「ゴッドファーザー」とはどんなカクテル?基本のレシピやおすすめウイスキーを紹介!

「ゴッドファーザー」とはどんなカクテル?基本のレシピやおすすめウイスキーを紹介!
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ウイスキーをベースにしたカクテルの代表的なもののひとつに、「ゴッドファーザー」があります。今回は、マフィア映画の金字塔のタイトルがついたこのカクテルの基礎知識や基本的な作り方、バリエーションなどについて紹介します。

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「ゴッドファーザー」は映画をモチーフに生まれたカクテル

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カクテル「ゴッドファーザー」は、マフィア映画の傑作『ゴッドファーザー』の公開を記念して、作品の魅力を表現すべく生まれたカクテルです。映画とカクテルの魅力を紹介しましょう。

映画『ゴッドファーザー』とは?

マリオ・プーゾの小説を原作に、巨匠フランシス・フォード・コッポラが32歳のときに脚本・監督を務めた映画が『ゴッドファーザー』。マーロン・ブランドやアル・パチーノ、ジェームズ・カーンら名優たちの迫真の演技、スリリングかつ重厚な脚本、映画音楽の名匠ニーノ・ロータが手掛けた美しくも切なげな音楽、そして何より、劇中で描かれるイタリア系アメリカンマフィアの壮絶な生きざまと深い家族愛が観客の心を打ち、当時の興行収入記録を塗り替えるほどの大ヒットを記録。同年度のアカデミー賞で作品賞、主演男優賞、脚色賞を受賞しました。

映画はもちろん日本でも大ヒットし、主題曲「愛のテーマ」に日本語版歌詞をつけた歌謡曲も流行りました。また、マフィアのボスを指す「ドン」という言葉は、この映画を機に一般に広まり、現在でも「政界のドン」「芸能界のドン」など、その世界のトップを指す言葉として使われています。

1972年に公開された第1作に続き、1974年には『ゴッドファーザーPART2』、1990年には『ゴッドファーザーPART3』が公開され、3部作合わせて一大叙事詩となる壮大なストーリーは、今なお多くの映画ファンを魅了し続けています。

「ゴッドファーザー」の味の特徴

映画の世界観を表現したカクテルだけあって、「ゴッドファーザー」のカクテル言葉は「偉大」。イタリア系アメリカンマフィアの世界に君臨したコルレオーネ家初代ドン、ヴィトー・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドが放つ圧倒的な存在感を想起させます。

オールド・ファッションド・グラスに注がれた、美しい琥珀色のカクテル「ゴッドファーザー」の見た目は、ウイスキーの「オン・ザ・ロック」によく似ていますが、特徴的なのはアマレット特有のアーモンドのような香りと甘味です。ベースとなるウイスキーの芳醇な味わいを邪魔することなく、むしろ奥行きを引き出すような飲み口は、映画が描いたマフィア社会の壮絶さと家族愛を感じさせてくれるはず。ひとたび口にすれば、あのテーマ曲「愛のテーマ」のメロディーや、マーロン・ブランドの顔が浮かんでくることでしょう。

氷が溶けるとともに変化していく琥珀の色合いと味わいを、ゆっくりと時間をかけてたのしみたいカクテルです。

「ゴッドファーザー」のアルコール度数

「ゴッドファーザー」のアルコール度数は基本的に34%前後と、かなり強めのカクテルです。ベースとなるウイスキーはだいたい43%ですが、銘柄によって度数は前後します。

また、グラスに入れる氷とのバランスによっても度数は変わってきます。強すぎる場合は好みによってウイスキーとアマレットの比率を変えたり、氷をクラッシュアイスにする飲み方を試してみてはいかがでしょう。

「ゴッドファーザー」の基本的レシピと2つの材料を使う意味

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カクテル「ゴッドファーザー」の基本的な作り方を、2つの材料を使う意味とともに紹介します。

「ゴッドファーザー」の作り方

カクテル「ゴッドファーザー」は、材料も作り方も、いたってシンプルです。

<材料>
◇スコッチウイスキー 約45ミリリットル
◇アマレット     約15ミリリットル

<作り方>
1.氷を入れたオールド・ファッションド・グラス(ロックグラス)に材料を注ぐ。
2.軽くかき混ぜて完成。

材料を注いでグラスの中で混ぜ合わせて作る、シンプルなレシピです。なお、ベースのお酒をウォッカにすると「ゴッドマザー」、ブランデーにすると「フレンチ・コネクション」というカクテルになります。

「ゴッドファーザー」をスコッチウイスキーとアマレットで作る意味

たった2つの材料で映画の世界観を描くカクテル「ゴッドファーザー」。じつは、この2つの材料にこそ、深い意味があるのです。

まずはベースとなるウイスキーが、なぜスコッチウイスキーなのでしょうか。それは、映画が舞台にした時代背景にあります。

映画『ゴッドファーザー』の時代は1940年代後半。当時のイタリア系アメリカンマフィアの稼ぎ方を考えると、アメリカが禁酒法時代(1920~1933年)にスコッチウイスキーを密輸して稼いだということが想像できます。偽物も横行していた時代ですが、富裕層は高額でも本物のスコッチを求めていたそう。つまり、スコッチはイタリア系アメリカンマフィアにとって特別な意味を持つウイスキーといえます。

そしてもうひとつの材料が、独特のアーモンド風味を決めるアマレット。風味はアーモンドに似ていますが、アンズの種を原料とした赤みを帯びた琥珀色のリキュールです。イタリア語で「少し苦いもの」を意味するこのリキュールは、「イタリアン・サーファー」や「シシリアン・キッス」など、イタリアにまつわるカクテルを作る際に使われます。アマレットをベースにしたカクテルも少なくありません。

映画『ゴッドファーザー』は、イタリア系アメリカンマフィアを描いた作品なので、イタリアをイメージさせるアマレットを使うのは必然だといえるでしょう。

「ゴッドファーザー」のウイスキーはどんなウイスキーでもよいの?

映画『ゴッドファーザー』で活躍するコルレオーネファミリーの初代ドン、ヴィトー・コルレオーネは、イタリアからアメリカに移住し、一代で財を築いたという設定になっています。映画で直接的には描かれていないものの、禁酒法時代のアメリカでスコッチウイスキーを密輸することによって手にした莫大な資金を元手に、組織が絶大な力を持つことになったのでしょう。

つまり、コルレオーネファミリーの繁栄の礎となったのが、スコッチウイスキー。ウイスキーとアマレットがあれば「ゴッドファーザー」と似た味は作れますが、イタリア系アメリカンマフィアを描いた映画の世界観をカクテルで表現するには、ほかのウイスキーではなくスコッチウイスキーであるべきなのです。

「ゴッドファーザー」のバリエーションをたのしむ

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カクテルのなかでは比較的歴史の浅い「ゴッドファーザー」ですが、いくつかのバリエーションとなるカクテルがあります。いずれもベースとなるスコッチウイスキーを別のお酒に替えたもので、アマレットの甘い香りは共通しています。

ゴッドマザー

「ゴッドマザー」は、「ゴッドファーザー」のバリエーションとして生まれたカクテルで、スコッチウイスキーではなく、ウォッカをベースにしています。無味無臭のウォッカを使うことで、「ゴッドファーザー」に比べアマレットのやさしい甘味が引き立ち、より飲みやすくなっています。

フレンチ・コネクション

「ゴッドファーザー」と同様、映画『フレンチ・コネクション』にちなんで命名されたカクテルです。アメリカ映画ですが、タイトルどおりフランスをモチーフとしているだけに、ベースとなるのは「コニャック」や「アルマニャック」などフランス産の高級ブランデー。アマレットの風味とブランデーの香り高さが絶妙なハーモニーを奏でます。

ラスティネイル

「ゴッドファーザー」に似たウイスキーベースのカクテルに「ラスティネイル」があります。第二次世界大戦以降に生み出されたカクテルで、アマレットの替わりに「ドランブイ」というモルトウイスキーベースのリキュールを使用します。数十種類のスコッチウイスキーにハチミツやハーブを配合して作られた「ドランブイ」を使うことで、ウイスキーが持つ芳醇さに強い甘味が加わり、濃厚な味わいのカクテルに仕上がります。

たった2つの材料で、重厚かつ繊細な映画の世界を表現したカクテル「ゴッドファーザー」は、カクテルのたのしさが広がる1杯です。ぜひ映画の世界に思いを馳せながら、堪能してみてくださいね。

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