ワインには「賞味期限」がない?未開封・開封済みで違いはある?飲みごろの目安と適切な保存方法も確認

ワインには「賞味期限」がありませんが、おいしく味わうことができる「飲みごろ」はあります。ここでは、ワインに賞味期限やその記載がない理由、ワインの種類ごとに、飲みごろの目安やワインのおいしさを保つための保存・保管方法について紹介します。
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ワインに「保存期限」がない理由から確認していきましょう。
ワインに賞味期限の記載がないのはなぜ?

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ワインのラベルには、おいしく味わえる期限を表す「賞味期限」や、安全に味わえる期限を表す「消費期限」が記載されていません。なぜ記す必要がないのでしょうか。ワインの賞味期限にまつわる疑問をひとつずつ、ひも解いていきましょう。
ワインには「腐る」という概念がない
ワインに賞味期限がないのは、ワインが酸性でアルコール分を含んでいるため、腐敗することがないから。ワインはできた瞬間から少しずつ熟成を続け、瓶詰めをされたあとも時間の経過とともに瓶内でゆっくりと熟成していきます。なかには、瓶のまま長期熟成させたからこその、豊かに変化する香りや味わいが魅力になるワインも存在します。
ワインのこのような性質から、「賞味期限」や「消費期限」の記載がないのです。
ワインには賞味期限はないが飲みごろはある
ワインには「賞味期限」がないため、適切な保管・保存方法で品質が保たれていれば、何年経っても飲むことができます。といっても、これはあくまで“理論上”の話。「賞味期限」が記されていないワインでも、おいしく飲むのに適したタイミング、いわゆる「飲みごろ」はあります。
ワインは瓶詰めされて出荷されたあとも熟成が続きますが、いつ飲みごろを迎えるかは、ブドウの品種や造り方、ヴィンテージなどによって異なります。瓶詰めから2〜3年で飲みごろを迎えるワインもあれば、10年、20年、あるいは50年以上の年月を経て芳醇な味わいになるものもあります。
なお、飲みごろを過ぎたワインは「ピークを過ぎた」「枯れた」「酸化した」といった言葉で表現され、味わいが劣化していきます。そのため、ワインを最高の状態で味わうには、そのワインの飲みごろを逃さないことがとても大切です。
未開封(未開栓)ワインの飲みごろの目安

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ワインの飲みごろは、ブドウの品種や糖度・酸度、収穫年、保存方法などさまざまな要因に左右されるため、プロでも判断が難しいといわれていますが、大まかな目安は存在します。
飲みごろの目安は「早飲みタイプ」か「熟成タイプ」かによって異なる
飲みごろの目安は、ワインが「早飲みタイプ」か「熟成タイプ」かによっても異なり、どちらのタイプかは、ワインに含まれるタンニンの量によって大別されます。
◇早飲みタイプ
フレッシュさを味わうために造られるワイン。デイリーワインやテーブルワインと呼ばれるもので、ボジョレーヌーヴォーなどもこのタイプに分類されます。
このタイプのワインは、お店に並んでいる時点で飲みごろを迎えているので、購入後はすぐにたのしめます。
◇熟成タイプ
ゆっくりと熟成させることで風味の変化をたのしめるワイン。高級ワインの多くはこのタイプです。
以上のことを念頭に、未開封のワインについて、タイプ別に飲みごろの目安をみていきましょう。

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白ワインの場合
フレッシュさが魅力の早飲みタイプの白ワインは、購入後なるべく早めに飲むのがおすすめ。未開封でも時間とともにさわやかな味わいが薄れてしまう可能性があるため、製造から1〜2年を飲みごろとしてみておくとよいでしょう。
シャルドネ種など樽熟成で造られる白ワインや、糖分を多く含む甘口ワインなどは、熟成向きといわれています。このタイプの白ワインは、寝かせることでおいしさが際立ち、およそ3~20年で飲みごろを迎えるといわれています。
赤ワインの場合
多くの国産ワインや熟成タイプではない軽めの赤ワインは、瓶詰めから2〜3年以内が飲みごろといわれています。早飲みタイプのなかでもボジョレー・ヌーヴォーのようなフレッシュさが魅力の赤ワインは購入したときが飲みごろなので、なるべく年内に、遅くとも翌年の春までには飲みきりましょう。
熟成タイプの赤ワインの場合は5〜10年程度、ヴィンテージのよいものなら50年やそれ以上の長期にわたって熟成させるものもあります。

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ロゼワインやスパークリングワインの場合
ロゼワインの多くは早飲みタイプ。なかでも透明感のあるロゼワインの飲みごろは、早飲みタイプの白ワインと同様、なるべく早くというのが基本です。ロゼワインはその色味を見せるため、多くの場合、透明の瓶が使われます。紫外線にさらされると劣化が進みやすくなるため、長くても3年以内に飲みきることをおすすめします。
スパークリングワインも、基本的には熟成向きではありません。シャンパーニュをはじめとする一部の高級ワイン以外は、瓶詰めから1〜2年以内に飲んだほうがよいでしょう。
未開封なら10年以上経ったワインも飲める?

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未開封なら10年以上経ったワインも飲めるのでしょうか。結論からいうと、瓶詰めから時間が経過したワインが飲めるかどうかは、ワインの種類や保管・保存状態に依存します。
ワインには賞味期限がないので、瓶詰めから10年以上経ったワインも飲める可能性はあります。熟成タイプの上質なヴィンテージワインなら、20年以上経って飲みごろを迎える場合もあり、なかには、100年経ってもおいしく飲める希少なワインも存在します。
ただし、「賞味期限」とは、未開封で、ラベルなどに書かれた保存方法を守っていた場合の、おいしくたのしめる期限のことなので、開封後のワインや適切な保存方法が守られていないワインは、瓶詰めから年月が経っても飲めるとはいえません。
また、10年前のワインが飲めたとしても、おいしく味わえるかどうかも別の話。なぜならワインは光や温度・湿度変化、振動、酸化などに弱く、購入後はもちろんですが、輸送や保管段階でも劣化のリスクがゼロではないからです。
先述したように、ワインには早飲みタイプと熟成タイプがあり、早飲みタイプのワインは熟成向きには造られていません。
一般的に、酸味や渋味が強いワインや、糖分を多く含むワイン、アルコール度数が高いものなどが長期熟成向きといわれています。白ワインなら、酸の高いものや、糖を多く含む甘口ワイン、赤ワインなら渋味成分であるタンニンが豊富なワインが熟成向きといえるでしょう。
開封後のワインの飲みごろの目安

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ワインは開封後、空気に触れるため酸化して劣化が進んでいきます。一度開封したワインは、なるべく早く飲みきるということは念頭においておきましょう。
白ワインは甘口、辛口かによって多少違いがあります。辛口の白ワインは3日から5日以内には飲みきりましょう。糖度の高い甘口のワインなら、1週間はおいしくたのしめそうです。極甘口なら、約1カ月もつ場合も。
赤ワインの場合、渋味や酸味が強めのライトボディなら開封後3〜5日での飲みきりをおすすめします。フルボディからミディアムボディなら、開封後、酸素に触れて少し時間をおいたほうが、味がまろやかになり飲みやすくなることもあります。こちらは少し時間が経っても劣化は感じにくいですが、それでも1週間を目安に飲みきるようにしましょう。
以上は、適切な環境で保存した場合の目安です。念のため、おいしさを保つための保管・保存方法も確認しておきましょう。
ワインのおいしさを保つための保管・保存方法

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ワインのおいしさを大きく左右する要素に、未開封時の保管方法や、開封後の保存方法が挙げられます。
熟成向きのワインでも、保管・保存状態が悪いと品質が劣化し、飲みごろを迎えてもおいしく味わえないことがあります。上質なヴィンテージワインも、光や温度・湿度変化、空気中のにおいや振動といった要因で変質してしまう可能性があるので、適切な方法で保管・保存を行いましましょう。
開封前のワインを自宅で保管する場合は、床下収納や押し入れなど温度変化の少ない冷暗所にボトルを横に寝かして保管します。長期保管する場合は、光を遮り、温度や湿度の管理ができるワインセラーの使用がおすすめです。
開封後のワインは、冷蔵庫や冷暗所でボトルを立て保存します。その際、ワインが空気に触れないよう、ワインストッパーなど専用のグッズを使うのが、酸化を遅らせるポイントになります。
ワインの適切な保管方法については、以下の記事も参考にしてください。
ワインには「賞味期限」がありませんが、おいしく味わうためにも「飲みごろ」は押さえておきましょう。購入後は適切に保管し、ワインの種類やタイプごとに最適なタイミングで味わいたいものですね。
