アルコール度数を高めた酒精強化ワインのこと。ヨーロッパの比較的気温が高い地域で味わいの個性と保存性を高めるために造られたもので、アルコール度数も18%前後と通常のワインよりも少し高めです。

フォーティファイドワインの代表的な種類は以下の6種類です。

◇シェリー(スペイン)
◇ポートワイン(ポルトガル)
◇マディラワイン(ポルトガル領マディラ諸島)
◇マルサラ(イタリア)
◇ヴァン・ド・リキュール(V.D.L./フランス)
◇ヴァン・ド・ナチュレル(V.D.N./フランス)


このうち、シェリー、ポートワイン、マディラワインは「世界三大酒精ワイン」と呼ばれています。

ベルモットはマティーニに欠かせない材料

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フレーヴァード(フレーバード)ワインの特徴と種類

フレーヴァードワインとは、薬草や香草、果汁などで香味をつけたワインのこと。

スペイン生まれの「サングリア」やニガヨモギなどの薬草類で風味づけをした「ベルモット」などが有名で、食前酒やカクテルの材料として親しまれています。

フレーヴァードワインのおもな種類は以下の3つです。

◇サングリア
◇ベルモット(ヴェルモット)
◇レッチーナ


なかでもハーブやスパイスの豊かな風味が活きたベルモットの歴史は古く、古代ギリシャの医師・ヒポクラテスがワインにシナモンとハチミツを混ぜて患者に飲ませたのが始まりとされています。
食前酒として飲まれるほか、カクテルや料理の風味づけにも使われ、「チンザノ」や「ノイリー・プラット」などの有名銘柄は日本でも広く浸透しています。

赤・白・ロゼといった色の違いによる種類分け

赤ワインと白ワイン、ロゼワイン

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初心者にもわかりやすいのが、赤・白・ロゼなど色の違いによる分類です。いずれも「スティルワイン」の一種としてかんたんに紹介しましたが、もう少しくわしくみていきましょう。

赤ワインの特徴

赤ワインとは、黒ブドウを原料に造られるワイン。果皮や種を取り除かずにブドウをまるごとタンクに入れて発酵させることで、特徴的な赤い色味や渋味が生まれます。

鮮やかな色味のもとは、果皮に含まれる色素成分のアントシアニン。独特な渋味のもとは、種に含まれる渋味成分のタンニンです。果皮と種を一緒に漬け込み、色素やタンニン、香気成分を抽出する工程を「マセラシオン」といい、白ワインとの決定的な違いのひとつになっています。

赤ワインの味わいや飲み口について語るときは、おもに「ボディ」という用語が使われます。「ボディ」についてはのちほど詳述します。

白ワインの特徴

白ワインは、ブドウの果汁のみを使って造られるワインです。基本的には白ブドウを使用しますが、黒ブドウの果汁が使われることもあります。ただしマセラシオンは基本的に行わず、ブドウの果皮や種を取り除いた果汁だけを発酵させるため、透明感のある薄い色合いに仕上がります。

白ワインの味わいはおもに「甘口」「辛口」で表し、赤ワインのように「ボディ」という用語はあまり使われません。また、味の濃さを表すときは、「しっかりした」「スッキリとした」といった表現が使われます。

ロゼワインの色合いは多彩

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ロゼワインの特徴

ロゼワインは、美しいピンクの色合いが特長のワイン。「ロゼ」とはフランス語で「バラ色」を表す言葉です。ピンク色といっても、淡いピンクから赤に近いピンクまでその色合いは多種多様。この色合いはある程度製法に依存し、色ごとの個性は味わいにも現れるといわれています。

ロゼワインのおもな製法は「セニエ法」「直接圧搾法」「混醸法」の3種類があります。

オレンジワインの特徴

近年世界中で注目度が高まっているオレンジワイン。柑橘系を想わせる、淡いオレンジ色の見た目が特徴ですが、ブドウを原料に造られるれっきとしたワインです。

オレンジワインとは、白ブドウをまるごと使い、赤ワインと同じく果皮や種ごと発酵させたワインのこと。独特のオレンジ色は、白ブドウの果皮に含まれる色素に由来しています。

白ブドウの果皮にはアントシアニンが含まれていないため、赤い色素は抽出されませんが、白ワインのような香りと赤ワインのような渋味をあわせ持つ独特な味わいに仕上がります。

ブドウ品種による種類分け

ブドウ品種による種類分け

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ワインはブドウを原料に造られる醸造酒。その色合いや香り、味わいの個性は、使用するブドウの品種に大きく影響されます。収穫年や気候風土、生産者などによって違いはありますが、英語圏では、分類法のひとつとして定着しているので、ワイン選びのポイントとして押さえておきたいものです。

ここではワインの原料に使われるブドウ品種を赤ワイン用と白ワイン用に分けて紹介します。

<赤ワイン用のおもな黒ブドウ品種>
◇カベルネ・ソーヴィニヨン
◇ピノ・ノワール
◇メルロ(メルロー)
◇シラー(シラーズ)
◇ガメイ
◇カベルネ・フラン
◇マスカット・ベーリーA
◇ネッビオーロ
◇テンプラニーリョ

<白ワイン用のおもなブドウ品種>
◇シャルドネ
◇ソーヴィニヨン・ブラン
◇リースリング
◇ピノ・グリージョ
◇甲州

「ボディ」による赤ワインの種類分け

赤ワインのテイスティング

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「ボディ」とはアルコールとタンニンが織りなすコクや厚み、渋味、力強さなどを表す言葉で、おもに赤ワインに対して使われます。

濃厚なものから、「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」と呼び、赤ワイン選びの目安とされています。

◇フルボディ
タンニンが豊富で香りや味わいが濃厚な、ボリューム感のある赤ワインに使われる言葉。

◇ライトボディ
渋味や酸味が少なく、軽い口当たりのワインを指します。フルーティーで飲みやすいのも特徴。ボジョレー・ヌーヴォーもこのタイプに該当します。

◇ミディアムボディ
「フルボディ」と「ライトボディ」の中間にあたるのが「ミディアムボディ」。渋味や酸味がほどよく、バランスのよいワインです。

甘口? 辛口? ワインの残糖分による白ワインの種類分け

白ワインの種類分け

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「白ワインの特徴」でも軽く触れましたが、白ワインの味わいを表現するときにもっともよく使われるのが「甘口」「辛口」の分類です。

白ワインの甘口・辛口の違いは、ワインに含まれる残糖量にあります。

◇甘口
ブドウ由来の残糖量が多いワイン。早い段階で発酵を止めるため、辛口に比べてアルコール度数はやや低めが主流。

◇辛口
ブドウ由来の残糖量が少ないワイン。発酵が進むほど残糖量は少なくなり、甘さが少ない辛口のワインになります。また、甘口に比べてアルコール度数は高くなる傾向があります。

「甘口」「辛口」以外にも「やや甘口」「やや辛口」「極甘口」などがありますが、これらの種類分けには世界統一ルールが存在しません。ワイン選びの目安程度にとらえておいがほうがよいかもしれません。

なお、スパークリングワインの場合は、製品1リットルあたりの残糖量によってタイプが細かく分類され、ラベルに記載できる名称が変わってきます。

新世界? 旧世界? ワイン産地による種類分け

フランスのブドウ畑

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ワインは産地によっても特徴が大きく異なります。というも、国や地域によって気候風土や食文化、ブドウ品種やワイン法、生産者ごとの栽培方法や醸造方法などが異なるからです。

ここでは、ワインの産地を「旧世界」と「新世界」に分けて紹介します。

「旧世界(オールドワールド)」と呼ばれるワイン産地

「旧世界」とは、古くからワイン造りが伝統的に行われてきた生産国を指す言葉。比較的新しいワイン生産国を「新世界」と呼ぶようになり、それと対比する呼び名として使われています。

以下に挙げるのは、旧世界のおもな産地です。

◇フランス
◇イタリア
◇スペイン
◇ドイツ
◇ポルトガル
◇オーストリア


「旧世界」におけるワイン造りの歴史は紀元前に始まったとされ、現在も伝統的な製法が活かされています。それぞれのワイン生産国のなかでも産地ごとに異なる伝統が息づき、その土地その土地のテロワールに合わせたワイン造りが継承されています。

チリの国旗とワイン

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「新世界(ニューワールド)」と呼ばれるワイン産地

ワイン伝統国を表す「旧世界」と、もう一方が「新世界」。おもに16世紀以降にワイン造りがスタートした歴史の浅い生産国を指し、日本もこちらに含まれます。

「新世界」に分類されるおもな生産国をみていきましょう。

◇日本
◇アメリカ
◇チリ
◇オーストラリア
◇ニュージーランド
◇アルゼンチン
◇南アフリカ
◇中国
◇インド
◇タイ


新世界は旧世界に比べて製法の自由度が高いためワインのバリエーションが豊富で、コストパフォーマンスがよいのが魅力です。近年は質のよいワインも増えているので、飲み比べがますますたのしくなりそうですね。

ここで紹介した種類分けに価格要素を組み合わせると、気分にぴったりの1本をチョイスしやすくなります。また、最近増えている「オーガニック」「自然派」「無添加」などを集めたコーナーにも注目したいですね。

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