「ファーストフィル」の定義と特徴を知ろう!【ウイスキー用語集】

「ファーストフィル」の定義と特徴を知ろう!【ウイスキー用語集】
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「ファーストフィル」とは、ウイスキーの熟成樽として初めて使用するカスク(樽)のことです。ここでは具体的に「ファーストフィル」がモルトウイスキーに与える影響や「ファーストフィル」と「セカンドフィル」の違いについて紹介します。

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「ファーストフィル」とは熟成に初めて使用する樽のこと

「ファーストフィル」とは熟成に初めて使用する樽のこと

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「ファーストフィル」はウイスキーに大きな影響を与えるカスク

「ファーストフィル」とは、初めてウイスキーの熟成に使われるカスク(樽)のことです。スコッチの熟成にはシェリー樽やバーボン樽などを使いますが、その古樽をウイスキーの熟成用に初めて使うときに「ファーストフィル」と呼ばれます。
香りや味わい、色味などの個性はウイスキーの原酒を熟成させるカスクの種類によって変化します。

「ファーストフィル」の特徴

「ファーストフィル」の特徴は、何といっても、樽詰めしたウイスキーに与えるフレーバーの強さにあります。シェリーやバーボンなどの古樽にはそれぞれのお酒の成分が残っています。ウイスキーを古樽で熟成させることで、それらのフレーバーがウイスキーに移るのです。
ウイスキーに多彩な個性をもたらすファーストフィル用のカスクは、造りたいウイスキーに合わせて厳選する必要があります。ウイスキーの品質を支える「ウイスキーブレンダー」は、さまざまなカスクがもたらす成果から、モルトウイスキーの味を構築しています。

「ファーストフィル」と「セカンドフィル」の違いは?

「ファーストフィル」と「セカンドフィル」の違いは?

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「ファーストフィル」を繰り返し使用すると呼び方が変わる?

「ファーストフィル」と一緒に知っておきたいのが、「セカンドフィル」と「サードフィル」です。
初めて熟成に使用されるカスクを「ファーストフィル」と呼びますが、そのカスクから原酒を取り出して、2度目の原酒を投入して再び熟成に使用すると「セカンドフィル」に、さらに3度目の投入を行って樽熟成を行うと「サードフィル」になります。
セカンドフィル以降のカスクは、総称して「リフィル」と呼ばれます。

「ファーストフィル」にはない「セカンドフィル」の特徴

「ファーストフィル」で熟成されたウイスキーは、カスクのもたらす影響を強く受けますが、同じカスクを繰り返し使うことで、次第にウイスキーに付与される影響が薄らいでいきます。
しかし、単純にカスクの効果を薄めるわけではなく、それぞれに異なる性格がウイスキーに付与されるのがおもしろいところ。
たとえば、バーボンウイスキーを造る際に使ったカスク(バーボンカスク)でスコッチウイスキーの原酒などを熟成させた場合、「ファーストフィル」では、ハチミツのようなニュアンスの強いバニラ香が感じられるのに対して、「セカンドフィル」では、キャラメルのようなニュアンスの、やさしいバニラ香に変化します。

「ファーストフィル」より原酒本来の性格が表れる「セカンドフィル」

一般に「ファーストフィル」では、カスクの特徴が色濃く表れる反面、原酒本来の持ち味はある程度抑えられてしまいます。その点「セカンドフィル」では、カスクから受ける影響が少ないため、ウイスキー本来の性格をより深く味わうことができます。
また「ファーストフィル」に比べて、「セカンドフィル」のほうが酸化の影響を受けやすいのも特徴です。酸化はカスク内外で空気が行き交うことで起こりますが、空気中の成分がウイスキーに溶け込むとフルーティーな味わいなどが生まれます。「セカンドフィル」のほうが果実味を味わえ、バランスの取れた複雑さがあると表現されるのはそのためです。

同じ「ファーストフィル」でもこんなに違う

同じ「ファーストフィル」でもこんなに違う

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「ファーストフィル」に影響を与えるカスクの材料

「ファーストフィル」をより深く理解するには、カスクに使用するオーク材の種類と特徴を知っておく必要があります。ここでは代表的なオークの種類とその特徴を見ていきましょう。

【アメリカンホワイトオーク/ホワイトオーク】

スコッチウイスキーやバーボンなどさまざまなお酒のカスクに使われるオーク。アメリカンホワイトオーク製の樽はウイスキーにバニラ香やココナッツのような香ばしさ、甘い香辛料のようなニュアンスを与えます。スコッチの熟成に使われるカスクのほとんどがホワイトオークです。

【スパニッシュオーク/コモンオーク】

ヨーロピアンオークを代表するスペイン産オーク。ポリフェノールやタンニンを多く含み、シェリーやワイン、コニャックなどの熟成によく用いられます。シェリー酒の熟成に使用したスパニッシュオークのシェリー樽を使用するとウイスキーの琥珀色が濃くなり、ドライフルーツのような香味が生まれます。

【セシルオーク/フレンチオーク】

こちらもヨーロピアンオークのひとつでフランス産です。もともとはワインやコニャック樽に使われていましたが、近年はウイスキーの熟成樽にも用いられています。アメリカンホワイトオークとスパニッシュオークの中間的なフレーバーで、ウイスキーにスパイシーな香りを与えます。

【ミズナラ/ジャパニーズオーク】

ジャパニーズウイスキーを象徴するオーク。ミズナラ樽はウイスキーに、伽羅(キャラ)や白檀(ビャクダン)のような独特の香味を与えます。オリエンタルな香りは世界中のウイスキー愛好家を魅了しています。

「ファーストフィル」に使うカスクがウイスキーに与える影響の違い

「ファーストフィル」にシェリー樽やバーボン樽を使用した場合、どんな違いが現れるのでしょうか。それぞれの特徴を比較してみましょう。

【シェリー樽】

シェリー樽を使用したウイスキーは甘いシェリーの香りや濃厚な果実香が付与され、色味も濃くなる傾向があります。
そもそもシェリー酒自体に多くの種類があるため、どのタイプのシェリー酒を保存していたかによって熟成されるウイスキーの味わいも変化します。
「オロロソ」というシェリー酒の樽は深いコクを、白ワインタイプの「フィノ」の樽はスッキリしたブーケのような香りを、「モスカテル」というぶどうを使ったワイン樽はフルーティーな香りをもたらします。

【バーボン樽】

バーボン樽を使用したウイスキーには木香やバニラ香などが付与されます。これらは樽の素材となるアメリカンオークのフルーティーな香りや、樽内を焦がすことで生まれるバニラのような香ばしさがもたらしたフレーバーです。
バーボンの特徴的な甘味がモルトウイスキーの味わいと絶妙な調和を見せ、強いクセをやわらげたまろやかな口当たりに仕上がります。

カスクの種類によって、ウイスキーに異なる特性を与える「ファーストフィル」。それぞれの違いや特徴を知ることで、よりウイスキーのたのしみ方が広がりそうですね。

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