埼玉県川越市/2018年オープン!県内35蔵の地酒をたのしめる『ききざけ処 昭和蔵』に行ってきました

埼玉県川越市/2018年オープン!県内35蔵の地酒をたのしめる『ききざけ処 昭和蔵』に行ってきました

例年全国でベスト5に入るほどの日本酒生産量を誇る埼玉県。県内にある35蔵の酒が一堂に会し、利き酒できるスポットが昨年できたと聞いて訪ねてみることに。場所はノスタルジックな街並みが魅力で、観光客が引きも切らない川越市です。

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明治8年創業の酒造会社の蔵を改修して営業

明治8年創業の酒造会社の蔵を改修して営業

『小江戸 蔵里(KOEDO KURARI)』内にある『ききざけ処 昭和蔵』。この蔵は昭和6年に建てられたそうです。

まず目指したのは、川越市の産業観光施設である『小江戸 蔵里(KOEDO KURARI)』。この場所で明治8(1875)年に創業した鏡山(かがみやま)酒造の建物を当時の面影を残しつつ改修、市民と観光客との交流や市の物産に触れられる場として、2010年に開業したそうです。

国の登録有形文化財に指定されている明治・大正・昭和に建てられた3つの酒蔵を改修。そのひとつである『昭和蔵』は、名前の通り昭和6年の建造で、重々しい屋根や白壁は、その時代らしく重厚長大な雰囲気を醸し出しています。以前は地元野菜などを販売する市場でしたが、昨年春に『ききざけ処 昭和蔵』としてリニューアルオープンしました。

近くには、川越らしいレトロな街並みが続いています。

近くには、川越らしいレトロな街並みが続いています。

『小江戸 蔵里(KOEDO KURARI)』。手前の『おみやげ処 明治蔵』は、明治時代に建てられた蔵を改修。右手奥が『ききざけ処 昭和蔵』です。

『小江戸 蔵里(KOEDO KURARI)』。手前の『おみやげ処 明治蔵』は、明治時代に建てられた蔵を改修。右手奥が『ききざけ処 昭和蔵』です。

天井が高く開放感あふれる空間。太い梁が存在感を放っています。

天井が高く開放感あふれる空間。太い梁が存在感を放っています。

埼玉県は日本屈指の日本酒生産量を誇っており、35の蔵が県下に点在しています。館内入り口付近モニターでは、埼玉の酒造りの歴史や現状がよくわかる解説ビデオが。ぜひこの動画を見て勉強してから、利き酒に移るのがおおススメです。

埼玉35蔵が醸した一升瓶が、ひな壇のごとく並ぶ様は圧巻。

埼玉35蔵が醸した一升瓶が、ひな壇のごとく並ぶ様は圧巻。

荒川や利根川の伏流水に恵まれていることも、酒造りが盛んな要因です。

荒川や利根川の伏流水に恵まれていることも、酒造りが盛んな要因です。

有料試飲機にずらりと並ぶ酒は、何と40種類

有料試飲機にずらりと並ぶ酒は、何と40種類

ディスプレイも美しく、左党でなくても気持ちが高ぶります。

ここからは、“利き酒実践編”です。

昭和蔵ではおみやげ売場でしか、現金が使えません。ということで、まずは専用のメダルを購入します。メダルは4枚で500円(税込)。自動販売機で求めます。

販売機は500円硬貨専用ですが、隣に1000円札→500円硬貨×2枚の両替機が。もっと額面の大きい紙幣は、おみやげ売場で両替を。

販売機は500円硬貨専用ですが、隣に1000円札→500円硬貨×2枚の両替機が。もっと額面の大きい紙幣は、おみやげ売場で両替を。

わりとサイズは小さめ。刻まれているのは、稲穂と枡。

わりとサイズは小さめ。刻まれているのは、稲穂と枡。

有料試飲機は4台で、1台あたり10本の一升瓶が格納されています。35蔵から1本ずつと、昭和蔵のスタッフが自信を持って選定した期間限定の5種が加わって合計40本。何種類か利き酒することになるので、順番はイメージして選びたいもの。軽いタイプから始めて、重いタイプに移っていくのがセオリーですね。

上下5本ずつ。特徴がわかるコメントが各々についています。赤いボタンが光っているのは、残念ながら品切れ中なのですが、スタッフに伝えれば補てんが可能な場合も。

上下5本ずつ。特徴がわかるコメントが各々についています。赤いボタンが光っているのは、残念ながら品切れ中なのですが、スタッフに伝えれば補てんが可能な場合も。

さて購入する1本が、決まったらメダルを投入。ちなみに有料試飲機の酒はどれも1杯=1メダル。125円で一杯利き酒ができるという計算ですね。気をつけていただきたいのが、お目当てのボタンを押す前に、猪口を所定の位置にセットすることです。

さて購入する1本が、決まったらメダルを投入。ちなみに有料試飲機の酒はどれも1杯=1メダル。125円で一杯利き酒ができるという計算ですね。気をつけていただきたいのが、お目当てのボタンを押す前に、猪口を所定の位置にセットすることです。

猪口をセットしてから…。

ボタンを押すと、この通り。30㏄程度が注がれます。

ボタンを押すと、この通り。30㏄程度が注がれます。

まずいただいたのは、さいたま市岩槻区にある鈴木酒造の『大手門・純米酒』。もっと軽快なタイプからとも考えたのですが、好みの旨口に惹かれてしまいました。ふくよかな旨味で、酸味はまろやか。料理と合わせやすいという感想です。

『大手門・純米酒』(鈴木酒造)。香りも穏やかでバランスのとれた酒です。

『大手門・純米酒』(鈴木酒造)。香りも穏やかでバランスのとれた酒です。

次は少し攻めてみました。加須市・釜屋の『ワイン酵母仕込み純米酒 ARROZ(アロス)』は、国産米をワイン酵母で仕込んだ、白ワインのような純米酒。ワインのような控えめな甘さで、フルーティーな酸味。でもアフターには、しっかり米の味わいも表現されています。この日の期間限定の1本でした。

スタイリッシュなラベルだけ見ると、まさにワイン。

スタイリッシュなラベルだけ見ると、まさにワイン。

セルフでお燗をすることもできるのです!

セルフでお燗をすることもできるのです!

お燗コーナーもしっかり設けられています。

有料試飲機はすべて低温管理されているため、燗酒向きの日本酒はどうしたらよいのだろう?と思っていたら、ちゃんとありました! お燗できるコーナーが!! そこで、お燗して飲みたい酒を早速購入。

蓮田市の神亀(しんかめ)酒造の『神亀・純米酒』。“お燗オススメ”と表示されています。

蓮田市の神亀(しんかめ)酒造の『神亀・純米酒』。“お燗オススメ”と表示されています。

やり方はいたって簡単。猪口から“ちろり”と呼ばれる金属製の酒器に移し、その取っ手をお燗機である“燗どうこ”の縁に引っかけて温めるだけ。ぬる燗(40℃ぐらい)なら約60秒、熱燗(50℃ぐらい)なら約2分で出来あがり。速やかに猪口に戻して味わいましょう。燗をするとふっくらと香りが立ち、甘味、苦味、酸味のバランスがとれ、冷たい時とはまったく表情が変わるのを実感できます。

わずか1~2分で、まったく別の味わいになるから不思議。

わずか1~2分で、まったく別の味わいになるから不思議。

利き酒を重ねるにあたって、心がけたいポイントが。それは、水をたっぷり飲むこと。酒と同量の水を摂取するのがよいとされています。こちらではそのための水も販売されていました。地元・川越の水をたっぷり飲んで、たのしく適度に酔いましょう。

酒と一緒に飲む水を“和(やわ)らぎ水”と言います。こちらも1メダル。

酒と一緒に飲む水を“和(やわ)らぎ水”と言います。こちらも1メダル。

酒だけじゃない。つまみだって揃っています

酒だけじゃない。つまみだって揃っています

『ききざけ処 発酵ばる』には、おつまみや甘味も。

酒だけを飲み続けるのには限度があるし、体にもよくありません。有料試飲機の向かい側に設けられた『ききざけ処 発酵ばる』なら、ちょっとしたつまみやノンアルコール飲料、ソフトクリームなども販売されています(もちろんメダルで購入します)。

『酒粕クリームチーズ&クラッカー』(2メダル)はワイン酵母の酒に合わせました。

『酒粕クリームチーズ&クラッカー』(2メダル)はワイン酵母の酒に合わせました。

この日の『つけもの 3種もり』(2メダル)は、酸味が利いていて燗酒にぴったり。

この日の『つけもの 3種もり』(2メダル)は、酸味が利いていて燗酒にぴったり。

実はこの『ききざけ処 発酵ばる』には有料試飲機に入っていない、ちょっとお高めの期間限定酒が並べられていて、ほろ酔いの飲兵衛たちを誘惑します。

垂涎ものの極上酒(3メダル~)が並んでいました。

垂涎ものの極上酒(3メダル~)が並んでいました。

「せっかく来たんだから」と、4メダルの大吟醸酒を注文。青竹のような清々しい香り、すっきりとキレのよい後口が新鮮です。最後は重めと思っていたのに、真逆のタイプで締めることもまたご愛嬌。もしメダルが余っても有効期限はなし。ぜひ再訪したいものです。

締めの一杯は4メダル。上尾市の『大吟醸 文楽』(北西酒造)。贅沢に磨いた山田錦を低温でじっくり醸しているそうです。

締めの一杯は4メダル。上尾市の『大吟醸 文楽』(北西酒造)。贅沢に磨いた山田錦を低温でじっくり醸しているそうです。

土産物コーナーも充実していて、気に入った酒はもちろん酒器なども購入できます。

土産物コーナーも充実していて、気に入った酒はもちろん酒器なども購入できます。

隣にある『まかない処 大正蔵』。鏡山酒造をはじめとした全国の地酒と、地元食材中心の料理が楽しめます。※昭和蔵で購入したお酒を持込料800円で楽しむこともできます。

隣にある『まかない処 大正蔵』。鏡山酒造をはじめとした全国の地酒と、地元食材中心の料理が楽しめます。※昭和蔵で購入したお酒を持込料800円で楽しむこともできます。

川越という有名な観光地をたのしんだ後に、埼玉の地酒を制覇できてしまうという一石二鳥のようなスポットのレポートはいかがでしたか? 首都圏の酒処埼玉の実力を確かめに、ぜひお出かけください。

ききざけ処 昭和蔵
埼玉県川越市新富町1-10-1 
TEL/049-229-6110
営業時間/11:00~19:00
アクセス/JR・東武東上線川越駅より徒歩15分
西武新宿線本川越駅より徒歩3分


ききざけ処 昭和蔵の詳細はこちら

ライタープロフィール

とがみ淳志

(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート/SAKE DIPLOMA。日本旅のペンクラブ理事。日本旅行記者クラブ会員。国内外を旅して回る自称「酒仙ライター」。

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