アマレットはカクテルにおすすめのリキュール!原料や度数、香りや味わい、おすすめの飲み方を紹介

アマレットはカクテルにおすすめのリキュール!原料や度数、香りや味わい、おすすめの飲み方を紹介
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アマレットとはイタリア発祥のリキュールで、こっくりと甘くほんのりビターなアーモンドフレーバーが印象的なお酒です。今回はアマレットというリキュールの概要、特徴的な風味や味わいのもとになる原料、おいしい飲み方、おすすめの銘柄などを紹介します。

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アマレットは、アプリコット(杏/アンズ)の種子にある核などを原料に造られるリキュール。果実系ではなく種子(ナッツ・ビーン)・核(カーネル)系に分類されます。

アマレットとはどんなお酒? まずは概要をチェック

アマレットの原料は杏の核

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アマレットの風味や香りを生み出す原料、味わい、アルコール度数など、まずはアマレットの概要についてみていきましょう。

アマレットは杏などの種子の核を原料に使ったリキュール

アマレットはイタリア生まれのリキュールで、おもな原料は「杏仁(あんにん/きょうにん)」です。

杏仁とはアプリコット(杏/アンズ)の硬い種のさらに中にある白い核(仁)のこと。ベースとなるスピリッツに、この杏仁をはじめ、桃やサクランボの核、ビターまたはスイートアーモンド、さらにハーブやスパイス、フルーツのエッセンスなど各ブランドが独自のレシピで風味づけし、ブラウンシュガーやカラメルなどでコクと甘味を加えたリキュールがアマレットです。

アマレットの歴史や由来には諸説ありますが、一説によると、今につながるアマレットの始まりはイタリア・ルネサンス期の1525年。レオナルド・ダヴィンチの弟子だったベルナルディーノ・ルイーニという画家がサローノ町の教会のフレスコ画を依頼され、滞在していた宿屋の美しい女主人をモデルに聖母マリアを描きます。女主人はルイーニに感謝し、琥珀色の自家製リキュールを贈りました。そのレシピから生まれたのが、アマレットの元祖として知られる「ディサローノ」だといいます。

一方で1851年、同じサローノの町で有名なアーモンドクッキー「アマレッティ・デル・キオストロ・ディ・サローノ」を製造していたラッツァローニ家が、砕いたそのクッキーをスピリッツに浸して風味を移し、秘伝の素材を加えて世に送り出したのがアマレットの元祖だとする説もあります。

アマレットはアーモンドやココナッツのような香りが魅力

アマレットは「種子・核系」のリキュール

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アマレット最大の特徴は、アーモンドやココナッツを想わせる芳醇な香り。この香りからアマレットは一般的に「アーモンドリキュール」や「アーモンドフレーバーリキュール」と呼ばれていますが、おもな風味原料はアーモンドそのものではなく、先述のとおり杏仁だと知って驚く人も少なくないでしょう。

ちなみに、リキュールはおもな芳香性原料によって「香草・薬草系」「果実系」「種子・核系」「その他・特殊形」の4つに大別されますが、杏の果肉ではなく種の中にある核(仁)を原料としているアマレットは、「果実系」ではなく「種子・核系」に分類されるリキュールということになります。

アマレットと同じ「種子・核系」リキュールについてもっと知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

甘くほろ苦いアマレットの味わい

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アマレットは甘くほろ苦い味わい

アマレットという名前は、アーモンドパウダーを使ったミラノ地方の伝統菓子「アマレッティ」の風味と似ていることに由来するのだとか。

またイタリア語の「amaro」には「苦い」という意味があり、実際イタリア産の香草・薬草系リキュールには「Amaro」と呼ばれる苦味の利いた薬草酒があるのですが、この「amaro」に「little」を意味する接尾辞「etto」が加わることで「little bitter(少し苦い)」という意味になり、それが「amaretto」の由来だとする解釈もあります。

その名のとおりアマレットは、濃厚で華やかな甘味と、ビターアーモンドや焦がした砂糖(カラメル)のような香ばしい苦味が絶妙に調和した味わい。飲み物というジャンルを超えてスイーツの風味づけなどに使われるのも納得のおいしさです。

アマレットのアルコール度数は焼酎と同程度

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アマレットのアルコール度数は18〜28度程度

アマレットのアルコール度数は銘柄によって異なりますが、おおむね24〜28度。低いもので18度、高いものでは30度の銘柄もあります。

ほかの酒類のアルコール度数と比較すると、さほど強いお酒でないことがわかるでしょう。

◇日本酒:13~15度前後(※原酒は16~20度程度)
◇ワイン:13度前後
◇ビール:5度前後
◇紹興酒:16度前後
◇焼酎:25度前後
◇ウイスキー:40度以上
◇ブランデー:40度前後
◇ウォッカ:40~96度
◇ラム酒:40~75度
◇チューハイ:3~9度前後

アルコールにあまり強くない人も、甘く口当たりのよいアマレットならスイーツ感覚でたのしめることが多いので、飲み過ぎてしまわないよう注意してください。

アマレットのおすすめ銘柄

リカーショップやスーパーのお酒売り場、ECサイトなどで比較的入手しやすいアマレットのおすすめ銘柄3種を紹介します。

ディサローノ(Disaronno)

杏仁の気品ある甘味と香りが特長の代表銘柄ディサローノ

出典:株式会社ウィスク・イーサイト

アマレットといえばこの個性的な四角いボトルを思い浮かべる人も多いのでは? 1525年、イタリア北部の小さな町サローノで生まれた秘伝のレシピを受け継ぎ、いまや世界160カ国で親しまれているアマレットの代表銘柄「ディサローノ」。エレガントな甘味と深いコク、後味はほんのりビターで杏仁のふくよかな余韻が長く続く、唯一無二の味わいです。

アルコール度数:28度

国内販売元:株式会社ウィスク・イー
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ボルス アマレット

ボルス社のアマレットはカラメルのようなフレーバーが特長

出典:アサヒグループホールディングス株式会社サイト

1575年の蒸溜所設立以来、440年以上の歴史を持つオランダの老舗スピリッツメーカー、ボルス社が手がけるアマレットは、アーモンドの甘い香りとカラメルを想わせるフレーバー、そして濃厚ながら上品でスッキリとした甘味が特長です。

アルコール度数:24度

国内販売元:アサヒビール株式会社
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ルクサルド アマレット ディ サスキーラ

ルクサルド社のアマレットはビターアーモンドの芳醇な香り

出典:ドーバー洋酒貿易株式会社サイト

1821年創業、銘酒として受け継がれるサクランボのリキュール「マラスキーノ」で有名なイタリアのルクサルド社による厳選素材のアマレット。ビターアーモンドの甘い芳香に加えて最後にほのかなバニラが薫る、まろやかな味わいが支持されています。

アルコール度数:24度

国内販売元:ドーバー洋酒貿易株式会社
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アマレットのおいしい飲み方

アマレットはジンジャーエールやコーラで割ってもおいしい

Brent Hofacker / Shutterstock.com

ここからは、アマレットのおいしい飲み方を紹介していきましょう。

原産国イタリアでは食後酒としてデザートとともにたのしまれることの多いアマレット。この個性あふれるリキュールを堪能するなら、まずはストレートを試してみましょう。小ぶりのグラスに少量を注ぎ、なにも加えずそのまま飲めば、アマレットの芳醇な香りと舌にのせたときの深い味わいをしっかり感じることができます。

アマレット本来の味わいをストレートで確認したあとは、こっくりとした甘さに爽快感をプラスするソーダ割りや、キンキンに冷やしたグラスに氷を入れたオン・ザ・ロックなど、好みのスタイルを見つけましょう。

さらにアマレットは、コーラやジンジャーエール、トニックウォーターなどとの相性も抜群。アマレットに身近なソフトドリンクをプラスするだけで、かんたんにおいしいカクテルを作ることができます。アマレットと割り材の割合は1:3程度を目安に、好みでアレンジしてみてください。

アルコールを飲み慣れていない人や甘めのカクテルが好きな人には、アマレットのミルク割りがイチ押し。味は「杏仁豆腐そのもの」といっていいくらいで、デザートとしてもおすすめの飲み方です。

アマレットを使ったカクテルレシピ

アマレットで本格的なカクテル作りにも挑戦してみましょう。

ゴッドファーザー

渋い大人のカクテル「ゴッドファーザー」

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1972年に公開されたマフィア映画の金字塔「ゴッドファーザー」の名を冠したカクテルは、アマレットとスコッチウイスキーのみのシンプルなレシピながら、濃厚かつ深みのある大人の味をたのしめます。

<材料>
アマレット…15ミリリットル
スコッチウイスキー…45ミリリットル

<作り方>
氷を入れたロックグラスにアマレットとスコッチウイスキーを注ぎ、軽くステアします。

<ポイント>
アマレットとスコッチウイスキーの割合は1:3をベースに、甘味を抑えたいときは1:4にしてみるなど好みで調整を。

ちなみにアルコール度数28度のアマレットと40度のスコッチウイスキーで作ると、このカクテルのアルコール度数は37度になります。使用する銘柄にもよりますがアルコール度数は高めに仕上がるので、適宜チェイサーなどをはさみつつ、ゆっくり、じっくり味わいましょう。

ゴッドマザー

甘さ控えめ、ドライな味わいの「ゴッドマザー」

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ゴッドファーザーのバリエーションとして生まれたカクテル。スモーキーなスコッチウイスキーの代わりにクリアで無臭のウォッカ(ウオツカ)を使うゴッドマザーは、アマレットのやさしい香りや甘味が際立つカクテルです。

<材料>
アマレット…15ミリリットル
ウォッカ…45ミリリットル

<作り方>
氷を入れたロックグラスにアマレットとウォッカを注ぎ、軽くステアします。

<ポイント>
よりドライな味わいにしたいときはアマレットの分量を減らすなど、好みで調整しましょう。アルコール度数もゴッドファーザーと同程度なので、チェイサーを用意し交互に飲みながら、ゆっくりたのしむのがおすすめです。

なお、ゴッドマザーに使うウォッカをブランデーに替えると、1971年製作の映画にちなんでも命名された「フレンチ・コネクション」というカクテルになります。

ボッチ・ボール

オレンジの酸味が心地よい「ボッチ・ボール」

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アマレットのフレーバーをオレンジジュースとソーダでフレッシュに引き立てた、さわやかなカクテル。
「ボッチ・ボール」というネーミングはボールを使ったカーリングのようなスポーツに由来するそう。

<材料>
アマレット…30ミリリットル
オレンジジュース…30ミリリットル
ソーダ…適量

<作り方>
氷を入れたグラスにアマレットとオレンジジュースを注いでステア。さらにソーダを注いで軽くステアします。

<ポイント>
ボッチボールのアルコール度数は3〜4度程度です。アマレットの甘味とオレンジジュースの酸味に炭酸が加わって心地よく、口当たりのよいカクテルだけに、飲み過ぎには注意したいですね。

甘味と苦味が見事に溶け合うアマレットは、飲み物としてだけでなく製菓用としても人気。バニラアイスクリームにかけて「ちょっと大人のスイーツ」としてたのしむのもおすすめです。

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