意外と知られていない、日本酒と米焼酎の大きな違いを解説

意外と知られていない、日本酒と米焼酎の大きな違いを解説
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日本酒と米焼酎はどちらも日本人の主食であるお米から造られるお酒ですが、味わいや飲み方は大きく異なります。今回は、酒税法上の定義や製造方法、原材料、アルコール度数、カロリーや糖質量、飲み方などの観点から、日本酒と米焼酎の違いをみていきます。

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日本酒と米焼酎の酒税法上の違い

日本酒と米焼酎の酒税法上の違い

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日本酒と米焼酎の違いを知るには、それぞれの定義を確認する必要があります。まずは酒税法に定められた分類と定義をみていきましょう。

日本酒の定義

「日本酒」は、日本の酒税法で 「清酒」と表現されているので 、酒税法で定められた「清酒」の定義を検証していきます。

(日本酒(清酒)の定義)
次のような条件を満たす酒類で、アルコール分が22度未満のものを清酒といいます。

◇米、米麹および水を原料に発酵させ、こしたもの
◇米、米麹、水および清酒かす、その他政令で定める物品を原料として発酵させ、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(米こうじを含む。)の重量の100分の50を超えないものに限る。)
◇清酒に清酒かすを加えてこしたもの


政令で定める原料には麦、あわ、とうもろこし、きび、そのほかの酒類なども含まれ、種類や総量に細かい条件が設けられています 。

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米焼酎の定義

当然ながら米焼酎は焼酎の一種です。まずは焼酎全般の定義をみていきましょう。

(焼酎の定義)
焼酎は、アルコール含有物を蒸溜した酒類のうち、以下のいずれかの条件を満たし、かつウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、ジンなどに該当しないものと定義されています 。

◇連続式蒸溜機で蒸溜したもので、アルコール分36度未満
◇単式蒸溜機で蒸溜したもので、アルコール分45度以下


なお、連続式蒸溜機で蒸溜したものを「連続式蒸溜焼酎」、単式蒸溜機で蒸溜したものを「単式蒸溜焼酎」といい、一般的に、連続式蒸溜焼酎は「甲類焼酎(焼酎甲類)」、単式蒸溜焼酎は「乙類焼酎(焼酎乙類)」と呼ばれています。

単式蒸溜焼酎のなかでも、穀類や芋類およびこれらの麹、清酒粕、黒糖、または国税庁長官の定める49品目を原料に使用するなどの条件を満たしたものを「本格焼酎」といいます。

米焼酎は「単式蒸溜焼酎」に分類され、ラベルには「焼酎乙類」「本格焼酎」などと表記されます。熊本県の人吉球磨地方で造られ、一定の条件を満たした米焼酎は、ラベルに「球磨焼酎」と表記される場合もあります。

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日本酒と米焼酎の違い:製造方法

日本酒と米焼酎の違い:製造方法

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日本酒と米焼酎は、製造方法の違いによって異なるカテゴリに分類されています。

日本酒は醸造酒類

日本酒(清酒)は、酒税法上「醸造酒類」に分類されるお酒です。「醸造酒」とは、原料に酵母を加えてアルコール発酵させ て造られるお酒のこと。日本酒のほかにも、ワイン (果実酒)、ビールなどが醸造酒の仲間です。

米焼酎は蒸溜酒類

一方、焼酎は「蒸溜酒類」に分類されます。「蒸溜酒」とは、原料を発酵させ、さらに蒸溜して造られるお酒。蒸溜したての原酒のアルコール度数はとても高く、連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜して得られる甲類焼酎の原酒は、95度前後ともいわれています。市場に流通する焼酎の多くは、原酒に割り水を加えることで、アルコール度数が調整されています。

米焼酎は単式蒸溜機で蒸溜される単式蒸溜焼酎のひとつ。連続式蒸溜焼酎のように純度の高いアルコールを抽出することはできませんが、それでも蒸溜したての原酒の度数は43〜45度といわれています。

日本酒と米焼酎の違い:原材料

日本酒と米焼酎の違い:原材料

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日本酒と米焼酎はどちらも米と水、米麹を原料に造られるお酒ですが、米の品種や原料処理、麹造りに用いられる種麹の種類など、異なる点がいくつかあります。

米の品種と精米歩合

焼酎造りには食用米が使われることが多いのに対して、日本酒造りには食用米より粒の大きい酒造好適米を用います。日本酒では米は外側を削って使うのが一般的で、米を削って(磨いて)残った米の割合を表す「精米歩合」によって日本酒の味わいが変わります。

日本酒の原料米を磨くのは、米の表層に含まれるタンパク質や脂質などの成分が雑味の原因になるからです。精米歩合は40%、60%のようにパーセンテージで表示され、より磨かれた米ほど数値が小さくなります。一般的に、精米歩合の数値が小さいよく磨かれた米で醸した日本酒は華やかな香りとすっきりとした味わいに、精米歩合の数値が大きい日本酒は米の旨味が引き出された芳醇な味わいになるといわれています。

米焼酎も精米歩合85〜90%程度まで米を削って使いますが、そのタンパク質や脂質は旨味を引き出す成分になるため、日本酒ほど精米する必要はありません。

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種麹の種類

米麹を造る際、蒸した米に種麹を振りかけて麹菌を繁殖させます。
種麹には黄麹菌、黒麹菌、白麹菌の3種類があり、日本酒造りにはおもに黄麹菌が使われます。
一方、米焼酎造りでは、めざす酒質に応じて3種類の種麹を使い分けるのが一般的。黄麹仕込みの米焼酎は日本酒の吟醸酒のような華やかな香りと淡麗な味わいに、黒麹仕込みの米焼酎は濃厚なコクと旨味、芳醇な香りに、白麹仕込みの米焼酎はクセの少ないすっきりとした味わいの米焼酎に仕上がる傾向があります。

日本酒と米焼酎の違い:アルコール度数・カロリー・飲み方

日本酒と米焼酎の違い:アルコール度数・カロリー・飲み方

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日本酒と米焼酎の違いを、アルコール度数やカロリー、飲み方などの角度からみていきます。

日本酒と米焼酎のアルコール度数の違い

日本酒のアルコール度数は15〜16度が一般的。酒税法で「22度未満」と上限が設けられているため、22度を超えるものは日本酒として販売することはできません。

一方、米焼酎のアルコール度数は20度と25度が定番。梅酒などの果実酒やチューハイのベースに人気の35度のものや、酒税法で規定された上限度数に近い無加水の原酒なども流通しています。
米焼酎ではあまりみかけませんが、芋焼酎や麦焼酎のなかには仕込み水で前割りしてある12度程度の商品もあり、幅広い層の支持を集めています。

日本酒と米焼酎のカロリーや糖質の違い

飲酒時に気になるのが、カロリーや糖質の量。ここでは厚生労働省が提示する「健康日本21」の飲酒に関するガイドライン、「節度ある適切な飲酒」に示されている飲酒適正量の定義にもとづいて算出した数値をみていきます。

「成人男性の節度ある適度な飲酒=1日平均純アルコール20グラム程度」を参考にして割り出した、それぞれの適正飲酒量とカロリー、糖質は下記のとおりです。

◇日本酒(純米酒) /アルコール15.4度
飲酒適正量162ミリリットル、167キロカロリー、糖質5.8グラム

◇日本酒(本醸造酒)/アルコール15.4度
飲酒適正量162ミリリットル、174キロカロリー、糖質7.3グラム

◇本格焼酎/アルコール25度
飲酒適正量100ミリリットル、146キロカロリー、糖質0グラム

日本酒もさほどカロリーが高いわけではありませんが、気になるのは糖質です。焼酎が「糖質ゼロ」なのは、蒸溜工程で取り除かれてしまうから。糖質が気になる人は、日本酒よりも米焼酎を飲んだほうがよさそうです。

なお、上記の飲酒適正量は男性の場合。女性は男性の1/2~2/3程度が望ましいとされています。日本酒や焼酎を飲むときの目安にしてください。

日本酒と米焼酎の飲み方の違い

日本酒は冷やぬる燗、熱燗、冷酒など、さまざまな温度帯で味わうお酒。オン・ザ・ロックでたのしむこともありますが、基本的には水や氷で薄めずそのままいただきます。
一方米焼酎は、オン・ザ・ロックや水割り、お湯割り、ソーダ割りのように、氷や割り材で薄めて飲むのが一般的。ストレートでたのしむケースもありますが、日本酒に比べてアルコール度数が高めなので、好みの度数に調整して飲まれることが多いようです。

日本酒と米焼酎にはさまざまな違いがありますが、どちらも食中酒として最適なお酒。米と合うすべての料理にマッチするので、食事と一緒に飲み比べをたのしんでみてはいかがでしょう。

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