福岡の日本酒【喜多屋(きたや):喜多屋】世界でも高く評価される飲む人に喜びを伝える酒

福岡の日本酒【喜多屋(きたや):喜多屋】世界でも高く評価される飲む人に喜びを伝える酒
出典 : 喜多屋公式フェイスブック

「喜多屋」は、福岡県八女市の老舗蔵、喜多屋の主要銘柄です。蔵元は、酒名の由来でもある「酒を通して多くの喜びを伝えたい」という創業時の志を、今も変わらず持ち続け、酒造りを行っています。海外でも高評価の「喜多屋」。蔵元と銘柄の魅力を紹介します。

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「喜多屋」の始まりと名の由来

「喜多屋」の始まりと名の由来

出典:喜多屋公式フェイスブック

「喜多屋」の蔵元の始まり

日本酒「喜多屋」を醸す喜多屋は、木下家が代々当主を務めている蔵元です。初代の木下斉吉氏は、米屋などを営んでいた木下本家の長男でしたが、江戸時代後期の文政3年(1820年)に家督を弟に譲り、一念発起して酒造りを開始しました。これが喜多屋の始まりです。

現在は、7代目の木下宏太郎氏が当主を務め、日本酒のほか、先代の茂氏が始めた減圧蒸溜法で醸す本格焼酎や梅酒、加塩純米醸造酒を原料とする高級発酵調味料の「酒みりん」の製造販売なども行っています。

「喜多屋」の名の由来と家憲(かけん)

「喜多屋」の名は、「酒を通して多くの喜びを伝えたい」という創業時の志からつけられたものです。この志は、創業以来約200年を経た今も変わらず、蔵元の企業理念の根幹となっています。

喜多屋にはもうひとつ、江戸時代から続いている一家のきまり(家憲)があります。それは「主人自ら酒造るべし」というもの。

日本酒造りに情熱を燃やし、自ら杜氏も務めた初代当主の斉吉氏に倣ったもので、現当主の宏太郎氏も、右腕である杜氏の西尾孝広氏とともに蔵に入り、銘酒「喜多屋」の酒造りを担っています。

「喜多屋」を造る原材料

「喜多屋」を造る原材料

出典:喜多屋公式フェイスブック

「喜多屋」で使われている水は?

「喜多屋」の蔵元がある八女市は、豊かな自然に恵まれた地で、「八女茶」の生産地として知られています。

市の南東部に位置する矢部地区には山々が連なり、大分県との県境には福岡県の最高峰「釈迦岳(しゃかだけ)」と第2位の「御前岳(おまえだけ)」が並び立つようにそびえています。

日本酒「喜多屋」に使われている仕込み水は、この2つの山に源を発する矢部川の伏流水です。

釈迦岳・御前岳のほかにも2つの源流を有する矢部川は、「喜多屋」の地元である八女市中を流れる清流です。その水は、国内有数の穀倉地帯である筑紫平野を潤し、有明海へと注いでいます。

「喜多屋」は地元福岡産の米で造られる酒

「喜多屋」の原料米の中心は、JA糸島産の「山田錦」と、JAふくおか八女産の「吟のさと」です。どちらも地元福岡県産の酒造好適米で、契約栽培されたものが使われています。

JA糸島産の「山田錦」は、世界で高評価を得た「大吟醸 極醸(ごくじょう) 喜多屋」にも使われている米で、一般的に質がよいとされる兵庫県産の「山田錦」に勝るとも劣らない品質の高さを誇ります。

「吟のさと」は、吟醸酒の麹米に使え、かつ九州で栽培しやすい米を作ろうと開発されたもので、蔵元の喜多屋も試験栽培や試験醸造などで協力している地元生まれの酒造好適米です。

「喜多屋」の蔵元が始めた「米作り委員会」

喜多屋は、平成12年(2000年)に「喜多屋米作り委員会」を発足させ、日本酒の原料米を自ら作り始めました。以来20年もの間、社員が力を合わせて米作りを行い、酒米に対する理解度を深めています。

また喜多屋は、酒米の購入を通じて地元に貢献することを志し、酒造好適米の生産がほとんど行われていなかった八女市内で、「吟のさと」を栽培する契約農家の数を増やすことに貢献してきました。

こうした蔵元の努力の結晶ともいえる日本酒が、「純米吟醸 喜多屋 吟のさと」です。地元八女の契約農家と自社の田で栽培した「吟のさと」を使用し、芳醇な味わいと、フルーティーな吟醸香の絶妙な調和をたのしめる酒に仕上げています。

「喜多屋」は世界も認めた日本酒

「喜多屋」は世界も認めた日本酒

出典:喜多屋公式フェイスブック

「喜多屋」が大切にしているよい酒造りに欠かせないこと

喜多屋の当主・木下宏太郎氏は、日本酒造りに際し、設備やデータ管理、技術を重要視しています。

たとえば洗米では、最新の洗米機を使用。事前に行う吸水試験で把握した理想の含有水分量になるように、その日の気温・湿度・お水の状態などに合わせて水温を調節し、ストップウォッチで時間を計測しながら緻密な作業を行っています。

また、勘に頼りがちな技術を理論的に分析することで、チーム全体への教育と継承を可能としました。

その一方で、木下氏は、よい酒を造るために欠かせない信条として、「造りにかける情熱。そしておいしい酒を世の中に送り出したいという想いとセンス」を掲げています。

最新設備やデータ、理論に裏打ちされた技術と、蔵人の心や感性。どちらも大切にする酒造りから、銘酒「喜多屋」は生まれます。

「喜多屋」は世界の舞台で輝く福岡の地酒

喜多屋の酒造りは、平成25年(2013年)に世界の舞台でも認められています。「大吟醸 極醸 喜多屋」が、イギリスのロンドンで開かれた世界最大級の品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2013」の日本酒部門で、最優秀賞の「チャンピオン・サケ」に輝いたのです。

同年に出品された日本酒、235蔵583銘柄の頂点に立った「大吟醸 極醸 喜多屋」は、JA糸島産の「山田錦」を精米歩合35%まで磨き、極寒のなか矢部川の伏流水で仕込み、圧力を一切加えない「しずく搾り」で手間暇かけて仕上げた原料も産地もオール福岡の逸品です。

IWCの審査員からも絶賛された、優雅で華やかな香り、芳醇かつ透明感のある味わい、あとに続く余韻の見事なハーモニーを、ぜひ堪能してみてください。

福岡産の原料にこだわって造られる「大吟醸 極醸 喜多屋」は、蔵元と地元農家の想いがこもった福岡を代表する地酒。世界にも認められた喜多屋が醸す酒を、じっくり味わってみてはいかがでしょう。

製造元:株式会社喜多屋
公式サイトはこちら

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