焼酎を使った料理はおいしいってホント!? 調味料としての焼酎の底力と役割をチェック

焼酎を使った料理はおいしいってホント!? 調味料としての焼酎の底力と役割をチェック
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焼酎は多彩な割り方でたのしめるお酒ですが、料理の調味料としても底力を発揮します。といっても、料理酒の代用品になるわけではありません。ここでは、一般的な料理酒との違いに触れつつ、調味料としての焼酎の特徴や役割を検証。相性のよい料理や活用法を紹介していきます。

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焼酎は料理の調味料に使える? 料理酒や日本酒との違いは?

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焼酎は、日本酒やワインのように料理の調味料として使われることがありますが、料理酒の代用品になるわけではありません。まずはその役割と、料理酒や日本酒との違いを紹介します。

調味料としての酒の役割を知ろう

料理の味をととのえる調味料として古くから使われてきた酒には、以下のような効果が期待できるといわれています。

◇コクや旨味を引き出す
◇肉などの食材をやわらかくする
◇食材に味を染み込みやすくする
◇食材の臭みを消す
◇料理の仕上がりを早める
◇香りをつける
◇味を引き締める

料理に用いるお酒といえば料理酒が一般的ですが、日本酒(清酒)やワイン、ビール、紹興酒、ブランデー、ラム酒、ウイスキーなど、さまざまな酒類が使われます。

焼酎も立派な調味料に

焼酎は料理酒や日本酒、ワインなどに比べてアルコール度数の高いお酒ですが、調味料としても十分に役割を果たすことができます。

といっても、焼酎は、蒸溜によって醸造酒に含まれる糖分や旨味成分が取り除かれているため、料理によって向き不向きがあることも事実。

それでも、肉料理やスイーツの仕上げに、高濃度のお酒をふりかけ火をつけて風味や香りづけをする「フランベ」という調理法に、蒸溜酒であるブランデーやラム酒が重宝されているように、焼酎には焼酎ならではの役割があります。

焼酎を使うことでおいしく仕上がる料理もあるので、覚えておくとよいでしょう。

料理酒と日本酒、焼酎の違い

料理酒がないときに、日本酒や焼酎で代用することがありますが、調味料としての料理酒と日本酒、料理酒と焼酎の間には大なり小なり違いがあります。

【料理酒と日本酒の違い】
一般的な料理酒と日本酒の大きな違いは、塩分量。スーパーなどに並ぶ調理用の料理酒は「加塩料理酒(発酵調味料)」と呼ばれるもので、2~3%ほどの塩分が添加されています。酒類には基本的に酒税法が適用されますが、加塩料理酒の場合は、もろみの段階で食塩を加えて不可飲処置を施すことで、酒税のかからない食品としての販売を可能にしているのです。

料理酒には、塩分のほかにも水あめなどの甘味料や酢などが添加されているものが多く、香りや風味が日本酒と異なる商品が一般的です。

【料理酒と焼酎の違い】
料理酒と焼酎の決定的な違いは、醸造酒か蒸溜酒かという点にあります。醸造酒は米などの穀物や果実を酵母で発酵させたお酒で、糖分や旨味成分が豊富に含まれています。これに対し、蒸溜酒は醸造した酒を蒸溜してアルコール度数を高めたもの。料理の風味づけに役立つ成分は蒸溜段階で失われているため、用途はおのずと限定されます。

調味料としての酒を使い分けよう

料理の調味料としての料理酒と日本酒、焼酎は、使われるシーンや用途が異なります。

【料理酒】
料理酒は、万能調味料の呼び声が高いお酒。料理にもたらす効果は日本酒と大差ありませんが、調味料としての魅力を追求した商品なので、少ない手間でおいしく仕上げたいときに重宝します。

【日本酒】
食塩や甘味料などが添加されていない日本酒は、素材の風味を生かした料理や、極力調味料を使わずに作る無添加料理などに向いています。

【蒸溜酒】
蒸溜酒である焼酎は、アルコール度数の高さを生かした殺菌や臭み取りなどに適したお酒。先述のフランベにも使えるので、肉や魚の旨味を封じ込めたいときにも役立ちそうです。

それぞれの特徴を上手に使い分けることで、料理の幅も広がることでしょう。

料理に使える焼酎の種類と役割

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焼酎は、甲類焼酎や本格焼酎(乙類焼酎)に大別され、本格焼酎は芋焼酎や麦焼酎、米焼酎など、主原料によってさらに細かく分類されます。こうした種類によって味や香りが異なるのはいうまでもありませんが、料理との相性や調味料としての役割も変わってきます。

焼酎の種類によって異なる料理との相性

焼酎は、酒税法上、連続式蒸溜焼酎と単式蒸溜焼酎に分けられます。一般的に、連続式蒸溜焼酎は甲類焼酎、単式蒸溜焼酎は本格焼酎(乙類焼酎)の名で親しまれています。

連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜される甲類焼酎は、雑味のないクリアな味わいが特徴で、どんな料理とも絶妙にマッチします。

一方、単式蒸溜機で一度だけ蒸溜される本格焼酎は、原料の個性をたのしむお酒。主原料の種類やその産地、麹の種類、仕込み、蒸溜方法、貯蔵方法やその年数、ろ過の有無などさまざまな条件によって風味や香りが異なり、料理とのマリアージュも微妙に変わってきます。本格焼酎は、料理との組み合わせをたのしみながら堪能できるお酒といえるでしょう。

料理に適した焼酎の種類

焼酎を調味料として使用する場合も、その個性の違いによって合う料理や用途が変わってきます。

焼酎のなかで、料理の調味料にもっとも適している(万能タイプな)のは、クセのなさが特徴の甲類焼酎です。旨味はほとんどありませんが、用途によっては料理酒の代用品として役立ちそう。ただし、日本酒やワインに比べて味が薄いので、出汁やみりん、調味料などの量を調整するなど、ひと工夫加えたいものです。

一方、個性が際立つ本格焼酎を調味料として使用する場合は、焼酎選びに若干の注意を要します。本格焼酎であっても、米を主原料にした米焼酎は、料理の味の邪魔にはなりませんが、クセの強い芋焼酎などは、場合によっては料理の風味を損ねてしまう可能性があります。とはいえ、芋焼酎の風味を活かした料理もあるので、ケースバイケースといえるでしょう。

料理に使う焼酎の役割

焼酎は、料理酒や日本酒などの醸造酒に比べてアルコール度数が高い分、肉や魚の殺菌や臭み取りに効果を発揮します。肉をやわらかくする効果も期待できるので、角煮などの煮込み料理に重宝しそうです。

また、天ぷらの衣の材料に焼酎を加えると、サクサク食感に仕上がるといわれています。辛味調味料やにんにくの焼酎漬けなど、保存の利くスパイス作りにも役立つので、いろいろ試してみてください。

焼酎を使うとおいしくなる料理

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焼酎を調味料として使うとおいしく仕上がる料理を紹介します。

煮込み料理

牛すじの煮込みや豚の角煮、チャーシュー、いわしの煮つけなど、肉や魚を煮込んで作る料理は、料理酒や日本酒よりも焼酎を使ったほうが濃厚に仕上がるといわれています。

いずれも濃い味つけの料理なので、芋焼酎や泡盛のようにクセの強い焼酎も活躍します。実際、沖縄には、皮つきの三枚肉を泡盛と醤油で甘辛く味つけしたラフテーと呼ばれる郷土料理があります。いわゆる豚の角煮ですが、泡盛で煮込むことで、肉がとろけるようにやわらかく仕上がるそう。

蒸し料理

あさりの酒蒸しやささみの酒蒸しをはじめとする蒸し料理にも、焼酎は役立ちます。豚肉の蒸し料理や、魚のホイル焼きなどにも重宝するので、「焼酎蒸し」をキーワードにレシピを探してみてください。

ただしアルコール度数が高い焼酎は、フライパンで調理する際に火柱が上がる可能性があるため、火加減の調整には細心の注意が必要です。

オリジナル調味料

甲類焼酎なら、辛味調味料やニンニク醤油など、オリジナルのスパイス作りにも役立ちます。なかでも辛味調味料は、唐辛子を詰めたボトルに焼酎を満たして1週間ほど寝かせるだけと作り方もかんたん。さまざまな料理のアレンジや「味変」に使えるうえ、保存にも適しているので、機会があればぜひ作ってみてください。


焼酎は、飲むだけでなく、料理をおいしくする調味料としても役立つお酒。料理酒の代用とはいきませんが、その役割や特長を調理に生かせば、毎日の食生活がもっと充実することでしょう。

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