日本酒の「ラベルデザイン」が進化中!個性的なラベルの銘柄を紹介

日本酒の「ラベルデザイン」が進化中!個性的なラベルの銘柄を紹介
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お酒を選ぶとき、一風変わった「ラベルデザイン」の日本酒を見かけたことはありませんか?日本酒の魅力が多様化するなかで、ラベルデザインも大きく変化し、新たな魅力の一つとなっています。今回は、見て飲んでたのしめるおすすめの銘柄を紹介します。

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日本酒のラベルデザインの進化が加速!

日本酒のラベルデザインの進化が加速!

Kazu Inoue/ Shutterstock.com

日本酒のラベルデザインに新時代が到来!

日本酒のラベルデザインは、近年、大きく変化しています。実際、ここ数年の間に、それまでの日本酒のイメージを覆すようなデザインを目にすることが増えてきました。
かつてのように、日本酒の銘柄名を筆文字で大書するスタイルだけでなく、キャラクターやイラスト、図など多彩な技法を駆使して、その酒の特徴やコンセプトを表現する、企画性の高いラベルが増加していて、それが日本酒の新たな魅力にもなっています。

日本酒のラベルデザインが進化した背景は?

日本酒のラベルデザインが進化した背景のひとつに、日本酒の多様化があります。近年、各蔵元では「日本酒をより多くの人にたのしんでもらいたい」との想いから、大ロットの主力商品に加えて、季節商品など小ロットの商品を開発するケースが増えています。
企画性の高いラベルの日本酒は、これら小ロット商品に多く見られる傾向があり、蔵元の新たな挑戦が、日本酒の味だけでなく、ラベルデザインにも反映されていると言えそうです。

ラベルデザインに惹かれて購入する“ジャケ買い”が日本酒にも

日本酒のラベルデザインの進化は、日本酒の味わい以前に、デザインに惹かれて購入する、いわゆる“ジャケ買い”の増加にもつながっています。
ラベルデザインをきっかけとして、日本酒の魅力に触れる若者や女性が増えることは、“日本酒離れ”が懸念される近年では、歓迎すべきことですね。

日本酒のラベルデザインでスタイリッシュに味を表現

日本酒のラベルデザインでスタイリッシュに味を表現

出典:新政酒造株式会社

日本酒の味の方向性を表現するラベルデザイン

日本酒のラベルは、その銘柄の個性を示す、まさに“日本酒の顔”とも呼べるもの。近年、増加しているデザイン性の高いラベルも、そのデザインは銘柄の特徴と無関係ではありません。
なかでも多く見られるのが、デザインで日本酒の“味”や“造り”の特徴を表現したもの。いくつか代表的な銘柄を紹介しましょう。

【新政No.6】(新政酒造・秋田)

秋田の老舗蔵、新政酒造は「きょうかい6号酵母(新政酵母)」の発祥蔵として知られる一方で、老舗らしからぬ斬新なラベルデザインにも定評があります。
なかでも、6号酵母の魅力をストレートに引き出した「No.6」のラベルは、大きく「6」と書かれたシンプルでスタイリッシュなデザインが魅力です。

【豊能梅(とよのうめ) 純米セメブレンド】(高木酒造・高知)

「豊能梅」は高知の蔵元、高木酒造の主力銘柄ですが、そのなかでも醪(もろみ)を搾る際に強い圧力をかけた「責め(セメ)」と呼ばれる酒のみをブレンドしたのが「セメブレンド」です。
ラベルに大きく描かれた五角形のグラフは、甘さ、味ハバ、酸味、バナナ様吟醸香、リンゴ様吟醸香という5つの香味ポイントを描いたもので、毎年、その味わいの違いをグラフで表現しています。

製造元:高木酒造株式会社
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【まんさくの花】(日の丸醸造・秋田)

秋田の老舗蔵、日の丸醸造の主要銘柄「まんさくの花」は、多彩な酒造好適米によるラインナップが魅力ですが、とくに流通限定品では、ラベルデザインで原料米を表現しています。
「亀の尾」を使用した「亀ラベル」は手書きの亀のイラスト、秋田の酒造好適米「星あかり」を使用した「純米吟醸 星あかり」は星空をイメージしたデザインと、その特徴を端的に示したラベルデザインとなっています。

製造元:日の丸醸造株式会社
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日本酒のラベルデザインがカワイイと女性にも人気

日本酒のラベルデザインがカワイイと女性にも人気

出典:近江酒造サイト

猫モチーフの日本酒ラベルデザインが急増中!

ラベルデザインがかわいい日本酒は、女性にも大人気! 女性の飲み手を意識したラベルデザインの銘柄が急増しています。
なかでも注目は、猫好きの女性たちに絶大な人気の猫ラベルデザインの日本酒です。いくつか代表的な銘柄を紹介しましょう。

【近江ねこ正宗(おうみねこまさむね)】(近江酒造・滋賀)

近江酒造の「近江ねこ正宗」は、日本酒の原料となる穀物をネズミから守ることから、“酒造りの守り神”とされる猫への敬意と愛情をコンセプトとした日本酒。飲んだ後も瓶を飾ってたのしめると人気です。

製造元:近江酒造株式会社
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【萩の鶴(はぎのつる)】(萩野酒造・宮城)

「萩の鶴」は宮城の老舗、萩野酒造が古くから造り続けてきた主力銘柄。近年、うすにごりの「さくら猫」、夏酒の「夕涼み猫」、新酒の「こたつ猫」と、季節ごとの限定酒に、まったりとくつろぐ猫のイラストをあしらったことで、女性ファンが急増中です。

製造元:萩野酒造株式会社
公式サイトはこちら

【十九Gattolibero(じゅうくガットリベロ)】(尾澤酒造場・長野)

尾澤酒造場の代表銘柄「十九」は斬新なラベルデザインが特徴ですが、なかでも女性に人気なのが、オシャレな猫のイラストをあしらった「十九 Gattolibero(ガットリベロ:野良猫)」。酵母に「きょうかい6号」を使用していることから、猫のしっぽが「6」を描いているなど、遊びゴコロも魅力です。

このほか、「楯の川 たてにゃん」(楯の川酒造・山形)や、「美丈夫 純麗たまラベル」(浜川商店・高知)など、猫ラベルは大人気です。

日本酒ラベルデザインの幅広い可能性

日本酒ラベルデザインの幅広い可能性

出典:コンセプト・ワーカーズ・セレクションサイト

「感性でたのしむ酒」を追求する注目の取り組み

広島県の酒販会社、酒商山田が全国の蔵元とともに展開する「コンセプト・ワーカーズ・セレクション」は「感性に訴えるモノづくり」を通じて、日本酒市場のさらなる活性化をめざす取り組みです。
各地の日本酒の造り手と、デザイナーやアーティスト、書道家といったクリエイターが一緒になって開発した日本酒とラベルデザインは、まるでアート。現在19の蔵元およびメーカ-から全48アイテムが発売され、熱い注目を集めています。

開発元:コンセプト・ワーカーズ・セレクション
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独自の魅力を創造する日本酒ラベルデザイン

日本酒のラベルデザインは、その味わいと同様に多様化を続けており、その魅力は広がり続けています。独自のアイデアやコンセプトで注目を集める銘柄をいくつか紹介しましょう。

【山川光男(やまかわみつお)】(山川光男プロジェクト・山形)

頭に一升瓶をのせたキモカワ系のオリジナルキャラクターで人気が高まっているのが、「山川光男」シリーズ。その開発元は山形県の4つの蔵元による共同プロジェクトで、水戸部酒造「山形正宗(やまがたまさむね)」、楯野川酒造「楯の川(たてのかわ)」、小島総本店「東光(とうこう)」、男山酒造「羽陽男山(うようおとこやま)」と、各蔵の代表銘柄から一字ずつとって命名されました。

山川光男プロジェクト
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【錦鯉(にしきごい)】(今代司酒造・新潟)

新潟の老舗、今代司(いまよつかさ)酒造が、日本酒と日本の魅力を世界に発信するため、錦鯉をモチーフに開発した銘柄です。堂々とした味わいはもちろん、美しい錦鯉をかたどったラベルやパッケージのデザインは、グッドデザイン賞をはじめ、世界各国のコンテストで高く評価されています。

製造元:今代司酒造株式会社
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【雅山流 昔のあなたに捧げるラヴソング】(新藤酒造店・山形)

斬新な銘柄名もさることながら、杜氏を務める新藤雅信氏が作詞・作曲した曲の楽譜がラベルになったデザインは、ほかに類を見ない独創的なもの。音楽好きなら手に入れて、実際に演奏してみたくなりますね。

製造元:有限会社新藤酒造店
公式サイトはこちら

日本酒のラベルデザインの進化はこれからも注目です。気になるデザインのお酒を見て飲んで、たのしみましょう!

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