「ファジーネーブル」とはどんなカクテル? カクテル言葉や度数、おいしい作り方を紹介

「ファジーネーブル」とはどんなカクテル? カクテル言葉や度数、おいしい作り方を紹介
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「ファジーネーブル」は、ピーチリキュールとオレンジジュースで作るカクテルです。今回は「ファジーネーブル」という名前の意味やアルコール度数、気になるカロリー、おいしく作るコツ、おすすめのピーチリキュール、バリエーションなどについて紹介します。

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「ファジーネーブル」は、おしゃれなバーやダイニング、居酒屋など幅広いシーンでたのしまれ、家でもかんたんに作れるカクテル。人気の秘密をさまざまな角度から見てみましょう。

「ファジーネーブル」はピーチリキュールとオレンジジュースで作るカクテル

桃のリキュールとオレンジジュースで作るファジーネーブル

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桃由来の風味や甘味が特徴のピーチリキュールにオレンジジュースを加えれば、人気のカクテル「ファジーネーブル」のできあがり。ひとくち飲むとフレッシュな桃の香りとふくよかな甘さ、オレンジジュースのさわやかな酸味が口の中に広がって、それは心地よい味わいです。

ファジーネーブルは強いアルコール感が苦手な人も飲みやすく、「甘いカクテルが好き」という人にはとくにおすすめのカクテルです。

シェイカーなどの特別な道具は不要、材料を混ぜるだけで作れるのも大きな魅力。家飲みはもちろん、キャンプなどのアウトドアイベントでも気軽にたのしめます。

「ファジーネーブル」という名前に込められた意味

「ファジー」とは桃の産毛

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「ファジーネーブル(fuzzy navel)」という不思議なカクテル名にはどんな意味があるのでしょうか?

「ファジーネーブル」の名前の由来には諸説あり

「fuzzy」の「fuzz」とは「産毛(うぶげ)」や「綿毛(わたげ)」「けば」のことで、桃の果実の表面を覆っている細かな毛のことを「peach fuzz」と言ったりします。
「fuzzy」にはこうしたニュアンスから生まれたと思われる2通りの意味があり、ひとつは「産毛のような」「けばだった」「ふわふわした感じ」。もうひとつが「ぼやけた」「はっきりしない」「曖昧な」という意味です。

一方で「navel」は、本来「ネーブルオレンジ(navel orange)」のことですが、この場合は、オレンジ一般を指す代名詞として使われているようです。

ファジーネーブルというカクテル名の由来には諸説ありますが、
◇ふわふわした産毛のある桃と、オレンジを合わせたカクテルであること
◇桃とオレンジ両方の味が混じり合って境界線がfuzzy(曖昧)な味わい

といった説が有力です。

ちなみに、ピーチリキュールとオレンジジュースで作る「ファジーネーブル」に、アルコール度数の高いウォッカを足してドライな味わいにしたカクテルを「へアリーネーブル」と呼びます。「fuzzy(産毛)」が「hairy(毛深い)」に変わる、おもしろいネーミングの一例ですね。

マティーニのカクテル言葉は「知的な愛」

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「ファジーネーブル」のカクテル言葉は?

花に花言葉があるように、多くのカクテルにはカクテル言葉がつけられています。カクテルの王様といわれるマティーニは「知的な愛」、カクテルの女王マンハッタンは「切ない恋心」、ジントニックは「強い意志、いつも希望を捨てない貴方へ」、カシス・ソーダは「貴方は魅力的」などなど。

しかしながら、「ファジーネーブル」にはまだ一般に普及しているカクテル言葉がないようです。
1800年代の半ばから1900年代の初頭くらいに誕生したスタンダードとされているカクテルの多くにはカクテル言葉が存在しますが、比較的新しく考案され、一気にメジャーになったファジーネーブルのようなカクテルには、カクテル言葉が存在しないケースもあるようです。

今後もっと歴史を重ねていくなかで、ファジーネーブルにもいつかカクテル言葉が生まれるのかもしれません。

「ファジーネーブル」の作り方

ピーチリキュールとオレンジジュールの割合は1:3〜1:4

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「ファジーネーブル」の作り方は、とてもシンプルです。

<材料>
◇ピーチリキュール…40ミリリットル
◇オレンジジュース…160ミリリットル
◇氷

<作り方>
1.氷を入れたグラスにピーチリキュールを入れる
2.オレンジジュースを注いで軽く混ぜる

※ピーチリキュール:オレンジジュースの割合は、1:2から1:5くらいまでお好みで調節してください。

ファジーネーブルをよりおいしくするコツ

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「ファジーネーブル」をおいしく作るコツ

シンプルな材料でかんたんに作れるのが「ファジーネーブル」の魅力ですが、よりおいしくするためのこだわりポイントをいくつか紹介します。

◇オレンジジュースにこだわる
一般的に、ファジーネーブルには市販の果汁100パーセントのオレンジジュースを使います。同じ果汁100パーセントでも濃縮果汁還元タイプやストレート果汁タイプなどメーカーやブランドによって意外と味わいが異なるので、好みのもので作りましょう。

より贅沢に仕上げるなら、おすすめは生のオレンジを搾ったフレッシュオレンジジュースで。手間と時間はかかりますが、搾りたてのオレンジジュースで作るファジーネーブルは格別です。

◇氷にこだわる
桃とオレンジの繊細なハーモニーを追求するなら、氷はコンビニやスーパーで手に入る割り氷を使うのがベターです。不純物の取り除かれた市販の氷は溶けにくく、カクテルがすぐに水っぽくなってしまうのを防ぐ効果も期待できます。

◇グラスを冷やす
作りたてのおいしさ、冷たさを長く保つため、グラスは冷凍庫でしっかり冷やしておきましょう。冷凍庫のスペースに余裕がなければ、グラスにたっぷり氷を入れ、マドラーなどで内側に氷を添わせるようにくるくる回してグラスを冷やす方法もあります(氷が溶けた分の水はリキュールを入れる前に捨てましょう)。

「ファジーネーブル」の材料のひとつ、ピーチリキュールとは?

桃の果実や果汁から作られるピーチリキュール

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「リキュール」とは、ベースとなる蒸溜酒に果物やハーブ、スパイス、花などの風味・香味をつけ、さらに砂糖やシロップなどの甘味や着色料などを加えたお酒のこと。日本の酒税法では「酒類と糖類等を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの」が「リキュール類」とされています。

リキュールは香りや風味づけに使う材料によって
◇フルーツの果肉・果皮・果汁を使う「果実系」
◇草根木皮を主原料とする「香草・薬草系」
◇カカオやコーヒー、ナッツなどの「種子系」
◇クリームやミルク緑茶、卵黄などの「特殊系」

の4つに大別されます。

「ファジーネーブル」に使われるピーチリキュールは果実系リキュールの一種。製法は多様で、独自のノウハウで桃果汁を蒸溜したり、桃の果実を浸漬したり、桃のエッセンスや果汁をブレンドしたりするなど、造り手によってさまざまな工夫が凝らされています。

桃独特の芳醇な香りや甘味を感じられるピーチリキュールは、カクテルやソーダ割りのベースとしてはもちろん、洋菓子の風味づけや料理の隠し味としても人気。紅茶に少し垂らしてピーチフレーバーティーに変身させたり、アイスクリームやかき氷、ヨーグルトにそのままかけてピーチシロップ風にたのしむこともできます。

「ファジーネーブル」誕生のきっかけはデカイパー社の「ピーチツリー」

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「ファジーネーブル」誕生のきっかけはデカイパー社の「ピーチツリー」

人気のカクテル「ファジーネーブル」は、オランダで300年以上の歴史を持つリキュールメーカー「デカイパー(De Kuyper)」社の「オリジナル・ピーチツリー」という桃のリキュールから生まれました。

1980年代初頭、アメリカでデカイパー社のフレーバー開発を担当していた人物が、庭でたわわに実った桃にインスパイアされて創りあげたのが、みずみずしい桃の味わいを堪能できる「オリジナル・ピーチツリー」です。

1984年に「オリジナル・ピーチツリー」が発売されると、有力なバーテンダーがこの新しいリキュールとオレンジジュースを混ぜ合わせたカクテル「ファジーネーブル」を考案。甘くフルーティーでアルコール度数が低く、親しみやすいファジーネーブルは、その後多くのバーテンダーのレパートリーとして定着しました。

デカイパー社「オリジナル・ピーチツリー」

世界中で愛飲される「オリジナル・ピーチツリー」

出典:キリンホールディングス株式会社ホームページ

「ファジーネーブル」誕生のきっかけとなった「オリジナル・ピーチツリー」は発売1年目から100万ケース以上という驚異的な売上を記録。今では世界中で愛されているピーチリキュールの草分け的存在。桃そのものの豊かな香りと、上品ですっきりとした甘味を堪能できます。
※原産国:オランダ
※アルコール度数:20度

国内販売元:キリンビール株式会社
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ほかにもある! ピーチリキュールのおすすめ銘柄

ファジーネーブルのベースとなるピーチリキュールには、たくさんの銘柄があります。ブランドによって材料となる桃の種類も製法も異なり、甘さや香り、アルコール度数も千差万別。ぜひいろいろ試してみてください。

◆ルジェ クレーム ド ペシェ

フランス産のルジェ クレーム ド ペシェ

出典:サントリー株式会社ホームページ

「ペシェ」とはフランス語で「桃」のこと。南フランス産の桃を使ったさわやかな香りとコクのある甘味で人気を集める、日本でも定番のリキュールです。
※原産国:フランス
※アルコール度数:15度

国内販売元:サントリー株式会社
公式サイトはこちら

◆ボルス ピーチ

オランダ産のボルス ピーチ

出典:アサヒグループホールディングスホームページ

オランダの老舗メーカー、ボルス社の伝統を受け継ぐ逸品。甘くフレッシュな桃のフレーバーに、ほのかな柑橘系のニュアンスを感じられるのが特徴です。
※原産国:オランダ
※アルコール度数:17度

国内販売元:アサヒビール株式会社
公式サイトはこちら
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◆ジャパニーズクラフトリキュール奏Kanade

国産白桃のクラフトリキュール奏 白桃

出典:サントリー株式会社ホームページ

国産の白桃をまるごと漬け込んだ浸漬酒と白桃果汁を匠の技でブレンド。白桃ならではの甘く華やかな香りと芳醇な味わいを凝縮したようなおいしさです。
※原産国:日本
※アルコール度数:20度

製造元:サントリー株式会社
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「ファジーネーブル」のアルコール度数とカロリーはどのくらい?

ファジーネーブルのアルコール度数は比較的低め

stockphoto-graf / Shutterstock.com

「ファジーネーブル」は甘くて口あたりがよく、ついおかわりしたくなるカクテルだけに、アルコール度数やカロリーも気になります。

おしゃれなバーなどでは、長めのタンブラーやコリンズグラス(ゾンビグラス)で提供されることの多いファジーネーブル。ここではそういったグラスファジーネーブルを作った場合(※)のアルコール度数やカロリーを見てみましょう。
※ピーチリキュールとオレンジジュースの割合を1:4、総量200ミリリットルで算出

まずはアルコール度数から。
市販のピーチリキュールのアルコール度数はおおよそ15〜20度くらいなので、上の量で作ったファジーネーブルのアルコール度数は3〜4度くらいになります。一般的なビールよりは低く、アルコール度数が低めに設定された缶チューハイと同程度です。

次にカロリーです。
市販のピーチリキュールのエネルギーは100gあたり196〜231キロカロリーくらい。一方、文部科学省が発表している「日本食品標準成分表」によると、オレンジジュースのエネルギーは100グラムあたり45キロカロリーなので、上の量で作ったファジーネーブルのエネルギーは150〜164キロカロリー程度となります。

同じ量を飲むなら日本酒よりはカロリーが低く、ビールよりは高く、白ワインと同じくらいのカロリーということになります。

「ファジーネーブル」が好きな人におすすめのカクテル

ファジーネーブルのリキュールを替えたおすすめカクテル

Yuliia Kononenko / Shutterstock.com

「ファジーネーブル」のベースとなるリキュールを別のお酒に替えたアレンジバージョンをいくつか紹介します。どれも作り方はかんたん。ベースのお酒をオレンジジュースで割るだけのシンプルなレシピです。

カシスオレンジ

カシスリキュールとオレンジジュースで作るカシスオレンジ

Pixel-Shot / Shutterstock.com

ファジーネーブルのピーチリキュールをカシスリキュールに替えると、甘くておいしい「カシスオレンジ」になります。こちらもファジーネーブル同様、多くのバーやダイニング、居酒屋で人気のカクテルです。

カシスリキュールの解説とカシスオレンジの詳しい作り方はこちら。

ミモザ

シャンパンとオレンジジュースで作るミモザ

5PH / Shutterstock.com

シャンパン(またはスパークリングワイン)とオレンジジュースで作るさわやかな飲み口のカクテル。かつては「シャンパン・ロ・ランジュ」と呼ばれ、上流社会で愛飲されていたそう。

ミモザのレシピやおいしい作り方はこちら。

スクリュードライバー

スクリュードライバーはウォッカをオレンジジュースで割ったカクテル

Micaela Fiorellini / Shutterstock.com

オレンジジュースにウォッカを加えて作るカクテル「スクリュードライバー」。オレンジジュースそのものの甘味と酸味をたのしめるためジュース感覚で飲んでしまいがちですが、ウォッカのアルコール度数は高めなので、飲み過ぎには注意しましょう。

スクリュードライバーのちょっとしたトリビアや詳しいレシピはこちら。

「ファジーネーブル」は、お酒を飲み始めたばかりの人やアルコールの強い刺激が苦手な人も飲みやすいフルーティーなカクテルです。ピーチリキュールが手に入ればあとはオレンジジュースだけで作れるので、ぜひ試してみてください。

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