カクテル作りに欠かせない氷選びのコツ
自宅でカクテルづくりをするときに悩むのが、氷問題。わざわざ市販の氷を買ってくるのも面倒だし…、でも、冷蔵庫の小さな製氷機で作った氷では味気ない気がしませんか? 今回は、カクテルと氷のエピソードを紹介します。
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氷を使ったカクテルの誕生
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カクテルと氷の文化は12世紀頃から始まったと言われています。当時は製氷技術がなかったため、川や湖に張った氷を使い、ワインやスピリッツに薬草を混ぜた「カクテルらしきもの」を作っていたようです。
その後、カクテルのレシピに氷が本格的に取り入れられたのは19世紀のこと。これは、1879年に製氷機が誕生したからです。たとえば、カクテルの王様と呼ばれるマティーニも、安定的に氷が供給できるようになってから誕生したと言われています。
やわらかい氷はカクテルの味を落とす
カクテルに使われる氷の種類はさまざまです。ここでは、一般的な氷の分類を見てみましょう。
◆ランプ・オブ・アイス…オン・ザ・ロックやオールドファッショングラスで作るカクテルに使います。握りこぶし大の大きさです。巨大な氷をアイスピックで削って作ります。
◆クラックド・アイス…シェークやステア、ビルド(いずれも材料をかき混ぜる方法)で作るカクテルに使います。およそ直径3~4cm程度の大きさです。大きな氷の塊をアイスピックで砕きます。
◆キューブ・アイス…タンブラーやコリンズ・グラスへ注ぐカクテルに使います。市販の製氷機で作るもので、直径3cm程度の大きさです。
◆クラッシュド・アイス…クラックド・アイスやキューブ・アイスを細かく砕いた氷です。アイス・クラッシャーで作るのが一般的ですが、アイスピックで砕くこともあります。
自宅でカクテルを作る場合、キューブ・アイスを選ぶケースは少なくないと思います。このとき、氷がやわらかいとすぐに溶けてしまい、カクテルの味が落ちてしまいます。もし、中央に穴が開いている氷なら、本当においしいカクテルを作るのは難しいと覚えておいてください。
家庭用の冷凍庫でおいしい氷を作るコツ
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カクテルの氷選びにこだわるなら、大きめの氷を購入するのがよいでしょう。でも、家庭の冷蔵庫で固いキューブ・アイスを作ることもできます。ポイントは冷凍庫の温度設定です。
まず、ミネラルウォーターを用意しましょう(水道水でもOK)。氷は、冷凍庫の温度を上げたり、製氷皿をタオルで包むなどして、ゆっくりと凍らせること。時間をかけることで水から余計な成分が抜けるので、固い氷を作ることができます。
なお、水道水を使用してさらに氷の純度を上げるには、製氷皿内の水が3分の2くらい固まったら、不純物やミネラルを含む残りの水を捨てたうえで、水をつぎ足して凍らせる方法も純度を上げる方法として有効です。
氷のひと手間でカクテルはぐっとおいしくなる
カクテルとは切っても切り離せない氷。ただ、ふだんはなかなか意識していないのではないでしょうか。氷が変わるだけでぐっとカクテルがおいしくなるので、ぜひ氷づくりにこのひと手間を加えてみましょう。
参考
『新バーテンダーズマニュアル』 福西英三監修 花崎一夫・山﨑正信・江澤智美共著