ワインの「フルボディ」ってどういう意味?

ワインの「フルボディ」ってどういう意味?
出典 : Rostislav_Sedlacek

「フルボディ」のワインとは、香りや味わいが濃厚で、重厚感のあるワインのことです。ずっしりと飲みごたえのある味わいは、多くのワイン愛好家に愛されています。ここでは、「フルボディ」のワインの特徴や魅力、たのしみ方のポイントを紹介します。

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ワインの「フルボディ」とは?

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赤ワインのラベル表示などで、「フルボディ」という表現を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。「フルボディ」の赤ワインとはどのようなワインか、「フルボディ」以外のワインも含め、特徴を知っておきましょう。

「フルボディ」のワインとは?

「フルボディ」とは、香りや味わいが濃厚でコクが深く、ボリューム感のあるワインを指す言葉です。一般に赤ワインの味わいなどを表現する際に用いられます。

「フルボディ」の赤ワインはタンニンが豊富で、渋味が強く、複雑な味わいのものが多くなっています。また、ワイン自体も濃く深みのある色合いをしている傾向があります。

ずっしりとした重厚感があり、飲みごたえのある「フルボディ」の赤ワインは、多くのワイン愛好家に愛される味わいといえるでしょう。

「フルボディ」以外のワイン

赤ワインには、「フルボディ」のほかに、「ライトボディ」「ミディアムボディ」と呼ばれるワインもあります。

「ライトボディ」は、口当たりが軽く、フレッシュでフルーティーなワインです。すっきりとして飲みやすく、ワイン初心者にも挑戦しやすいワインといえるでしょう。

「ミディアムボディ」は、「フルボディ」と「ライトボディ」の中間にあたるワインです。ほどよい渋味や重厚さが感じられるバランスのよいワインで、料理にも合わせやすいのが特徴です。

「ボディ」とは?

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前述のとおり、「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」という表現は、一般的には赤ワインに多く用いられます。「ボディ」は直訳すると「身体」「肉体」「胴体」などを意味しますが、ワインを表現する際には香りや味わいなどの「強さ」や「深さ」、「複雑さ」を意味するものとして使用されています。

元来、ワインの味わいを表すのに、「男性的な」「女性的な」といった性別による表現が用いられていましたが、ワインの味わいの複雑さを表すのに適していて、利便性のよいことから、次第に「ボディ」という表現が広がってきたといわれています。

なお、ワインを「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」に分類するにあたっては、明確な決まりがあるわけではありません。そのため、表示基準もメーカーなどによって異なります。

「ボディ」を決める要素

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赤ワインのボディを決めるおもな要素としては、アルコール度数、使用されるブドウ、熟成に使われる樽が挙げられます。順に見ていきましょう。

アルコール度数

赤ワインのボディを決める要素のひとつが、アルコール度数です。一般的に、アルコール度数が高いほどコクのあるワインになります。また、アルコール度数が高い赤ワインはしっかりと時間をかけて発酵されているため、タンニンや色素も多く抽出されている傾向があります。

そのため、「フルボディ」の赤ワインには、アルコール度数が高いものが多いのが特報です。厚生労働省の発表によるワインのアルコール度数の目安は約12% なのに対し、「フルボディ」に分類される赤ワインは13~14%程度のものが多くなっています。

とはいえ、アルコール度数の高いワインがすべて「フルボディ」になるとは限りません。また、アルコール度数が低くても、しっかりとした「フルボディ」の味わいを持つワインもあります。

使用されるブドウ

使用されるブドウの品種も、赤ワインの「ボディ」を決める要素のひとつです。一般的にはタンニンを多く含み、果皮の厚いブドウ品種で造られたワインが「フルボディ」になりやすいといわれています。

「フルボディ」の赤ワインに用いられているおもな品種には、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルローなどがあります。

なお、ブドウの収穫時期や醸造方法などによってもワインの味わいは変わるため、品種だけで「ボディ」が決まるわけではありません。

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熟成に使われる樽

ワインは発酵後に熟成を行いますが、熟成に使われる樽の素材や熟成期間の長さなども、「ボディ」を決める要素となっています。ワインを木製の樽に入れて熟成すると、木の成分によって複雑な風味や特有のコク、「樽香」と呼ばれる香りが得られます。

一般的に、「フルボディ」の赤ワインは、木製の樽で長期熟成されたものが多くなっています。一方、さわやかな味わいが特徴の「ライトボディ」の新酒などでは、樽熟成は行われません。

また、樽熟成以外に、ステンレスタンク等に入れて熟成することもあります。ステンレスタンクによる熟成ではブドウ本来の果実味が引き出されやすいため、フレッシュさが魅力の白ワインなどによく用いられています。

「フルボディ」のワインの魅力

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ここでは「フルボディ」の赤ワインの魅力や味わいの特徴を見ていきましょう。

「フルボディ」のワインが愛好家に支持される理由

「フルボディ」の赤ワインは、ワイン愛好家に好まれる傾向がありますが、その理由はどこにあるのでしょうか?

「フルボディ」と表現される、濃厚でふくよかな味わいが魅力なのはもちろんですが、それだけではないでしょう。デキャンタージュしたり、スワリング(グラスを回す)したり、あるいは熟成させたりすることで生じる味わいの変化は、ワインの醍醐味のひとつ。

「フルボディ」の赤ワインは、そうした変化がとくに大きいものが多いため、ワイン通を喜ばせてくれるようです。

「フルボディ」のワインの味わい

「フルボディ」の赤ワインは、渋味が豊富で果実味の強い黒ブドウを使い、果皮や種を取り除かずに造られたワインです。ワインの渋味成分であるタンニンが豊富なため渋味が強く、コクのある濃厚な味わいが大きな魅力です。

また、タンニンは植物に含まれるポリフェノールの一種で、近年、その健康への効果が注目されています。果皮や種ごと造られるフルボディの赤ワインは、ポリフェノールがたっぷりと含まれているのも魅力といえるでしょう。

なお、「フルボディ」の赤ワインは冷やしすぎるとタンニンの渋味が強調される傾向があるため、16~18度程度が飲みごろの温度とされています。

「フルボディ」のワインは赤ワインだけでなく白ワインも!

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白ワインの味わいも「ボディ」という言葉で表現されることがあります。白ワインにおける「ボディ」の使い方を確認しましょう。

「ボディ」は白ワインにも使われる

「ボディ」という言葉は、ワインの世界では比較的、近年になって登場したものです。もとは赤ワインに使われていましたが、それまで用いられてきた「甘い/辛い」「男性的/女性的」といった表現に比べて香りや味の深さ、奥深さ、繊細さなどの複雑な魅力を表現できることから、白ワインにも用いられるようになりました。

なお、「ボディ」は、ビールや日本酒の表現にも使われています。

「フルボディ」の白ワインとはどんな味わい?

一般的に、白ワインは「辛口」や「甘口」などで表現されることが多いですが、「ボディ」を用いることで、より複雑な味わいを表現できるといえます。

たとえば、芳醇な香りを持ち、しっかりとした果実味があってアルコール度数も高めの白ワインは「フルボディの白ワイン」、軽いさわやかな香りで、さっぱりした口当たりの白ワインは「ライトボディの白ワイン」と形容できます。

白ワインの「ボディ」は、赤ワインと同様に、色合いや色の濃さでも推測できます。たとえば、濃い黄色がかった色であれば「フルボディ」、淡い緑色がかった色なら「ライトボディ」というわけです。

色味に差があるのは、原料の白ブドウ品種の種類や熟し具合、熟成方法などによってワインの外観が違ってくるからです。

フルボディのワインをたのしむポイント

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濃厚な味わいの「フルボディ」のワインは、ひと工夫することでいっそうおいしく飲むことができます。ここでは、「フルボディ」のワインをたのしむポイントを紹介します。

「フルボディ」のワインをデキャンタージュすると?

「フルボディ」のワインはそのままでもおいしくいただけますが、デキャンタージュすることで味わいの劇的な変化がたのしめます。

デキャンタージュとは 、一般的には、「デキャンタ」と呼ばれる専用の容器などに、ボトルからワインを移し替えること。その際に、ワインをしっかり空気に触れさせることで、渋味を和らげ、香りや味に変化をもたらします。また、ワインボトルの底にある澱(おり)を取り除くことで、ワインの雑味を取り除き、舌触りをよくする効果もあります。

「フルボディ」のワインほど、こうした変化がはっきりとたのしめるので、ぜひ、試してみてください。

「フルボディ」のワインをたのしむマリアージュ

「フルボディ」のワインをたのしむ際は、マリアージュも意識したいものです。マリアージュとは、ワインと料理の組み合わせ(ペアリング)によって生まれる、新たな味わいのこと。マリアージュの見つけ方には、ワインと料理の色を合わせる、産地を合わせる、重さ(ボディ)を合わせるなどの方法があります。

一般的に、赤ワインには牛肉やラム肉料理など濃い色合いの食材や味つけの料理、白ワインには白身魚や鶏肉など淡い色の食材や、あっさり系の味わいの料理が好相性といわれます。

たとえば、「フルボディ」の赤ワインと相性バツグンといわれるのが、ステーキやハンバーグなどの濃厚な肉料理。豊富なタンニンが、お肉をよりおいしく感じさせ、お肉がワインをさらにおいしくしてくれます。また、フランス産のワインなら、フランス料理やフランス産のチーズ、チョコレートなどが好相性です。

とはいえ、これらはあくまで一例です。赤ワインでもライトなものにはあっさりした料理、重めの白ワインには濃厚な味つけの料理が合う場合もあり、ワインによってマリアージュは千差万別。いろいろ試してみて、自分なりのおいしいマリアージュを見つけてみてはいかがでしょう。


「フルボディ」のワインは、香りや味わいが濃厚で飲みごたえのあるワインです。デキャンタ―ジュをして味わいの変化を試したり、マリアージュを意識して食事に合わせたりしながら、じっくりと味わってみてくださいね。

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